荒木飛呂彦さんの「ジョジョ」は、ゴーギャンの色彩感覚がヒントに!?

彫刻

 

独特な立ち姿やポーズ、それから一風変わった色彩が目を惹くジョジョの奇妙な冒険ですが、この漫画を描いた荒木飛呂彦先生は西洋美術から影響を受けていたのは知ってました!?

以前ニュース”ZERO”で取り挙げられた内容で、例えば色彩感覚はポール・ゴーギャンが大きなヒントになっていたそうです。

 

地面がピンク色でもいいんだ!

この言葉からもゴーギャンの影響が強いのは分かりますよね。常識的に考えてピンク色で地面を塗るのはちょっと可笑しい。下手したら精神的に異常があると思われてもおかしくないし…。

でも芸術の世界ではこれも1つの在り方かもしれないのです!

 

 

「ジョジョ」は西洋美術から影響を受けている!?

芸術は後世に続いている!

ところで漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を見た事はありますか??

 


この独特なポーズに、一風変わった色彩感は本当に奇妙ですよね!?

西洋画をある程度見慣れた人なら、この時点で何となく気づいた人も多いと思いますが、「ジョジョの奇妙な冒険」はあの有名芸術家から影響を受けているそうです。例えば大げさとも取れる躍動的なポーズは、ルネサンスのあの芸術家の特徴に似ていると思いませんか??

 

「ミケランジェロによる”カッシナの戦い”の下絵模写」(1542年頃)バスティアーノ・ダ・サンガッロ

「ミケランジェロによる”カッシナの戦い”の下絵模写」(1542年頃)バスティアーノ・ダ・サンガッロ

この大げさとも取れる動きに、極端とも思える人体のねじれ!

一般的にこれは”マニエリスム”と呼ばれるものですが、このミケランジェロの独特な作風は後々様々な芸術家たちにマネされる事になります。もちろんこの荒木飛呂彦さんもミケランジェロに影響を受けた一人だろうと思います。”現代のマニエリスム作家”と言われているくらいですから!

※マニエリスムは盛期ルネサンスからバロックの間に起こった芸術運動のこと。極端な人体のねじれやポーズ、大げさとも取れる動き、そして明暗のコントラストが特徴と言われています。

 

そして今回のタイトルにもなっていますが、色彩感覚は印象派を代表するポール・ゴーギャンの影響が強いそうです!

 

「海辺の騎手たち」(1902年)ポール・ゴーギャン

「海辺の騎手たち」(1902年)ポール・ゴーギャン

ポール・ゴーギャン海辺の騎手たち(1902年)

これは海辺にいる馬に乗った騎手たちの様子を描いたもの。ちょうどゴーギャンがマルケサス諸島のヒバ・オア島に居た頃です。

さて特に目を惹くのが地面の色がピンクで塗られている事!実は荒木先生はこの絵から”地面はピンクでもイイんだ!”と思ったそうです。普通に考えて地面と言えば茶色をイメージすると思います。でも時間帯や光の反射によっては色味も変わってくるんでしょうね。

 

「マハナ・ノ・アトゥア(神の日)」(1894年)ポール・ゴーギャン

「マハナ・ノ・アトゥア(神の日)」(1894年)ポール・ゴーギャン

一般的にゴーギャンはポスト印象派の画家と言われています。これは私の解釈ですが印象派は光の機微を表現したものだと思っています。その日、その時間の光の移り変わりをカンヴァスに表現したわけです!そう考えると地面がピンクでも全然可笑しくないと思うのです。

逆に地面が茶色だと定義づける方が不自然だと思いませんか?

 

「ナヴェ・ナヴェ・モエ(聖なる泉)」(1894年)ポール・ゴーギャン

「ナヴェ・ナヴェ・モエ(聖なる泉)」(1894年)ポール・ゴーギャン

独特な色彩感覚と平面的な構図は実にゴーギャンらしいですね。

さてゴーギャンの独特な色彩感覚が目立ってきたのは、熱帯の地”タヒチ”を訪れてからの様です。実はこの頃から健康状態が悪化し経済的にも困窮してきたと言います。しかも家庭面も上手くいってなかった。健康や精神面も多少なり影響しているのかもしれませんね。

 

ここでCheck!
地面がピンク色でもOKなの?

常識的に見るとピンク色の地面はちょっと可笑しい!ひと昔前の学校の授業で地面をピンクで塗ったりしたら精神的に問題があるのでは??と指摘されそうです。でもこういった考え自体が異常なのかもしれないですね。実際ゴーギャンはピンク色で地面を描いていて、絵画自体が評価され認められているわけですから!この時点で”素晴らしい芸術”なわけです。こう考えると地面がピンク色でも良いと思うのです!さて、あなたはどう思いますか?

 

 

あなたは雪を白で描く?  それとも…

何色で描く!?

さてここからは私的な余談になります。

常識的に考えると空は青色、地面は茶色になると思います。さらには冬に降ってくる雪は白になるのかもしれません。でも絵画を見ていくとすべてがこの常識通りってわけではない様なのです。

クロード・モネ「かささぎ」(1868~69年)

クロード・モネ「かささぎ」(1868~69年)※オルセー美術館所蔵

これはクロード・モネの「かささぎ」という作品。個人的にも好きな作品でこれまで何度か目にしてきました。事実間近に迫って観たりもしました。

さて、ここで描かれている白い雪ですが、あなたはどう思いますか?すべて白一色で描かれている様に見えますか?

 

一見すると白い雪に見えてるかもしれないけど、実は青やピンク、黒など様々な色が使われているのが分かります。これは実際に間近で観察して確認してほしいですね。陰になっている部分は黒味の雪だったり、光が当たっている部分は白や黄色っぽく見えたりする。それに所々赤みや青みがあるのも確認できるのです。

 

モネは風景の本質を見ていた画家だと思っています。白い雪の中に様々な色があるのをモネは感じ取っていたのかもしれませんね!

 

地面がピンクでも青でもイイ!!

芸術の世界では何が正解で、不正解なんだろう??改めてこの言葉は奥が深いと思いませんか?

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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