カルロ・クリヴェッリ(Carlo Crivelli)の作品と特徴

Artwork

 

ルネサンス期の画家”カルロ・クリヴェッリ

これまで何度かクリヴェッリの作品を見た事がありますが、
改めて調べて見てみるとその凄さ!に驚かされます。

 

今回はクリヴェッリの作品を見ながら、
その特徴や魅力に迫っていこうと思います。

 

 

カルロ・クリヴェッリの生い立ち

ヴェネツィア

カルロ・クリヴェッリがどんな画家か?

あなたは知っていますか??

時代的には
ルネサンス期に活躍したイタリアの画家です。

 

カルロ・クリヴェッリ(Carlo Crivelli)
1430年頃生~1495年没
カルロ・クリヴェッリは1430年頃にヴェネツィアで生まれます。
実は詳細については不明とされていて、
実際に生まれた年など不明な点も多いとされています。

ただこれまでの研究結果や専門家の意見などから、
アントニオ・ヴィヴァリーニの工房で修業をし,
そこでゴシック様式の多翼祭壇画制作の技術を学んだとされています。

さてクリヴェッリの生い立ちについては
はっきりとしていない部分も多いわけですが、
実は1457年の裁判記録からこんな事実があったといいます。

1457年に姦通罪で有罪となった過去があった。

これが原因でクリヴェッリはヴェネツィアを去る事になり、
イタリアのマルケ地方に移り、そこで居を構えたと言います。

 

「サン・ドミニコの主祭壇画」(1476年)カルロ・クリヴェッリ

「サン・ドミニコの主祭壇画」(1476年)カルロ・クリヴェッリ

そしてこのマルケの地でクリヴェッリは
様々な作品、特に祭壇画を制作していったのです。

 

「モンテ・サン・マルティーノの多翼祭壇画」(1477‐80年頃)カルロ・クリヴェッリ

「モンテ・サン・マルティーノの多翼祭壇画」(1477‐80年頃)カルロ・クリヴェッリ

実はカルロ・クリヴェッリには兄弟がいたと言われています。
これは弟ヴィットーレ・クリヴェッリとの共同制作と言われている作品。

その後カルロ・クリヴェッリの祭壇画はマルケ地方に残されたのですが、
19世紀頃になるとその多くが解体されてしまいます。

それぞれのパネルが独立した作品として売却されてしまったのです。

そのため今では
元の姿の祭壇画を見る事は難しくなってしまったのです。

 

考え…・思い…
カルロ・クリヴェッリは主に祭壇画を制作していました。

もちろんその多くは宗教画がメインなわけですが、
残念かな??
その多くはパネル毎に解体されてしまったわけです。

でも解体されたからこそ、
現在カルロの作品をあちこちで目に出来るって事だろうけど…。

そして祭壇画が主だっただけに
カルロのこんな特徴も見えてくると思います。

 

それは…

 

 

クリヴェッリの作品をイエス・キリストの生い立ちで見ると?

Artwork

 

カルロ・クリヴェッリは
主に宗教画を多く手掛けていますが、
その中でも代表作とされているのがこの「マグダラのマリア」です。

「マグダラのマリア」(1480年頃)カルロ・クリヴェッリ

「マグダラのマリア」(1480年頃)カルロ・クリヴェッリ

カルロ・クリヴェッリマグダラのマリア(1480年頃)
※現在アムステルダム国立美術館に所蔵されています。

 

??
さてあなたはこの絵を見てどう感じますか??
この作品はクリヴェッリの持ち味を知るには最適だろうと思います。

カルロ・クリヴェッリの特徴は
金打ちした背景と硬質な描線
そして装飾的で精密な描写と言われています。

 

このマグダラのマリアでも、
そんなクリヴェッリの典型が見れると思います。

それはアップで見るとより分かるかと思います。

「マグダラのマリア(detail)」(1480年頃)カルロ・クリヴェッリ

「マグダラのマリア(detail)」(1480年頃)カルロ・クリヴェッリ

まず注目がマグダラのマリアの気品溢れる感じ!

もちろんそれは
金色をふんだんに使っているのもあると思います。
でも一番はこの独特な色気ある描写だと思います。

 

絵を見て感動!
キリッとした目つきと
まるで誘うかの様な色気ある表情。
そして独特な指のしぐさも一層色気を醸し出しています。

ある意味不自然ともとれる手のしぐさ。
他の画家にはない独特な描写だと思います。

それに細部まで精密に描き込まれているのも凄い!

