カラヴァッジョの生い立ちと代表作品は?

カラヴァッジョ展 … 国立西洋美術館

 

バロックを代表する画家”カラヴァッジョ

 

日本でもカラヴァッジョの作品を見る機会は結構あると思います。

それだけにただ作品を眺めるだけでもイイですが、
やっぱりもうちょっと知識があるとより愉しめる!!と思うのです。

 

今回はカラヴァッジョの生涯(生い立ち)と、
彼の代表作品をいくつか挙げながら
カラヴァッジョの魅力について話していこうと思います。

ぜひ今後のカラヴァッジョ鑑賞の参考にしてみては??

 

カラヴァッジョの生い立ち

 

正式名は…ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
英語では”Michelangelo Merisi da Caravaggio”

 

(カラヴァッジョの生い立ち).
1571年9月28日イタリアのミラノで生まれました。

カラヴァッジョ幼少期の頃
1577年に父を、そして1584年に母が亡くしてしまいます。
そしてこの年にカラヴァッジョは画家シモーネ・ペテルツァーノの元へ弟子入りします。

1592年に喧嘩で役人を負傷させ、
ミラノを離れローマへと逃げ込むこととなりました。

 

ラヴァッジョの青年期

カラヴァッジョが22歳の時
ジュゼッペ・チェーザリ(通称ダルピーノ)の工房で働き始めます

この頃「果物の皮を剥く少年
果物籠を持つ少年」などを描きます。

「果物籠を持つ少年」(1593‐1594年)カラヴァッジョ

「果物籠を持つ少年」(1593‐1594年)カラヴァッジョ

これよってカラヴァッジョの名が一躍高まる事となったのです。

しかしほどなくして工房を解雇され、
カラヴァッジョは独立の道へと歩む事となりました。

実はこの頃に建築家オノーリオ・ロンギと出会い、親しくなります。

しかしこのロンギという人物は
カラヴァッジョにローマの裏の世界を教えた人物でもありました。

後のカラヴァッジョの人生に悪い影響を与えたのは間違いないと思います。

 

今ではカラヴァッジョと言えば、
宗教画というイメージが強いのですが…

実は最初の頃は”花や果物”の絵画を多く描いていたそうです。

・・・

「懺悔するマグダラのマリア」(1594‐1595年頃)カラヴァッジョ

「懺悔するマグダラのマリア」(1594‐1595年頃)カラヴァッジョ

そんなカラヴァッジョが初めて宗教画を描いたのは、
懺悔するマグダラのマリア」(1594‐1595年頃)とされています。

 

考え…・思い…
この頃のカラヴァッジョの作品の特徴は、
対象物をありのまま描くという写実主義が特に高く評価されていたそうです。

 

ラヴァッジョが画家として高評価される時期

1600年頃になると
カラヴァッジョの画家としての評価が一気に高まります。

この頃に描かれたのが「聖マタイの殉教
そして「聖マタイの召命」は共に高い評価を得ました。

「聖マタイの殉教」(1599₋1600年頃)カラヴァッジョ

「聖マタイの殉教」(1599₋1600年頃)カラヴァッジョ

またこの成功がきっかけで、
カラヴァッジョの作風に変化が出てきたと言われています。

 

これまでの写実さに加えて、
絵画に強い明暗さが加わってきます。

 

しかし画家として名声が高まると同時に、
逆にカラヴァッジョの悪評も広まっていきます。

数々の暴力事件、
そして終いには殺人事件も起こしてしまいます。

さすがにパトロンも庇いきれなくなります。
カラヴァッジョは指名手配され、ローマを逃げ出す事になったのです。

 

その後カラヴァッジョは
ナポリとマルタへ移り住む事になったのです。

ここでもカラヴァッジョは画家として成功を収めるわけですが、
またしても喧嘩沙汰で問題を起こします。

そして、
マルタからシチリアへと逃れる事に…。

しかし各地を転々とする最中、
カラヴァッジョは熱病によって亡くなってしまうのでした。

 

考え…・思い…
まさにカラヴァッジョの生い立ちは、
画家としての成功と
喧嘩による悪評の連続だったと言えると思います。

多くの事件や悪評もありながら、
それでも画家として後世に残した影響力は
計り知れないものがあると思います。

 

 

カラヴァッジョの代表作は?

 

カラヴァッジョの代表作を3つ挙げたいと思います。

 

カラヴァッジョの絵画の特徴は、
写実主義強い明暗が挙げられると思います。

特にカラヴァッジョの初期の頃の作品は、
超が付くくらいの高い技術を伴った写実が持ち味だと思います。

 

「バッカス」(1595年頃)カラヴァッジョ

「バッカス」(1595年頃)カラヴァッジョ

カラヴァッジョの作品バッカス(1595年頃)

バッカスはローマ神話のワインの神様を言います。

 

絵を見て感動!
この絵で特に注目してほしいのが、
左手に持っているグラスに注がれているワイン

以前本物の「バッカス」を観た事がありますが、
実はこのワインには波紋の広がりも描かれているのです。
まさにカラヴァッジョの写実性の高さが伺えると思います。

 

そして…

「ホロフェルネスの首を斬るユディト」(1598‐1599年)カラヴァッジョ

「ホロフェルネスの首を斬るユディト」(1598‐1599年)カラヴァッジョ

 

絵を見て感動!
ありのままを描写した高い写実性と、
明るい部分と暗い部分が対照的な”明暗”。

何度観ても絵の迫力を感じますよね!!

 

カラヴァッジョは”バロック”を代表する画家の一人。
まるで演劇を見ているかの様な
そんな劇的な迫力が何よりも魅力だと思います。

 

さあ!!

あなたもカラヴァッジョの絵から
リアルな迫力を感じ取ってみませんか?

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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