- 2023-8-30
- For you (”Art”なイイ話)
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中目黒には「なかめ エンノシターズ」という団体があるのは知っていましたか?
どこの街にも落書きなるものは存在するだろうし、悩まさている事だろうと思います。実は東京の中目黒という街も例外ではなかったというわけです。特に中目黒の場合は、東急線やメトロ日比谷線の車内からも見えるそうです。普段電車内でスマホを見ている人からすると、気が付かない光景かもしれませんけどね。(私もスマホを見ている方なので、人の事言えませんが…)
当然色々な対策はしてきただろうけど、”落書き⇒消す⇒落書き”のイタチごっとだったという事でしょう。そういった定番の対策と比べると、先日街中で見かけた”縁の下のART(アート)”は実に斬新だったのです。
これは「なかめエンノシターズ」(特定非営利法人)という団体によって描かれたもの。あえて落書きの上に絵を描いて落書きを防止しよう!そして地域の活性化を目指していこうというものらしいです。
※もちろん「なかめエンノシターズ」は、許可を得て活動し、絵を描いています。
私の中で中目黒は、どちらかというとオシャレなイメージがある街です。恵比寿や代官山に近いし、駅前には洒落た感じのお店も多い。桜の時期になれば人で混雑しますし、桜で有名な美術館もある!(郷さくら美術館の事です。)どちらかと言えばオシャレな感じの街だけに、”品のない落書き”は余計に目に付いてしまう。上の画像の落書きも相当ひどいですよね。
そんな品のかけらもない落書きに比べると、「なかめ エンノシターズ」の絵はアート寄りかな?と思ってしまう。少なくとも落書きにはない”街を支えよう!”という意図が読み取れるから!
確かに落書きは”アート”として評価される場合もあるけれど、でもほとんどは”単なる落書き”でしかない。この”単なる落書き”とアート(つまり芸術)の決定的な違いは何だと思いますか??
これは私の持論になりますが…
美術好きの私から言わせれば、絵に意味や価値があるかどうか!だと。カッコつけて言っているつまりでもなく、純粋にそう思うのです。単なる落書きには何の意味も意義も、それに価値も見い出せない。対して「なかめ エンノシターズ」の描いた”縁の下の絵”はどうかというと、落書きを防止して、地域の活性化を目指していこう!という意義が込められている。これは決定的な違いですよね!?
私の中で”落書き”の上に絵を描くという行動は、絵画にも通じる素敵な行為だと思っています。画家も描いた絵が気に入らなかったら、白で塗ってなかった事にするよりも、上から新たに絵を描き重ねる場合が多いわけだから。ある意味”アート”にも通じる行為ですよね。
ちなみに余談になりますが…
落書きについて調べていくと、実は刑法に当たる場合もあるそうです。参考として載せてみました。弁護士ではないので法律にはそこまで詳しくないですが、私の調べる限りだと以下の2つがそれになる様です。
(建造物等損壊及び同致死傷)
第260条:他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
(器物損壊等)
第261条:前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。・出典元:「刑法」260条と261条を抜粋
結構重い罪になる様ですね。
さて、今回紹介した絵は電車の中からも見える場所にあるます。
もし「中目黒駅」を降りた際は、実際に見に行くのもイイと思います。駅の正面改札を降りてすぐ目の前に「蔦屋書店」が見えると思いますが、その右側の道を真っすぐと進んだ場所にあります。「郷さくら美術館」からも歩いて5分くらいの場所なので、こういったものがあるんだ~という感じで見るのもイイと思います。
個人的に「悪いものには蓋をしろ!」という言葉は好きじゃなく、良いものも悪いものもとりあえず見てみるのが大事だと思っています。中目黒も落書きで悩まされているんだな~という現実を知るだけでもイイと思います。別に団体に参加しよう!と言うつもりもなく、純粋に現実を受け止めるって大事だと思いません!?
芸術だってそうですが、過去の良くない出来事も絵画として後世に残しているわけだから!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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イイネ