- 2021-4-25
- Artwork (芸術作品)
- コメント:2件
オークションでファン・ゴッホの絵画が競売にかけられると、毎回物凄い値段で落札されます。
今やゴッホは日本のみならず世界でも人気の画家なので、億越えは当たり前!逆に億を超えなかったら、おかしいくらいですよね。2021年にフランスで行われた”サザビーズ”のオークションでも、もちろんそれなりの高値が付いたのです。
ちなみに、落札された絵画というのが、ゴッホがモンマルトルに滞在していた時に描いたこちら↓です。
・46.1×61.3cm、カンヴァスに油彩
絵を見た印象はどうですか?
ゴッホの作品にしては、意外と落ち着いた感じというか…。それに、あまり見かけない作品だと思います。実はこれまで個人が所有していたので、美術館で展示された事のなかった作品でした。となれば、物凄い値段が付いたと思いますよね!?
さて、いくらで落札されたと思いますか??
2021年3月25日…
フランス、パリにある”サザビーズ”で行われたオークションで、ファン・ゴッホの作品が高値で落札されました。その額”約1,300万ユーロ”。日本円にして約17億円で落札!元々作品に付けられていた推定価格は600~800万ユーロ。推定額の約倍での落札額でした。フランスで行われたサザビーズのオークションで、ゴッホ作品の競売では過去最高額でした。
なお、この時期フランスはコロナ禍だったため、オークションは基本的にオンライン形式で行われました。
※ニュース記事を抜粋、要約
日本円にして約17億円で落札されました。
17億円です!!
高値と言えば、高値ですが、ゴッホの作品にしては安い感じがしませんか??確かにフランスで行われたゴッホ作品の競売では過去最高額だったそうですが、でも思ったほどではなかった額ですね。
ちなみに、これまでのゴッホ作品を参考で挙げると、2015年に落札された「アリスカンの並木道」は6600万ドル(日本円で約79億円)。1990年に落札された「医師ガシェの肖像」は、現在の価値で約183億円。現在SOMPO美術館が所蔵している「ひまわり」は、今の金額にすると約58億円。(1987年、安田火災海上保険が落札)
過去の作品と比べると、今回の17億円は思ったほどの値が付いていないのです。意外といえば、意外ですよね。
なぜ、思いのほか高値が付かなかったのか?
過去の落札額と比べると、思ったほどの高値でなかった「モンマルトル通りの光景」。なぜだと思いますか?私の考えは、作風がゴッホにしては落ち着いていたからだと思うのです。ゴッホの晩年を象徴するかの様な強い原色的な色彩でなく、印象派を思わせる明るく優しい色彩が印象的!!作風から見ても、ゴッホが精神的に安定していたんだろうな~というのが見て取れます。まさかこの3年後にゴッホが自殺を図るなんて…、絵を見る限り3年後の悲劇は想像できませんよね。
ここで、モンマルトルの街の風景を参考にどうぞ!
当時は現在と違ってあちこちに畑が広がる田舎町だったそうです。一昔前の田舎町的雰囲気は写真ではあまり感じませんが、それでもオシャレで暖かみのある雰囲気は素敵ですよね。ゴッホは、弟テオを頼って”モンマルトル(Montmartre)”に住み始めますが、ゴッホは相当この地を気に入ったそうです。1886年から約2年間をここで暮らします。
これまで高値が付いた多くは、アルルに引っ越した1888年2月以降の作品。精神的に弱り、それに伴って作風も徐々に良くも悪くも躍動的になってきた時期です。ゴッホと言えば、原色の色彩と躍動感、ちょっと狂った感じの豪快さが魅力でもあるので、それと比べるとゴッホらしくないかもしれない。でも、もう少し高値が付いてもおかしくないと思いませんか??
今回落札したのが誰だか明らかになっていませんが、いつかこの作品を見てみたいですね…。これまで美術館で展示された事のない作品なので、もし展示する機会が実現したら…、それが日本だったら、どんなに素敵だろうか??
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
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はじめまして。
記事を拝見させて頂きました。
とても丁寧な説明でより深くこの絵画について理解を深めることができました。
気づいたら画面越しですら虜になってしまっていました。
ちなみにこれらの美術作品の画像の出元はなんていうサイトからですか??
嬉しいコメントありがとうございます。美術作品は「Wikipedia」「Web Gallery of Art」「Rawpixel」などを参考に、著作権等を考慮して使用しています。ちなみに最近は大手美術館でも所蔵作品をネット上で閲覧できるので、本当に便利な時代になりましたよね。とはいえ、やっぱり美術作品は実際に本物を見るに限りますけどね。