21_21デザインサイトで「Material.or(マテリアル)」を観てきました!

21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

 

先日「21_21 DESIGN SIGHT(デザインサイト)」で、企画展Material. or(マテリアル.or)を観てきました。

 

実を言うと今回の企画展は、最初そこまで興味の惹かれる内容ではなかったのです。でも行ってみたら、思った以上に良かった!何事も先入観で判断しては駄目って事でしょうか。

というわけで、21_21の「マテリアルのレビューと見所について話していこうと思います。

 

目次

そもそも「Material. or」とは、どういった企画展なの?
「Material. or」を観た私のレビューと見所!
「マテリアル」展で、私が最も印象に残った言葉は?
最後に「Material. or」の開催概要について
 ※企画展「Material. or」は、2023年11月5日(日)まで開催します。

この流れで話していこうと思います。

 

21_21 DESIGN SIGHT 21_21 DESIGN SIGHT

 

 

 

そもそも「Material. or」とは、どういった企画展なの?

解説

この企画展の大きなテーマは、タイトルの如く「マテリアル(Material)」です。意味としては素材や原材料になるのだろうけど、一体どういった内容なのか??チラシや公式サイトで大まかな概要を見てみると、こんな感じでした。

 

普段の生活の中で接する「もの」のほとんどは、人によってデザインがなされています。つまり特定の意味を持たなかった「マテリアル」が、人や生物との関わりの中で「もの」へとつながる意味が付与され「素材」となるのです。私たちがものについて考えるときに、誰かが意味付けをした素材について意識を巡らすことがあったとしても、マテリアルにまで立ち戻ることはほとんどありません。本来、意味とはマテリアルとの対話から立ち現れるものであったはずで・・・

・21_21 DESIGN SIGHTの企画展「Material.or」の開催概要より一部

ちょっと説明がまどろっこしいというか、分かりづらいというか。こういう理由もあって、下調べの段階ではあまり興味の惹かれる内容ではなかったのです。でも繰り返しになりますが、行ってみたら意外と面白かった!というわけです。何事も「百聞は一見に如かず」ですね!

 

ここでCheck!
て、概要だとちょっと分かりにくいので、私なりに嚙み砕いて説明すると、こんな感じです。

普段私たちが見かける「もの」、分かりやすく言えば「商品」は、元々何の意味もなかった「マテリアル」に意味が与えられ、人によって加工されたもの。でも普段私たちはどういったマテリアルから作られ、どういった過程で人によって加工されたかなんて考えたりしない。今回の展覧会では人と「マテリアル」との関り、そしてどうやって意味が付与されたのかを探ってみよう!そういった趣旨の展覧会だと思うのです。(かなり噛み砕いて解釈してしまいましたが、これで正しいのかな??)

 

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

人が「マテリアル」とどうやって向かい合い、そして試行錯誤して「もの」を作っていったのか?ちなみにこの企画展では、人と「マテリアル」との一連の関わりを”対話”という言葉で表現している様です。今回の「Material. or」では、”対話”という点に注目して観ていくと、より楽しめるのでは?と思います。

 

 

 

「Material. or」を観た私のレビューと見所!

21_21 DESIGN SIGHTで開催の企画展「Material. or」より

さて今回の「Material. or」では、人と「マテリアル」の関わり(つまり”対話”)が、実に様々な展示と共に紹介されています。さすがにすべては挙げられないので、気になる方は実際に行って見てほしいと思います。

今回は私が特に目を惹いた「もの」に絞って話していこうと思います。

 

 

アンフィテックス(AMPHITEX)

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

アンフィテックス(AMPHITEX)は、100%リサイクルが可能で有害物質を一切含まない透湿防水性テキスタイルという意味です。環境にも優しいため、次世代のアウトドアウェアやスポーツウェアの生地として注目されている様です。実はこれまであった人工的な撥水素材は、健康被害や環境汚染を引き起こすとされていたそうです。それが植物の蓮の葉をヒントに誕生したのが、この”アンフィテックス(AMPHITEX)”というわけです。

つまり、自然界にある蓮の葉との対話によって誕生したというわけですね。

 

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

蓮の葉は無数の微細な突起で覆われていて、その突起の先端にはワックス成分が備えられているそうです。これによって葉の上の水は、水滴のまま滑り落ちていくとの事。今回の展示では、生地の上にある水が水滴のまま滑り落ちる様が見て取れます。

も、なぜだろう??

