女流画家”上村松園”の生い立ちと代表作を解説!

女流画家”上村松園”について解説します!

 

日本画家上村松園(うえむらしょうえん)をご存知ですか!?

 

気品高い美人画が特徴的で、女性として日本で初の文化勲章を受章した画家です。

実は今年(2025)で生誕150年を記念するそうです。

 

今回は”上村松園”について、簡単ですが解説していこうと思います。

 

目次

女流画家”上村松園”について解説!
上村松園の代表作を観ていこう!!

 

 

 

 

女流画家”上村松園”について解説!

解説

村松園(うえむらしょうえん)という画家は知っていますか!?

日本画に詳しくなくても、おそらく名前くらいは知っているかと思います。

確か、学校の授業で習ったという人も多いでしょう。

 

ちなみに私のイメージになりますが、”美人画を描いた日本画家”で、3本の指に入る画家という認識です。

特に気品高い女性画を描かせたら右に出る者はいないと思っているくらいです。

 

「序の舞」(1936年、昭和11年)上村松園

「序の舞」(1936年、昭和11年)上村松園

・233×141.3cm、絹本着色、東京藝術大学所蔵

これは上村松園の代表作序の舞です。

歴史の教科書にも載るほどなので、日本の歴史を語る上でも重要な作品の一つです。

私の解釈になりますが、凛とした仕草着ている着物の美しさに見惚れてしまいますね。

実は上村自身も、”理想とする女性の最高のもの!を描いた”と語っている程。

女性が”理想とする最高の女性”を描いたわけですから、これほど美しい女性像は他にあるだろうか??

 

「序の舞(detail)」(1936年、昭和11年)上村松園

「序の舞(detail)」(1936年、昭和11年)上村松園

・233×141.3cm、絹本着色、東京藝術大学所蔵

もちろん美しさという点では目を見張るものがあると思います。

でも個人的には、”の描写は絶賛!の域ですね!!

繊細さと美が際立っている感じがあるからです。

 

美しい日本髪が忘れられていくのを歎く気持ちもある…

上村松園の語った”日本女性の日本髪の美しさ”についてのエピソードは結構有名で、私が思うに上村が一番描きたかったのは”日本髪の美”だろうと思っています。

解釈は人それぞれですが、上村松園の最高傑作!なのは間違いないですよね。

 

として…

上村松園(うえむらしょうえん)

明治8.4.23ー昭和24.8.27(1875年ー1949年)

女流日本画家。本名は津禰(つね)」。京都に生れ、奈良県で没。はじめ京都府画学校に学び、鈴木松年(1849-1918)、のち幸野楳嶺(こうのばいれい)、竹内栖鳳に師事。その間、内国勧業博覧会、日本青年絵画共進会、シカゴやパリの万国博覧会で受賞。また文展で受賞をかさね、文展無鑑査、帝展委員(1924)、昭和9年(1934)の帝展に『母子』(東京国立近代美術館)を出品、帝展参与となる。~

・出典元:『新潮 世界美術辞典』より一部

 

新潮「世界美術辞典」
上の『新潮 世界美術辞典』の解説を見ていて、特に気になるのが幸野楳嶺と竹内栖鳳の画家に師事した事!

共に日本を代表する画家ではあるけれど、この2人に共通するのが”鋭い観察眼”を持っていた点でしょうか。

確かに女性ならでは視点もあったでしょう。

でも根底に鋭い観察眼があったから、ここまで女性の美しさを表現出来たと思っています。

 

 

 

上村松園の代表作を観ていこう!!

「待月」(1944年、昭和19年)上村松園

「待月」(1944年、昭和19年)上村松園

れでは、上村松園の代表作をいくつか見ていこうと思います。

実は調べてみると分かりますが、ほとんどが女性を描いた作品です。

しかもどれもが”美人というに相応しい美しさ!これは上村の最大の特徴でもあると思います。

風景画や動物画などもあってもいいのでは?と思いますが、ここまで”美人画”に特化した画家も珍しいのではないでしょうか。

 

「蛍」(1913年、大正2年)上村松園

「蛍」(1913年、大正2年)上村松園

・175.0×98.0cm、絹本着色

全体的に淡い色彩で描かれているのが特徴の作品です。

それに着ている着物も質素な感じでありながら、それでいて女性の美しさが際立っているから不思議ですね。

こういった女性らしさを表現できるのは、女流画家”上村松園”ならではの業だと思います。

 

「娘深雪」(1914年、大正3年)上村松園

「娘深雪」(1914年、大正3年)上村松園

・153.0×84.0cm、絹本着色、足立美術館所蔵

 

「花がたみ」(1915年、大正4年)上村松園

「花がたみ」(1915年、大正4年)上村松園

・208.3×127.5cm、絹本着色

上村松園の作品はどれも”美しさ!”に際立っているのが特徴です。

でも、この「花がたみ」はちょっと異色な作品です。

何より女性の表情が、何とも言えない不気味さを感じさせているから。

確かに着物の装飾や紅葉の描写は相変わらずの美しさですが、乱れた感じと女性の表情から怖さも感じるほど!!

実はこの作品は謡曲花筐(はながたみ)』の主人公”照日”を描いたもの。

女性の美しさを知っているからこそ、逆に”狂人”的な女性も描けるのかもしれないですね。

 

「母子」(1934年、昭和9年)上村松園

「母子」(1934年、昭和9年)上村松園

・169.0×116.2cm、絹本着色、東京国立近代美術館所蔵

そして上村の代表作といったら、この「母子」は外せない作品でしょう。

上村松園は自分が生まれる2か月前に父親を亡くしているため、”女手一つ”で育てられたという経緯があります。母の期待に応えようとする強い気持ちが、作品にも表れているとも言います。

「母子」には、母への強い想い!が込められているわけですね。

 

「晩秋」(1943年、昭和18年)上村松園

「晩秋」(1943年、昭和18年)上村松園

・182.5×86.0cm、絹本着色、大阪市立美術館所蔵

これは上村松園が60歳後半に描いた作品「晩秋」。

破れた障子に花型に切った紙を貼り、修繕している場面を表現している作品です。

自身の母親の姿と重ね合わせて描いたともいわれています。

 

「牡丹雪」(1944年、昭和19年)上村松園

「牡丹雪」(1944年、昭和19年)上村松園

・71.0×86.2cm、絹本着色

雪空の下を行き交う、若い娘を描いた作品。

ふんわりとした雪の表現と、女性の美しさは絶品ですね。

個人的には、色彩表現にも惹かれてしまう…。

年齢的に70歳近いというのに、この繊細な技術と色彩感覚は凄い!!

女性として初の文化勲章を受章したのも納得です。

 

私の考え
どうだったでしょうか!?

上村松園の画家としての凄さが分かった感じがしませんか?

見れば観るほど、上村の作品に深みが増してくるから不思議ですね。

 

2025年は生誕150年という節目だけに、記念展も開催しています。

大阪中之島美術館では、「生誕150年記念:上村松園展」2025年3月29~6月1日まで開催。

山種美術館では「上村松園と麗しき女性たちが、2025年5月17~7月27日まで開催。

興味のある方は、行ってみるとイイと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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