東方三博士(Magi)って何!? そして様々な絵画「東方三博士の礼拝」を見ると…

キリストの誕生と東方三博士

 

東方三博士の礼拝(Adoration of the Magi)

 

このタイトルの絵画を目にした事はありますか?

西洋絵画の中で宗教画は重要な位置を占めて、
特にこの”東方三博士の礼拝”は宗教絵画でも頻繁に描かれるテーマ。

ぜひ西洋絵画を愉しむ上で、
知っておいてほしいワードだと思います。

 

 

”東方三博士”って何?誰なの??

キリストの誕生と東方三博士

東方三博士(Adoration of the Magi)”とは…

イエスが誕生した時にやってきて、
誕生を祝い拝んだとされる3人の賢者の事。
それぞれ黄金、乳香、投薬を贈ったとされています。
『新約聖書』の「マタイの福音書」では”東方からきた博士”と書かれています。

※Adorationが礼拝を意味し、Magiが東方三博士を指しています。

 

例えば
ボッティチェリはこの様な作品を…

「東方三博士の礼拝」(1475年頃)サンドロ・ボッティチェリ

「東方三博士の礼拝」(1475年頃)サンドロ・ボッティチェリ

サンドロ・ボッティチェリ東方三博士の礼拝(1475年頃)

 

ここでCheck!
ここで”東方三博士”の話を簡単にしたいと思います。

当時はヘロデ大王が統治する時代…

ある日ヘロデ大王の元に
東方から博士たちが訪れてきました。

そして大王にこんな話をするのです。
「ユダヤ人の王がお生まれになった方は、どこにおられますか?
私たちは東方でその方の星を見て、やってきました。」と。

この話を聞いたヘロデ大王は不安に駆られるのでした。
というのも近い将来神の子によって
自分の存在が脅かされるのでは?と考えたからです。

そしてヘロデ大王は博士たちに
「見つかったら私に知らせてくれ。私も拝みに行くから」といい、
博士たちをベツレヘムへ遣わしたのでした。

 

東方から来た三賢人

そして3人の博士たちは星に導かれる様に、
神の子が生まれたとされるベツレヘムへ向かいます。

キリストの降誕

そこで3人の博士は
救世主(イエス)の誕生を目のあたりにするのでした。

そして3人の博士はイエスの誕生を喜び、
3つの宝(黄金、投薬、乳香)を捧げ崇めたのでした。

絵画において”東方三博士”は、
イエス・キリストの誕生と一緒に描かれる事がほとんど。

 

「東方三博士の礼拝」(1624年)アブラハム・ブルーマールト

「東方三博士の礼拝」(1624年)アブラハム・ブルーマールト

アブラハム・ブルーマールト東方三博士の礼拝(1624年)

ここで気になるのは絵の上の方で輝いている””。
これは”ベツレヘムの星”と呼ばれ、
イエスの誕生を知らせた星と言われています。

ちなみにクリスマス・ツリーの上に飾る星は、
実はこのベツレヘムの星から来ていると言われています。

※このアブラハム・ブルーマールト(1566年~1651年)は、
自身がカトリック教徒だった事もあり依頼を受け多くの宗教画を描いています。

 

ポイント!
三博士と3つの贈り物に注目!!

宗教画では描かれている人物や物には、
それぞれ意味やメッセージが込められている事がほとんど!

もちろん今回の”東方三賢人の贈り物”にも
こんな意味があると言います。

 

東方三博士と3つの贈り物
3博士が捧げた贈り物の意味とは?

・メルキオール(Melchior)
…贈り物は”黄金”(王位の象徴)

・カスパール(Casper)
…贈り物は”没薬”(死を象徴)

・バルタザール(Balthasar)
…贈り物は”乳香”。(祈り・神権を象徴)

 

して描かれている3人の人物像にも
こんな意味があるとされています。

まず3人の国籍で言えば、
ヨーロッパ、アフリカ、アジアと様々な国籍。
また年齢も老年、壮年、青年と様々に描かれているのです。

 

考え…・思い…
博士たちの年齢や国籍がそれぞれ違う。
これにはこういった意味があると言われています。
世界中の老若男女様々な人たちがイエスの誕生を祝福している。
…こういった意味があるのです。

ちなみに現在キリスト教を信仰している地域では
クリスマスの時期になると3人の博士らしき人物の置物が置かれるそうです。

宗教画で登場する人物や物には、
何かしらの意味やメッセージが込められている事がほとんど!

こういった事を踏まえて作品を観ていくと、
これまで以上により深く愉しめると思います。

 

 

「東方三博士の礼拝」を描いた絵画

キリストの誕生と東方三博士

宗教画でよく描かれる事の多い”東方三博士の礼拝”ですが、
もちろん画家によって作風はまちまちです。

 

「東方三博士の礼拝」(1423年)ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ

「東方三博士の礼拝」(1423年)ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ東方三博士の礼拝(1423年)
・テンペラ画、173×220cm、ウフィツィ美術館所蔵

 

絵を見て感動!
この装飾的で黄金に輝く絵は特に目を惹かれますね。
そして描かれている人の数にも驚かされます。

果たしてこの作品には何人描かれているのだろうか??

※ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(1360年頃~1427年)
イタリア出身で”国際ゴシック様式”を代表する画家。

 

「東方三博士の礼拝」(1655-1660年)バルトロメ・エステバン・ムリーリョ

「東方三博士の礼拝」(1655-1660年)バルトロメ・エステバン・ムリーリョ

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ東方三博士の礼拝(1655-1660年)

絵を見て感動!
このムリーリョの三博士はその特徴が一番分かりやすいと思います。
それぞれ年齢や国籍が違うのが一目瞭然ですね!

でも特に目を惹くのは黄金のマントを持っている子供の姿
ムリーリョの描く子供は妙に可愛らしく見えてしまう…
これって私だけだろうか??

 

・・・

「東方三博士の礼拝」(1617-1618年)ピーテル・パウル・ルーベンス

「東方三博士の礼拝」(1617-1618年)ピーテル・パウル・ルーベンス

ピーテル・パウル・ルーベンス東方三博士の礼拝(1617-1618年)

 

ピーテル・パウル・ルーベンス

バロック期に活躍したフランドルの画家(1577~1640年)

歴史画、肖像画、風景画、宗教画、神話に寓意など
様々なジャンルの作品を残しその数は優に1000点を超えるほど。
そのため自身の工房を組織的に運営し作品を制作していたといいます。

またルーベンスは画家としてだけでなく、
7か国語を話せる事から外交官としても活躍しました。

 

このルーベンスは「東方三博士の礼拝」を何枚も描いています。

「東方三博士の礼拝」(1619年)ピーテル・パウル・ルーベンス

「東方三博士の礼拝」(1619年)ピーテル・パウル・ルーベンス

 

・・・

「東方三博士の礼拝」(1626‐1629年)ピーテル・パウル・ルーベンス

「東方三博士の礼拝」(1626‐1629年)ピーテル・パウル・ルーベンス

 

この東方三博士はよく描かれる事も多いだけに、
ぜひ見かけた際には今回の知識を思い返してみては??

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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