ただ水滴が滑り落ちる様子を展示しているに過ぎないのに、食い入るように見てしまうんですよね!シルクの様に美しい生地もそうですが、この何とも言えない洒落た演出はイイですね~。^^

 

 

ものうちぎわ(Materialing)

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

これは今回の「Material. or」のチラシデザインにもなっている「もの」です。

実はここの解説が何とも良かったので、ちょっとご紹介!ここに置かれた「マテリアル」は、浜辺に打ち上がって堆積した「何か」です。おそらく石だったり、貝だったりと様々だろうと思います。今展のグラフィックデザインを担当した三澤遥さんたちは、ここに置かれた「何か」は、その時その瞬間の姿でしかない!と。つまり時間をかけて波によって削られ、角が取れ丸みを帯び、もはや原型がなんだったか定かではないものばかり。

 

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

何とも洒落た言葉だと思いませんか?もしその日にこの「何か」を拾わなかったら、次に日には波によって削られ違った形になっているかもしれないわけですから!

その時その瞬間の姿でしかない!こういった意味が付与されるだけで、浜辺にあった石や貝も「何か」特別なものになりますね!それにしても「何か」の置き方が、実にオシャレだと思いませんか?浜辺に落ちていた石も、置き方(展示方法)によって芸術っぽくなるのは不思議です。

 

ここでCheck!
今回の「Material. or」は、展示の仕方が非常に凝っています!まるで現代アートにも通じる感じがしてならない。今展は人と「マテリアル」との対話が大きな見所ポイントだと思いますが、もう一つ挙げるとすればアート的な展示方法です。だから見ているだけでも、美術作品を鑑賞した気分に浸れるわけですね。^^

こういった展示は他にもいっぱいあるので、ぜひ鑑賞してほしいと思います。

 

 

 

「マテリアル」展で、私が最も印象に残った言葉は?

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

後に私が最も印象に残った言葉で締めくくりたいと思います。

それはこの一文です。

顔料とはいろんな説明ができるが、私の言葉で説明すると「とにかく細かくなった物」のことだ。言い換えると、どんなものでも細かくすると顔料になる。

・展示物「calling coals / coal’s calling」の手書き文の一部

 

どんなものでも細かくすると顔料になる。

絵画好きな私にとっては、物凄く響く言葉ですね。これまで様々な絵画作品が描かれてきたわけですが、中には珍しい顔料を使って描かれたものもあります。もしかしたら過去の画家たちは、この世に存在する「マテリアル」との”対話”によって、新たな顔料を生み出したのかな?と。そう思うと、何とも深い言葉だと思いませんか?^^

 

※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より ※21_21 DESIGN SIGHT 企画展「Material. or」より

「21_21 DESIGN SIGHT」は、決して有名な画家の絵画や高価な美術品は展示しません。今回の様に”ものの見方”というか、”視点”を教えてくれる展覧会です。それでも私が足を運んでしまう理由は、やっぱり何かしらの発見があるからですね。だから面白い!!

そう考えたら、僕の中で1400円という入場料は、本当に安いと思ってしまいますね。今回紹介したものは、展示作品の中の一部です。他にもまだまだたくさんあるので、ぜひ行って観てほしいと思います。

 

 

最後に「Material. or」の開催概要について

今回紹介したものは、展示作品の中の一部です。

他にもまだまだたくさんあるので、ぜひ行って観てほしいと思います。

 

Material. or」の開催概要

・会期:2023年7月14日(金)~11月5日(日)まで ※火曜日は休館
・会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー 1&2にて
・時間:10:00~19:00まで(入場は閉館の30分前まで)
・入場料:一般1,400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下は無料

 

ぜひあなたなりに何かしらの発見をしてほしいですね。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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