「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」と観てきました。

「ゴッホ展 2021」…東京都美術館にて

 

絵画は本物を間近で観るに限る!!

特にゴッホについてはそうだと思います。

先日上野の東京都美術館に行き、
クレラー=ミュラー美術館所蔵 ゴッホ展」を観てきました。

 

今回はその時の様子を私の感想を交えて話していきたいと思います。

 

・・・

東京都美術館で開催の「ゴッホ展 2021」

このゴッホ展は東京で開催した後(東京開催は2021年12月12日まで)
福岡、名古屋と巡回開催します。

ぜひ機会のある人は行ってみるといいと思います。

【ゴッホ展響きあう魂ヘレーネとフィンセント】

(福岡開催)
・2021年12月23日(木)~2022年2月13日(日)まで、福岡市美術館にて

(名古屋開催)
・2022年2月23日(水)~4月10日(日)まで、名古屋市美術館にて

 

この絵画展はクレラー=ミュラー美術館から
ゴッホの描いた油絵28点と素描、版画が20点展示されます。

もちろん見慣れた作品もあるわけですが、
中には初めてお目にする作品もあります。

・・・

「緑のブドウ園」(1888年10月3日)フィンセント・ファン・ゴッホ

「緑のブドウ園」(1888年10月3日)フィンセント・ファン・ゴッホ

・カンヴァスに油彩、73.5×92.5cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

これはゴッホがゴーガンが共同生活する少し前に描いた”葡萄畑の絵”です。

 

絵を見て感動!
実はこの作品は今回特に惹かれた1枚!!
何よりもゴッホらしさが出ている絵だと思いませんか?

豪快な絵具の盛りや勢いというか…
見ればあなたも実感できるでしょうね!!

近くで見ると絵具が半端なく盛られていて
あたかもゴチャゴチャっとした感じにしか見えない。

でも離れてい見ると不思議にも一体感があるのです。

ブドウ畑の枝や茎の入り乱れた様子があって、
絵具が厚く盛られているためか異様な立体感もあるんですね!

こういった絵はやっぱりゴッホならではだな~って思いますね。

厚塗りによって絵の表情が生まれるとは言うけれど、
この作品はまさにそうだな~と実感できると思います。

これをゴッホはたった1日で描いたと言うわけだから、
絵からゴッホの勢いというか情熱みたいなものも感じませんか??

 

さてこんな風にゴッホというと
色彩豊かな油絵ばかりが注目されがちです。

でもこの絵画展ではぜひ素描も注目して欲しい!!

確かに素描は白と黒中心で描かれていて、
油絵に比べれば地味と言えば地味ですよね。

でもだからこそ画家の画力がありのまま見える感じがするのです。

 

「刈り込んだ柳のある道」(1881年10月)フィンセント・ファン・ゴッホ

「刈り込んだ柳のある道」(1881年10月)フィンセント・ファン・ゴッホ

・木炭、黒チョーク、賽の目紙、43.8×59.2cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

ゴッホについてあまり詳しくない人が見たら、
おそらくゴッホの作品だとは思わないかもしれないですね!?

ゴッホが精神的不安定な頃に描いた油絵のイメージが強いと、
こういった素描を描いていたとは思えないと思います。

おそらく実際に観ると思うでしょうが、
ゴッホの素描は普通に上手い!と思います。

特に人物について言えば、
存在感は半端ないと思います。
動きが伝わってきそうな、
そんな臨場感があるんですよね!!

