- 2025-6-17
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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美術館に行くと、たまに”オオツ!!”と唸る瞬間があります。
つまり、僕が作品に一目惚れした瞬間です。
先日、三菱一号館に行った時の話ですが、そこで開催していた小企画展「フランス近代美術の風景画」で、僕はある一枚の作品と出くわしました。
それは新印象派の画家で知られるポール・シニャックの版画でした。
作品自体はとても簡素な感じだったのに、不思議ですね…。
妙に心惹かれてしまったのです。
そんな私を魅了させた作品が…

「サン=トロペ」ポール・シニャック ※6色刷りリトグラフ
ポール・シニャック(Paul Signac)の版画「サン=トロペ」でした。
上の画像は僕がネット上で発見したもので、実際とは若干の違いはあるかもしれませんが、ほぼ画風は同じ。
簡素で派手さはないにせよ、本当に不思議ですよね…。
シンプルに心に突き刺さるというか、懐かしさを感じるというか。
もうちょっとカッコ良く言えば”ノスタルジー”と言った感じでしょうか。^^
版画「サン=トロペ」が展示されていたのは、三菱一号館美術館で開催されていた小企画展「フランス近代美術の風景画」。
メインの企画展「ルノワール×セザンヌ展」と同時開催なので、行った際は見逃さずに!!
僕はこの作品と出会えただけで、今回のチケット代は充分元は取れた気分ですね。
小企画展「フランス近代美術の風景画 -コローからマティスまで-」の開催概要 ・開催期間:~2025年9月7日(日)まで ・観覧料は企画展「ルノワール×セザンヌ展」に含まれています。 |
せっかくなので、ポール・シニャックについて簡単ですが話そうと思います。
ポール・シニャック(Paul Signac)
1863年11月11日生~1935年8月15日没。
ほぼ同時期に活躍したジョルジュ・スーラと並ぶ新印象派を代表する画家。
スーラに影響を受け点描技法を駆使した作品を制作するが、徐々に画風は暖色系が多くなり、装飾性も高くなっていく。
海を描いた風景画が多く、代表作には「アニエールの河岸」や「ジュアン湾」、「サン=トロペ港」などがあります。
シニャックを語る上で外せないのが、彼の愛した地”サン=トロペ”です。
1892年に港町”サン=トロペ”に滞在、シニャックはこの地を大変気に入ったそう。それから住宅を購入しアトリエを築いたと言われています。

「サン=トロペ港」(1901-1902年頃)ポール・シニャック
・131.0×161.5cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵
当然シニャックは”サン=トロペ”を題材にした作品を多く制作しました。

「サン=トロペ港からの眺め」(1915年)ポール・シニャック
・30×42.5cm、素描、スウェーデン国立美術館所蔵
手掛けた作品数からも、いかにこの地を愛していたかが分かります。
こういった経緯もあり、シニャックの作品には海や港、漁村の風景を描いた作品が多いのも特徴です。
印象派の画家たちは、自身が気に入った場所を描く傾向がある様です。
例えばモネなら「睡蓮」だったり、セザンヌなら「サント・ヴィクトワール山」だったり。
好きな風景を描いたからこそ、素敵な作品が出来上がった。
シニャックの代表作に”サン=トロペ”の風景画が多いのは、当然なのでしょうね。^^
というわけで、今回は私が一目惚れした作品を紹介してみました。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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