- 2025-6-15
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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地域によって若干の違いはありますが、6月~7月頃には紫陽花(アジサイ)が花を咲かせます。
一般的に”梅雨”時期の花と言うイメージが強いだけに、”花の紫陽花”を観て風情に浸る人も多い事でしょう。
でも私の場合は、”花の紫陽花”だけでは満足できない。
どうしても”芸術”で、紫陽花を観たくなってしまうのです。
今回は芸術で紫陽花を観ながら、風情に浸っていきたいと思います。
【 目次 】 ・初めに… 芸術好きは、ARTで紫陽花を観たくなる!? |
芸術好きは、ARTで紫陽花を観たくなる!?
芸術をこよなく愛する私は、花だけでは満足できません。
どうしても、”ARTのアジサイ”を観たくなってしまうのです。
こればっかりはどうしようもないわけで、芸術好きの性というものでしょうか。^^
別に”花より団子”と言うわけではないですが、私は芸術で風情に浸りたいわけです。
というわけで、居ても立っても居られなくなった私は、ネット上で紫陽花の絵をあれこれ探してみたのでした。
今回紹介する作品は、ほんの一部です。
探せばもっと発見出来るので、興味の湧いた人は探してみるのもイイかと思います。
伊藤若冲の「紫陽花双鶏図」

「紫陽花双鶏図(『動植綵絵』より)」(宝暦9年、1759年)伊藤若冲
・142.9× 79.7cm、絹本著色、皇居三の丸尚蔵館所蔵
まず挙げるとしたら、伊藤若冲の「紫陽花双鶏図(あじさいそうけいず)」でしょう。
これは若冲の代表作『動植綵絵』の一つで、動植物をモチーフにしたシリーズです。
画面の上半分を覆う紫陽花と、中心に描かれた2羽のニワトリが目を惹く作品です。
特に圧巻はニワトリの躍動感!これほど装飾性と動きを表現できるって、さすがは若冲と言ったところでしょうか。
でも、そんな躍動感あるニワトリに負けないくらい主張している紫陽花の描写も見逃せない!!
私の解釈になりますが、若冲は妥協を許さない絵師というイメージです。
一般的に主役がニワトリで、背景が紫陽花に思うでしょうが、共に主役の様なインパクトがあるから凄い!!
若冲の代表作と言われるのも納得ですね。
葛飾北斎の錦絵「紫陽花に燕」

「紫陽花に燕」(江戸時代、19世紀)葛飾北斎
・24.5×37.0cm、横大判・錦絵、東京国立博物館所蔵
日本画といったら、北斎も忘れてはいけません!!
葛飾北斎の「北斎花鳥画集」シリーズの一つ「紫陽花に燕」です。
若冲ほどの鮮やかさはないですが、”淡い色遣い”が非常に良い!!
観ているだけで、風情を感じさせてくれます。^^
見れば観るほど、味わい深くなる!! …そんな作品だと思います。
ヴィクトリア・デュブールの「白いアジサイ」

「白いアジサイ」ヴィクトリア・デュブール
・38.4×39.4cm、カンヴァスに油彩、個人蔵
芸術好きの人間としては、西洋画も外せません。
アンリ・ファンタン=ラトゥールの妻ヴィクトリア・デュブール(Victoria Dubourg)の静物画です。
日本画は自然な感じの紫陽花を描いた作品が多いですが、西洋画は”美しく描く!”を目指した作品が多い印象です。
上の絵を観ても分かる通り、色のコントラストで紫陽花の美しさを表現しているから!!
暗い背景と、まるで浮かび上がる様に描かれた白いアジサイの花。
アジサイのリアルさと美しさが一層際立って見えますね!^^
風情を感じるには、日本画が一番でしょう。
でも花の美しさを味わうなら、西洋画に勝るものはないと思います。
ちなみに、紫陽花はフランス語で”Hortensia(オルタンシア)” 、英語では”Hydrangea(ハイドランジア)”になります。
紫陽花の原産地は”日本”ですが、日本にしかない花というわけではないのです。
アメリカやヨーロッパでも栽培されていて、現在では品種改良されたものも多くあります。
ルイ・イカールの「ピンク・レディ」

「ピンク・レディ」(1933年)ルイ・イカール
・21×27cm、エッチング
これはルイ・イカール(Louis Icart)の作品「ピンク・レディ」です。
ルイ・イカールはアールデコを代表するフランスの画家で、主に上品で美しい女性を多く描いた事で知られています。
アジサイは淡い感じの花なので、優しさや柔らかいというイメージが非常に似合う。
上の絵を観ても分かる様に、アジサイとの相乗効果によって女性らしさが一層際立って見えます。
☝大画面でどうぞ!
探していたら偶然発見した作品で、私は見た瞬間一目惚れ!!
ぜひ、大画面でじっくりと堪能してほしいと思います。
モーリス・ドニの「マロンとアジサイ」

「マロンとアジサイ」(1920年)モーリス・ドニの
・36.5×49.3cm、カンヴァスに油彩、ブレスト美術館所蔵
これはモーリス・ドニ(Maurice Denis)の「マロンとアジサイ」
モーリス・ドニらしい独特な画風が特徴的な作品です。
平面的で装飾的な画風は、アジサイとの相性の良さを感じますね。
ちなみに”マロン”は娘のマドレーヌを指しています。
どうだったでしょうか!?
ちょっとは風情を感じれたのではないでしょうか。
画風によってアジサイの感じや雰囲気も大きく違ってくるわけで、これは絵画ならではのオモシロさというもの!
花の紫陽花もいいですが、時にはアートでアジサイを味わうのも一興!!
風情を感じる手段として、芸術もイイ手段だと思った今日この頃でした。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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