今回20点ほど素描を見る事が出来ますが、
ふと思った事があります。

今の様にゴッホが評価されるに至った理由には、
ゴッホの絵画の基礎というか土台があったからなんだろうな~と。

 

「ジャガイモを食べる人々」(1885年4月)フィンセント・ファン・ゴッホ

「ジャガイモを食べる人々」(1885年4月)フィンセント・ファン・ゴッホ

・リトグラフ、網目紙、28.4×34.1cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

さてこの「ジャガイモを食べる人々」は
実はゴッホとしては珍しいリトグラフで制作されたものです。

ゴッホはこの作品に対してかなり思い入れがあった様ですが、
でも結果的にあまり評価される事がなかったと言います。

実は初期の頃のゴッホは
この様に農民の生活ぶりを描きたかった様です。

それは人間の本来の姿を描きたかったからだと言われています。

 

「青い花瓶の花」(1887年6月頃)フィンセント・ファン・ゴッホ

「青い花瓶の花」(1887年6月頃)フィンセント・ファン・ゴッホ

・カンヴァスに油彩、61.5×38.5cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

ゴッホという画家の興味深い所は、
生き方というか生い立ちによって作風も大きく変化していく事!

これまで白、黒中心の薄暗い感じの作風が多かったのが、
急に色彩が鮮やかになっていったりもします。

 

一体ゴッホの身に何があったのか!?

今回のゴッホ展を見ていく上での1つのポイントだとも思います。

ゴッホを知れば知るほどより作品が魅力的に見えてくるのは、
それは作品がゴッホの生き様と起因しているからなんでしょうね!

おそらくゴッホ作品をこよなく愛した
今回のヘレーネもそれは感じていた事だろうと思います。

 

「サン=レミの療養院の庭」(1889年5月)フィンセント・ファン・ゴッホ

「サン=レミの療養院の庭」(1889年5月)フィンセント・ファン・ゴッホ

・カンヴァスに油彩、91.5×72cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

これはサン=レミにサン=ポール=ド=モーゾール療養院に居る時に描いた作品。

高い松の木と、まるで手入れのされていない様な芝生。
この療養院にはまるで見捨てられた様な庭があったそうです。

ゴッホはこの庭に魅せられこの絵を描いたと言われています。

様々な色の木々や葉や花。
決して整備された感じはしないとはいえ、
ある意味自然らしい庭の様子は個人的に好きな絵ですね。

 

「麦束のある月の出の風景」(1889年7月)フィンセント・ファン・ゴッホ

「麦束のある月の出の風景」(1889年7月)フィンセント・ファン・ゴッホ

・カンヴァスに油彩、72×91.3cm、クレラー=ミュラー美術館所蔵

人間は刈り取られる麦の様なものだ!!

ゴッホは以前に描いた「種まく人」の対極としてこの作品を描いた様です。

 

「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」(1888年6月)フィンセント・ファン・ゴッホ

「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」(1888年6月)フィンセント・ファン・ゴッホ

・カンヴァスに油彩、50.5×64.3cm、ファン・ゴッホ美術館所蔵

これは今展の後半に展示された海を描いた作品。

 

絵を見て感動!
実はこれは私的に今回の一押しの作品です!

どうですか?この荒々しい波の感じと白い水しぶきの様子。
ゴッホらしい荒々しいタッチだからこその作品だと思います。

ゴッホの絵であまりこういった海の絵は珍しい感じがしますね。

それに波の描き方も青だけでなく、
黄色や黒、緑など様々な色で波の様子が表現されていて、
まるで印象派の雰囲気を感じさせてくれます。

 

ここでCheck!
この絵に付けられた赤いサインに注目!

絵の左下に描かれた赤い色のゴッホのサイン。
実はこれはアクセントとして赤い色のサインにしたそうです。

ゴッホはドラクロワから様々な色彩理論を学んだそうですが、
この絵については緑色の対比として…
つまり補色として”赤色”を使ったと言います。

ゴッホは自身の主張としてサインを書いたというよりも、
絵画の一部として自身のサインをしていた感じがしますね。

ゴッホは作品にサインをしない事も多々あったわけですが、
思うにこの理由としては
作品の雰囲気を壊さないためにあえてサインをしなかったのかもしれないですね。

 

ふとこの海の絵から
ゴッホの絵に対するこだわりが垣間見えてた感じがしますね。

 

・・・

上野の東京都美術館 東京都美術館周辺の様子

この東京の「クレラー=ミュラー美術館所蔵 ゴッホ展」は
2021年の12月12日まで開催します。

ぜひ機会のある人は行ってみては??

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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