- 2021-6-19
- Artwork (芸術作品)
- コメントを書く
個性的な肖像画を描く画家で知られる”アメデオ・モディリアーニ”ですが、時として物凄い落札価格を記録する事があります。
今回紹介する作品は共に女性の裸婦画ですが、どちらも凄い金額です。一体どういった人が購入したのか分からないですが、世の中には持っている人もいるんだな~とつくづく思いますね。確かに女性らしい曲線美と大胆なポーズの裸婦画を目にしたら、欲しくなる気持ちも分からなくはないけれど…、それでもこの落札価格は凄いの一言!!
2018年5月14日、サザビーズ・ニューヨークで行われたオークションにおいて、イタリアの画家”アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Modigliani)”の「横たわる裸婦」が”1億5,720万ドル(日本円で約172億円)で落札!当初の予想を上回る落札価格で、サザビーズのオークションで落札された作品としては過去最高を記録しました。
※ニュース記事の一部抜粋、要約
さてサザビーズ史上、最高価格を記録したのがこちら!
・89.5×146.7cm、カンヴァスに油彩
モディリアーニが亡くなる3年前、1917年に描かれた作品です。女性の大胆かつセクシーなポーズ、それから腰から脚にかけての魅力的なラインにウットリですね!(^^)崩した感じのタッチで、ここまで女性らしさを表現するって…。さすがモディリアーニ!といった感じでしょうか。評価されるのも分かる気がします。
これまでモディリアーニの作品は何度も観てきましたが、特に女性の裸婦画シリーズはイイですね!セクシーなんだけれど、いやらしさは感じない。一言でいえば”造形美”となるのでしょうか!?女性のねじれたポーズが一層”線(ライン)の美しさ!”を際立たせている感じです。肌の美しさが映えるルノワールの裸婦画とも違い、クールベの「世界の起源」の様なエロチシズムでもない。女性の曲線美が物凄くセクシーで美しい!線(ライン)だけで”美”を表現できる画家って、モディリアーニ以外に誰かいるだろうか??
ちなみにモディリアーニの「横たわる裸婦」は、浜田マハさんの小説『リボルバー』でも登場してきます。日本では絵画や美術ネタはそれほど大きなニュースにはならないけれど、でもオークションに関わっている人たちにとってはビッグニュースだったでしょうね。小説『リボルバー』を読みながら、ふとキュレーターの職業もイイな~と思ってしまいました。^^
モディリアーニの、もう一つの高値落札作品は?
実は2015年に落札されたモディリアーニの作品も、ビックリする落札価格でした。先ほど話したサザビーズで落札された裸婦画は1億5,720万ドルでしたが、今度の作品はもうちょっと上の値段です。
・60×92cm、カンヴァスに油彩
これはクリスティーズというオークションハウスで、”1億7,000万ドル”で落札された作品。
「赤い裸婦」も「横たわる裸婦」と同じ1917年に制作された作品。でも女性のポーズはさらに大胆になっていますね。太ももから下をバッサリ切る構図もさることながら、何といっても女性の局部が露わになっている大胆なポーズも必見!もちろん、上半身の曲線美も物凄くセクシーです。腰から太ももにかけてのラインは、特に目を惹きますね!
モディリアーニの”裸婦画”の魅力って何だろう!?
モディリアーニの裸婦画は、他の画家と違ってちょっと異色です。ちょっとと言うか、かなり個性的ですよね。それでも高値を付けるわけですから、何かしら魅力があるって事だろうと思うのです。
というわけで、私なりにモディリアーニの裸婦画の魅力を考察してみました。
今回紹介した「横たわる裸婦」と「赤い裸婦」もそうですが、女性を美しく描こうとしていない!感じがします。かなり崩した顔立ちと、ちょっと黒づんだ感じの肌の色もそうですが、美しく描こうという感じがあまりないのです。それでも”美”が感じらるのが不思議ですね。
・60.6×92.7cm、カンヴァスに油彩、メトロポリタン美術館所蔵
くっきりとした線で描かれる、セクシーな身体のライン!
繰り返しになってしまいますが、これがモディリアーニの”造形美”って事でしょうか。モディリアーニは彫刻家でもあったので、他の画家以上に”線(ライン)”に対する意識は高かったのかもしれませんね。今回紹介した「横たわる裸婦」と「赤い裸婦」は、どちらも驚くべき落札価格を記録しましたが、落札した人は一体何に惹かれたのか気になりますね。
もしかしたら、私と同じく”線(ライン)”に魅了されたのかもしれませんね!?
購入する理由は様々ですが、少なくとも私はモディリアーニの造形美に魅了されてしまった一人。あなたはモディリアーニの裸婦画の何?に魅力を感じますか?
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。