- 2025-8-14
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美術館に行く度に、新たな発見と出会いがある!
これも芸術のオモシロさで、奥深さだろうと思っています。
先日国立西洋美術館で、画家”フェーデ・ガリツィア(Fede Galizia)”について知るきっかけがあったので、今回は作品を挙げながら話していこうと思います。
まずは代表作から…

「ホロフェルネスの首を持つユディト」(1596年)フェーデ・ガリツィア
・121×94cm、カンヴァスに油彩
これはフェーデ・ガリツィアの代表作の一つ「ホロフェルネスの首を持つユディト」です。
前回少し話しましたが、フェーデ・ガリツィアはイタリア出身の女流画家です。
時代でいうと1578年頃~1630年頃なので、ちょうどカラヴァッジョ(1571~1610年)と同時期に生きた画家です。
上の様に宗教画も多数残していますが、主に肖像画や静物画で人気のあった画家の様です。

「マヨリカ焼きのバスケットと果物の静物」(1610年頃)フェーデ・ガリツィア
・カンヴァスに油彩、個人蔵
特に静物画の分野で言えば、かなりの画力を誇った様です。
非常にリアルで細密ともいえる描写で、早くして認められていたのも納得ですね。

「クリスタルスタンド上の桃、マルメロとジャスミンのある静物」(1607年)フェーデ・ガリツィア
・31.2×42.5cm、ポプラ木に油彩、個人蔵
個人的な意見になりますが、カラヴァッジョに勝るとも劣らずと言った感じでしょうか。
私の解釈では、それくらい上手い画家だろうと思うのです。

「シルバーコンポート上のチェリーとクラブアップルのある静物」フェーデ・ガリツィア
・28.2×42.2cm、パネルに油彩
17世紀頃の絵画の格付けと言えば、歴史画や宗教画のジャンルが上位に位置していました。
静物画はそこまで高く評価されるジャンルではなかったのです。
そんな時代にあって、俗に”静物画のパイオニア”と称される事もあったそう。

「パオロ・モリージャの肖像」(1596年)フェーデ・ガリツィア
・88×79cm、カンヴァスに油彩、アンブロシアーナ絵画館所蔵
そんな画力の高さは、肖像画の分野でもいかんなく発揮されていたようです。
人物の上手さもそうですが、随所に描かれた書物や小物の描写も必見。
男性の左手に持つメガネレンズに移り込む様子は、実にリアルです。

「フェデリコ・ツッカリの肖像」(1604年)フェーデ・ガリツィア
・56×43cm、カンヴァスに油彩、ウフィツィ美術館所蔵
これはフェデリコ・ツッカリ(Federico Zuccari)の肖像画で、1542年頃~1609年に生きたイタリア人画家&建築家。
これほどの画家が居たのに、なぜ今までフェーデ・ガリツィアの存在を知らなかったのだろう?
それほど同時期に活躍したカラヴァッジョが偉大過ぎたという事だろうか!?

まだまだ私の知らない画家もたくさんいるでしょうけど、それは今後のお楽しみ!
美術館で起こる”新たな出会い”の度に、随時吸収していきたいと思います。
とにかく彼女の存在を知れただけでも、イイきっかけだと思った今日この頃なのでした。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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