- 2025-5-7
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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最近何かと話題に挙がる言葉に、”教皇選挙(コンクラーベ)”があります。
カトリック教会の最高指導者を選ぶ重要な選挙で、実はかなり古くからある習慣だったりします。
ただ現在でもそうですが、”教皇選挙の様子”は基本公開禁止だそうです。
それだけに内部の様子が妙に気になってしまう…。
というわけで今回は、”教皇選挙(コンクラーベ)”を美術好き人間目線で解説していこうと思います。
【 今回の話の流れ 】 |
コンクラーベとは何?
まずは”教皇選挙(コンクラーベ)”について、説明する必要があると思います。
絵画を鑑賞する際にも、最低限の知識はあった方がいいですからね。私なりに簡単ですが、解説したいと思います。
さて、2025年4月21日、第266代ローマ教皇”フランシスコ”が亡くなったのは記憶に新しいと思います。
そのため、時期のローマ教皇を選出しないといけないわけですが、そのシステムを”教皇選挙(コンクラーベ)”と言います。
基本的には教皇が死去してから、15日が経過してから行われるそうです。
というのも、全国にいる枢機卿が揃うのも待つため。選挙権を有しているのが、枢機卿だからです。
開催場所は、システィーナ礼拝堂!
まず開催される場所ですが、ご存知の通り”システィーナ礼拝堂”になります。
先ほどもちょっと触れましたが、選挙の様子については基本的に外部への公開禁止です。
現在はカメラや映像技術があるのに、その様子を残せられない。
実に残念ではあるけれど、でも反対に妙に興味をそそられてしまうから不思議ですね。
ちなみに「コンクラーベ(Conclave)」は、ラテン語で「cum clavi」、つまり”鍵がかかった”という意味になります。
言葉からも、選挙の様子がうかがい知れますよね。
教皇選挙の流れ!!

「1878年、システィーナ礼拝堂で行われた教皇選挙(コンクラーベ)」 ※パブリックドメイン画像
それでは、実際に選挙はどんな感じに行われるのか??
私なりに簡単に解説したいと思います。
まず投票ですが、初日の午後に1回行われるそうです。
それでも決まらない場合は、続く2日に午前と午後に2回ずつ行われるそう。
3日間の投票でも決まらなければ、最大1日の祈りの期間をおいて、また同じ手順で選挙をするようです。
(※「カトリック中央協議会」の公式サイトの解説を参考)
ここまでの説明からも分かる様に、場合によってはかなりの長丁場になるかもしれない。
というのも、選出には3分の2以上の得票数が必要だからです。

「教皇レオ13世の肖像」(1900年頃)フィリップ・ド・ラースロー
・111.8×94cm、カンヴァスに油彩、ハンガリー国立美術館所蔵
ちなみに「1878年の教皇選挙」で選出されたのが、”第256代ローマ教皇レオ13世”でした。
※本名はジョアッキーノ・ヴィンチェンツォ(Gioacchino Vincenzo)
在位は1878年~1903年の約25年間。93歳まで教皇の座に就き、歴代の教皇の中でも最高齢に位置する人物。

「教皇レオ13世の戴冠式」(1900年頃) / ※パブリックドメイン
特に大きな功績として、1891年に出した回勅「Rerum Novarum(レールム・ノヴァールム)」があります。
経済や貧困、福祉と言った社会問題に対して、カトリック教会の役割を示した事で大きな評価を得たと言います。
教皇の発した言葉が、全世界に大きな影響を与える!
ローマ教皇は全世界12億人以上いるカトリック信徒の最高指導者的存在ですから、3分の2以上の得票数を得られないと選出されないというのも納得です。
さて余談にはなりますが、場合によって選挙が長丁場になる事から、「コンクラーベ」は”根比べ”が由来と言われたりします。
でも実は語源にはまったく関係ないと言います。
選挙結果はどうやって知れるの!?

「1878年の教皇選挙(コンクラーベ)、立ち上る煙」 ※パブリックドメイン画像
それでは、僕らの一番の関心事!
一体どうやって私たちは結果を知れるのか?ですが…
これは結構有名な話で、システィーナ礼拝堂にある煙突の煙の色で判断できるわけです。

「1878年の教皇選挙(コンクラーベ)、立ち上る煙(detail)」 ※パブリックドメイン画像
黒い煙だったら、新教皇は選ばれず!
白い煙だったら、”新教皇が選ばれた!!”と。
そして、その後に礼拝堂の鐘が鳴って、正式な合図が成されるという流れです。
時代によって対象の違いはあるにせよ、大まかな流れは変わらないそうです。
ここまでいくつかコンクラーベが描かれた絵を挙げてみましたが、どうでしたか!?
当時の様子をうかがい知れる歴史的資料でもあり、そして芸術的作品でもある!私としては、”資料的美術作品!?”と言いたいですね。
(もちろんですが、今回挙げた作品はパブリック・ドメインなど掲載可能な素材を使用しています。)
本当ならもっと観たい!というのはありますが、ただ本来コンクラーベは公開禁止ですからね。
少なくとも、雰囲気が感じられるだけでも、実に貴重な事だと思うわけです。
これもアートならではの醍醐味というモノでしょうか!!^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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