着ている服の模様が細部まで描かれていて、
これは一見の価値あり!!って感じだと思います。

これは当時クリヴェッリが滞在していた
マルケ地方にあるマルケ州教会の祭壇画として制作されたもの。

祭壇画だからこそ
装飾的に見えるのかもしれませんが、
とにかくクリヴェッリの「マグダラのマリア」は
他の画家と比べてかなり異質なのは分かると思います。

 

・・・

「聖ゲオルギオス」(1472年)カルロ・クリヴェッリ

「聖ゲオルギオス」(1472年)カルロ・クリヴェッリ

カルロ・クリヴェッリ聖ゲオルギオス(1472年)

これもクリヴェッリらしい感じです。
くっきりとした線で描かれ、細密ともいえる描写。

それに全体的に装飾的だと思いませんか?

 

て今度はカルロ・クリヴェッリの作品を
イエスの生い立ちに沿って観ていこうと思います。

・・・

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

これはフランクフルトにあるシュテーデル美術館受胎告知
カメリーノのサン・ドミニコ多翼祭壇画の一部で、
主要部分はミラノのブレラ美術館に所蔵されています。

 

カルロ・クリヴェッリの「受胎告知」と言えば、
ロンドン・ナショナル・ギャラリーのが特に有名だと思いますが、
実はロンドンのは2020年に日本でも見る事が出来るのです。

※ロンドン・ナショナル・ギャラリー展で、
その「聖エミディウスを伴う受胎告知」を見る事ができる予定。

 

・・・

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

これは大天使ガブリエル。

 

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

「受胎告知」(1482年)カルロ・クリヴェッリ

こちらは処女マリア(聖母マリア)。

大天使ガブリエルが降りてきて、
処女マリアにキリストの妊娠を告げる場面です。

 

絵を見て感動!
この「受胎告知」を見て思う事ですが、
レンガの1つ1つの大きさや色合いの違い。
それに台やテーブルの木の年輪までもがキッチリと描かれている!

ここまで細部まで描いているのも凄いですね。

クリヴェッリについての詳細は不明な点が多いのですが、
ここまで細密まで描いていた事をみると、
何となくですがクリヴェッリの性格が見えてくる感じがします。

 

「聖母子」(1476年頃)カルロ・クリヴェッリ

「聖母子」(1476年頃)カルロ・クリヴェッリ

・・・

「聖母子と聖フランチェスコ、聖セバスティアヌス」(1491年)カルロ・クリヴェッリ

「聖母子と聖フランチェスコ、聖セバスティアヌス」(1491年)カルロ・クリヴェッリ

中央に居るのが聖母子の姿。

そして左には聖フランチェスコ
右には矢で射られた姿の聖セバスティアヌスが描かれています。

 

ポイント!
この作品で注目して欲しい点は、
聖セバスティアヌスが矢で射られている姿です!

実はセバスティアヌスは黒死病(ペスト)の守護聖人とされています。

弓矢で射られた跡がペストの黒い斑点と似ていた事、
そして矢で射られても死ななかったという伝説から、
ペストの恐怖から救われたいという願いがこの絵には込められているのです。

 

・・・

「キリストの血を集める聖フランチェスコ」カルロ・クリヴェッリ

「キリストの血を集める聖フランチェスコ」カルロ・クリヴェッリ

 

??
この絵は一体何を意味しているのだろう?

この絵を見る限り、
すでにイエスの手や足には磔にされただろう傷跡が残っています。
そしてそんな状態でイエスは十字架を抱えているのです。

これは亡くなった後のイエスを
ある種の伝説として描いているのだろうか??

見れば見るほど考えさせられる作品ですね。

これは現在イタリアのミラノにある
ポルディ・ペッツォーリ美術館”に所蔵されています。

ぜひ解説を交えながら見たい作品ですね! 

 

・・・

「ピエタ」(1476年)カルロ・クリヴェッリ

「ピエタ」(1476年)カルロ・クリヴェッリ

カルロ・クリヴェッリピエタ(1476年)

これはメトロポリタン美術館に所蔵されている作品。

ピエタ”と言えばあのミケランジェロの彫刻で有名だと思いますが、
絵画作品でもよく描かれる題材の1つです。

ピエタ(Pietà)”…イタリア語では哀れみや慈悲と言う意味。
十字架に磔にされて亡くなったキリストを降ろし、
そして聖母マリアがキリストを抱くシーンを指しています。

 

「キリストの体を支える2人の天使」(1472年頃)カルロ・クリヴェッリ

「キリストの体を支える2人の天使」(1472年頃)カルロ・クリヴェッリ

 

こう見るとクリヴェッリの描く泣いている表情がまた印象的です。

クリヴェッリの作品は装飾的で細密な描写が特徴と言われているので、
鑑賞を愉しむには、
間近で作品を念入りに観察するに限る!と思います。

 

ぜひ見る機会があれば、
細部まで観察して観たいですね!!

 

 

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