年を重ねるにしたがって、”琳派”の良さがしみじみ分かる

琳派の魅力

 

琳派は見れば観るほど、その良さが分かってくる。
年を重ねるにしたがって、琳派の魅力がしみじみと感じられてくると思っています。

 

琳派(Rinpa)”は江戸時代頃に栄えた装飾的様式で、日本画を代表する流派の一つです。現代にも通じるデザイン的作風から、影響を受けたデザイナーや画家も結構います。もちろん西洋画にも大きな影響を与えています。

 

「竹梅図」(18世紀頃)尾形光琳

「竹梅図」(18世紀頃)尾形光琳

・65.2×181.0cm、紙本金地墨画 二曲一隻、東京国立博物館所蔵

これは琳派を代表する画家”尾形光琳”の作品「竹梅図」です。大きな画面にスッキリとした構図。何もない空間もまた贅沢だし、味があると思いませんか?さて、現在世界的に評価が高い”琳派”ですが、如何せん特徴が特徴だけに、最初の琳派のイメージは人によって両極端だと思うのです。

 

今回は私の10年くらいをさかのぼって、琳派の魅力について語っていこうと思います。

 

 

琳派って何が凄いの?何が良いの??

「燕子花図屏風(左隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風(左隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

・151.2×358.8cm、紙本金地着色 6曲1双、根津美術館所蔵

これは現在根津美術館に所蔵されている尾形光琳の「燕子花図」屏風です。

リズミカルな構図と、金地を背景に緑と紺というシンプルな色彩が特徴で、現代のデザインにも通じると言われる名作です。国宝に指定されているので、おそらく知らない人はいないくらい有名な作品だろうと思います。今ならしみじみと思う事ですが、カキツバタが咲く時期に「燕子花図」屏風を見ると、実に風情があってイイものです。

 

もどうでしょう!?

確かに名作中の名作ではあるけれど…。

尾形光琳の「燕子花図」屏風を見た時の、私の最初の印象は”あまり良いものではなかった”のです。この時私はまだ30代半ばという年齢。日本画に対する経験値もあまりなかったのもあるでしょうね。狩野派に比べると、琳派は豪華さや派手さはないし、ちょっと簡素過ぎない!?と。

今だからこそ言える事ですが、何が凄いのだろう?が当時の第一印象だったのです。当時30代半ばという年齢で、上手さや豪華さといった見た目に惹かれてしまう年齢だった。シンプルでスッキリとした感じの「燕子花図」は、当時の僕の好みとは違っていたのだろうと思うのです。

 

 

琳派って何だか良いよな~!!と感じれる様になった。

「燕子花図屏風(右隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風(右隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

・151.2×358.8cm、紙本金地着色 6曲1双、根津美術館所蔵

初めて「燕子花図」を見てから、早10年近く経ったでしょうか。しかも画集などでも何度も目にしている作品なので、作品を見た回数で言えばかなりの数になると思います。そして、私も気が付けば40代半ばという年齢。

 

そしてふとこんな風に思う様になりました。
琳派って何だかイイな~と。

 

最初あれだけ良く思わなかった「燕子花図」が、今では知らずうちに私の心に沁みついているのです。なぜだろうか??これも年齢が増した事による影響なのだろうか??それとも私の嗜好が変化したからなのか??そこで琳派に惹かれた理由を、私なりに分析してみたのです。

琳派と言えば最大の特徴にデザイン性と装飾性が挙げられると思います。ここでピンと来たのですが、デザイン性と装飾性って、今で言う”デザイン”や”ロゴ”に近いモノだと思いませんか?計算されつくされた構図とシンプルな形はまさに通じるものがあると思っています。特にロゴは一見すると凄いや上手いと感じません。でも見続くて行くと、気が付けばしっかりと心に沁みついているのです。ある意味琳派も似たようなものだと思うのです。

 

「雪月花図」(江戸時代、文政3年)酒井抱一

「雪月花図」(江戸時代、文政3年)酒井抱一

・各91.4×35.1cm、絹本著色 三幅対、MOA美術館所蔵

琳派は見続けていくと、僕らの心を掴んで離さない魅力があるって事だろうか?

年齢と共に私の目が肥えてきたからなのか?それとも年を取って断捨離的な意識が強くなったからなのか?理由はさておき、間違いなく言える事は、”琳派って実にイイな~っと。今だったら、「燕子花図って本当に良い!!って言えますね。

 

「隅田川窯場図屏風(左隻)」酒井抱一

「隅田川窯場図屏風(左隻)」酒井抱一

・各317.2×147.2cm、六曲一双、DIC川村記念美術館所蔵

ここ最近(コロナ禍以降)、日本で一時的に美術展の開催が延期や中止だったものが、おかげさまでまた開催が復活するに至りました。でもまだまだコロナの影響があるのか?それか、海外から作品を借りるのが難しいという背景があるのかもしれないけど、最近は比較的日本画の展示会が多い印象です。元々西洋画が好きな私ですが、琳派が好きになった今の私にとって、日本画が多く観れるのも嬉しかったりします。何せ、琳派に触れ合える機会が増えたから。^^

 

「隅田川窯場図屏風(右隻)」酒井抱一

「隅田川窯場図屏風(右隻)」酒井抱一

・各317.2×147.2cm、六曲一双、DIC川村記念美術館所蔵

琳派は装飾芸術なので、狩野派の様な”豪壮さ!”つまり豪華さや迫力はちょっと欠けるかもしれない。でも琳派独特のスッキリとした構図と、空間の演出。そして無駄を省いた潔さ!は何といっても日本的だと思っています。もちろんデザイン性と装飾性から、現代にも通じる作風ゆえ古さを感じさせないのも特徴です。

これは私の経験を踏まえてですが、琳派は見れば観るほどその良さがしみじみと分かってくると思っています。年と共に琳派の味が噛みしめられると思っています。さて、あなたも騙されたと思って、まず琳派の作品を試しに味わってみたらどうですか??おそらく5年後、10年後は琳派の魅力に惹かれているはずです。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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