さらに追加展示! ペルジーノの「正義の旗」について解説!

万博(イメージ画像)

 

先日、気になる記事を目にしました。

『大阪・関西万博』のイタリア館で、ラファエロの師ペルジーノ”の名画「正義の旗が追加展示されるいうもの。

 

今回はペルジーノの名画「正義の旗」について解説していこうと思います。

 

目次

ペルジーノの名画「正義の旗」について解説
ラファエロの師”ペルジーノ”について簡単解説!

 

 

 

ペルジーノの名画「正義の旗」について解説!

「正義の旗」(1496年)ペルジーノ

「正義の旗」(1496年)ペルジーノ

・278×138cm、カンヴァスに油彩、ウンブリア国立美術館所蔵(ペルージャ)

今回紹介する作品は正義の旗(Gonfalon of Justice)です。

ラファエロの師”ペルジーノ(Perugino)”の代表作の一つで、現在はウンブリア国立美術館に所蔵されています。

中央には聖母子と、その2人を囲うように多くの天使たちが!

そして両サイドで祈りを捧げているのが、アッシジの聖フランチェスコシエナの聖ベルナルディーノ

そんな2人の聖人の間に描かれている街並みは、当時のウンブリア州ペルージャです。

この絵が謳っているのは、正義が理想都市の秩序を支える中核を成している!と。

つまり理想都市の在り方を示しているわけです。

シンプルな構図でありながら、実は深いメッセージ性を持った作品なのが分かります。

 

私の考え
て、私がこの「正義の旗」で特に注目したいのが、翼らしきものを携えた”顔”です。

これは9つある天使の階級の中で、最上に位置する熾天使(してんし)です。

私はこの熾天使が描かれている時点で、この絵に特別な意味を感じてしまいますね。^^

 

熾天使(セラフィム)のイメージ画像
熾天使が周りに描かれる事で、”正義”の重要性を強調している様な…

”熾”は「炎の様に激しく燃える」を意味していて、つまりは神に対する情熱や熱狂的な愛を表現しているからです。

 

熾天使(セラフィム)

9つの階級の中でも最上級に位置する天使。

ラテン語では「Seraph、もしくはSeraphim」と呼ばれ、頭部しかなく6枚の翼を持った姿で描かれる天使。

 

一見異様にも見える”熾天使”たちですが、私の様にある程度の知識がある人間からすると、非常に深みが増してくるから不思議ですね。

これこそ”名画”と言っても過言ではないと思います。

 

 

なみに余談ですが…

「聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ」(1325年)ジョット

「聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ」(1325年)ジョット

・390×370cm、フレスコ画、サンタ・クローチェ聖堂所蔵

アッシジの聖フランチェスコは六翼の天使(セラフィム)から聖痕を受けたとされる人物です。

聖痕(せいこん)は、イエス・キリストが磔刑になった際に付いたとされる傷。

キリスト教でも聖痕を受けたとされる人物は非常に少なく、キリストに対し強い共感や信仰を持った人物に現れる傷と言われています。つまり、聖フランチェスコの模範的行動や聖人さぶりがうかがい知れるわけです。

 

 

 

ラファエロの師”ペルジーノ”について簡単解説!

解説

ここで簡単ですが画家”ペルジーノ”について解説したいと思います。

ある程度美術好きの人にとっては、超有名が画家でもあるので、今さら説明は不要かもしれませんが。

一応簡単ですが、話しておこうと思います。

 

「ペルジーノの自画像」(1498-1500年頃)ペルジーノ

「ペルジーノの自画像」(1498-1500年頃)ペルジーノ

・40×30.5cm、フレスコ画

本名はピエトロ・ヴァンヌッチ(Pietro Vannucci)

1448年頃生~1523年没、イタリアのペルージャ出身で、ルネサンス期を代表する画家。
(ペルジーノとは、ペルージャ人を意味。)

ルネサンスの3大巨匠”ラファエロ”の師として知られています。

早くして名声を得て、当時の教皇シクストゥスの命によりシスティーナ礼拝堂の壁画装飾に携わるなど、その他数々の傑作を残す。

 

「聖ヒエロニムスと聖マグダラのマリアをともなうピエタ」(1473年)ペルジーノ

「聖ヒエロニムスと聖マグダラのマリアをともなうピエタ」(1473年)ペルジーノ

・128×165cm、カンヴァスに油彩、ウンブリア国立美術館所蔵(ペルージャ)

当時ペルジーノは画家として高い評価を得ていて、”神のごとき画家”と称されていた程!

如何せん日本での知名度はラファエロに一歩劣る感じですが、それでも偉大な画家には間違いない。

 

そんなペルジーノの「正義の旗」が、『大阪・関西万博』のイタリア館で10月13日まで展示されるわけですから、これは芸術好きにはタマラナイですね。

というわけで、興味のある方は行ってみるのもイイと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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