ギリシア神話の「レダと白鳥」について解説!

「レダと白鳥」

 

絵画でもよく描かれる題材にレダと白鳥(Leda and the Swan)があります。

 

ギリシア神話の最高神”ゼウス”がスパルタ王の妻”レダ(レーダー)”を誘惑するという話で、僕らの価値観で考えると、まさに不貞行為!

神だから許されるのか!?といった話は別として、こういった人間味があるのもギリシア神話のオモシロだろうと思っています。

今回は「レダと白鳥」について、絵画も交えながら解説していこうと思います。

 

目次

神話「レダと白鳥」について解説!
様々な「レダと白鳥」を見ていきましょう!

 

 

 

神話「レダと白鳥」について解説!

「レダと白鳥」

ギリシア神話「レダと白鳥」は結構有名な話で、絵画でもよく描かれる題材の一つ。

ギリシア神話の最高神”ゼウス”が、スパルタ王の妻”レダ(レーダー)”を誘惑するという話です。

もうちょっと噛み砕いて説明するなら、人妻に恋をした最高神”ゼウス”が白鳥に姿を変えて近づき、そして交わるという話。

僕らの価値観で考えると、まさに”不貞”に当たる行為でしょう。

 

「レダと白鳥」(1515年頃)アンドレア・デル・サルト

「レダと白鳥」(1515年頃)アンドレア・デル・サルト

・102×76cm、カンヴァスに油彩、ベルギー王立美術館所蔵

ゼウスは全知全能の神で、ギリシア神話における最高神。
(ローマ神話には”ユピテル(ジュピター)”という名がありますが、こちらも一般的に”ゼウス”を指しています。)

ちなみにゼウスには”ヘラ”という正妻が居たので、レダを誘惑する行為は”浮気”に当たる行為です。

嫉妬深いヘラに浮気がばれないように、わざわざ白鳥に姿を変えて下界に降り、そしてレダを誘惑しようとしたわけです

 

レダと白鳥(Leda and the Swan)

ギリシア神話中の挿話。ユピテルはスパルタ王テュンダレオスの妻レダに恋慕し、白鳥に姿を変えて河岸にいた彼女を訪れ、共に寝た。その結果、レダは1つないし2つ(諸説あり)の卵を産み、卵から天上の双子カストルとポルクス、トロイアのヘレネとクリュタイムネストラが誕生した。~以下省略~

・出典元:『西洋美術解読事典』より、一部抜粋

 

”レダと白鳥”は絵画でもよく描かれる題材です。

次では、様々な画家の作品を見ていこうと思います。

 

 

 

様々な「レダと白鳥」を見ていきましょう!

じっくりと鑑賞する

”レダと白鳥”は絵画でよく描かれる題材の一つです。

特にルネサンス期は非常に人気があったそうで、例えばダ・ヴィンチやミケランジェロと言った巨匠も描いているくらいです。

内容的には非常にエロティックなので、日本人の感覚からするとちょっと受け入れ難いでしょうけど、これも西洋と日本の価値観の違いと言ったものでしょうか。

 

て、まず挙げるべきはダ・ヴィンチから…

「レダと白鳥」(1505-1510年頃)チェザーレ・ダ・セストによる模写

「レダと白鳥」(1505-1510年頃)チェザーレ・ダ・セストによる模写

・69.5×73.7cm、パネルに油彩、ウィルトン・ハウス・コレクション

ダ・ヴィンチとは言え、本人のではなく模写になります。

多くの画家によって模写されているので、ダ・ヴィンチが描いた「レダと白鳥」がどういった構図だったかが、ある程度分かっているわけです。

 

「レダと白鳥」(1508-1515年頃)フランチェスコ・メルツィ

「レダと白鳥」(1508-1515年頃)フランチェスコ・メルツィ

・131×78cm、カンヴァスに油彩、ウフィツィ美術館所蔵

こちらはフランチェスコ・メルツィ(Francesco Melzi)の「レダと白鳥」で、俗に「スピリドンのレダ」と呼ばれる作品。

元々スピリドン公爵家が持っていたので、この名が付いたとされています。

フランチェスコ・メルツィはダ・ヴィンチの弟子だったので、ダ・ヴィンチと構図が似ているのも当然でしょうか。

 

「レダと白鳥」(1530年以降)失われたミケランジェロの絵画の模写

「レダと白鳥」(1530年以降)失われたミケランジェロの絵画の模写

・105×141cm、カンヴァスに油彩、ロンドン・ナショナル・ギャラリー

これはミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo Buonarroti)の「レダと白鳥」の模写です。

現在はロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されています。

元々あったミケランジェロの「レダと白鳥」は、現在は行方不明になっていて、俗に”失われた美術品”と言われる代物。

一説では”エロティックな内容のために破壊された”とか…。 

 

「レダと白鳥」(1742年)フランソワ・ブーシェ

「レダと白鳥」(1742年)フランソワ・ブーシェ

・59.6×74.3、カンヴァスに油彩、ロサンゼルス・カウンティ美術館所蔵

そしてフランソワ・ブーシェ(Francois Boucher)の「レダと白鳥」です。

言わずと知れたロココ期を代表する画家です。

とても官能的というか、甘美溢れる感じで、まさにロココを象徴する作風ですね。

 

「レダと白鳥」(1895年)ジャン=レオン・ジェローム

「レダと白鳥」(1895年)ジャン=レオン・ジェローム

・82.5×73.6cm、カンヴァスに油彩

そしてジャン=レオン・ジェローム(Jean Leon Gerome)の「レダと白鳥」。

ジェローム(1824~1904年)は、フランス出身の画家で彫刻家。

作品名を言われなかったら、どんな絵なのか分からないかもしれない!?

画家の解釈によって、構図が大きく分かるのも絵画のオモシロさでしょう。

 

私の考え
「レダと白鳥」は絵画でもよく描かれる題材です。

美術館に観かけた際は、今回の話を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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