- 2016-3-7
- Impression (絵画展の感想)
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~ カラヴァッジョの動と静 ~
カラヴァッジョは、
”バロック絵画形成の立役者”と言われています。
それだけに
ドラマチックな作風が持ち味です。
でも今展ではそれ以外に
意外な発見があったのです!!
実はカラヴァッジョは…
・・・
・・・”静物画”が上手かった!
バロック絵画という”動”の印象とは逆に
静物画の”静”の印象が対照的で妙にオモシロイ点でした!
例えば
このカラヴァッジョの代表作
…『果物籠を持つ少年』
これは手前にある果物や葉っぱの描写がリアルです。
写実的と言えば写実的となるんだろうけど、
果物に当たる光具合が本物っぽいのです。
それとは対照的に
描かれている人物の描写が生々しいのです!
それから~
この『果物籠を持つ少年』と
似た感じでもう一つの代表作がありました。
看板のデザインにもなっている作品
…『バッカス』です。
バッカス(Bacchus)は、
ローマ神話に登場する”ワインの神”だそうです。
個人的に注目してほしいのが、
バッカスが左手に持っている”グラス”です。
揺れているワインの波紋が描かれているのです!
繊細な描写というか、
この動きの一瞬を描いているのがスゴイ!
カラヴァッジョの描いた作品はバロックだけに、
この様に動きの中の一瞬をとらえた作品が多い様です。
まるで映画を見ていて途中でストップで止めた様な感じです。
こんな風に動くものと動かないモノを
同時に高い領域で描いているのがスゴイですね!
天才と言われる所以がここになるのかな~と。
そして…
カラヴァッジョと言えば、
明暗の対比が特徴と言われています。
それを表す作品がこれです。
…『エマオの晩餐』
この作品は141cm×175cmのサイズで
思った以上の大きさの絵なのです。
そのため穏やかな絵なのに思った以上の迫力があります!
実はこの絵を見て最初疑問に思ったことがあったのです。
光がどこから差しているのか分からなかったのです。
月光なのか?
もしくは星光なのか??…。
実はカラヴァッジョは光の源を描かなかったそうです。
それとは対照的に
カラヴァジェスキの中には”源”を描いた画家もいたのです。
(カラバッジェスキとは
カラヴァッジョに影響を受けた人たちの事。)
ヘリット・ファン・ホントホルストの作品
…『キリストの降誕』
実は今展で私的に好きな絵の一枚なのですが、
これは”イエスから発せられている光”なのが分かると思います。
カラヴァッジョは工房を持たないで、
弟子も持ったことがなかったといわれています。
でも影響を与えた画家は多かったそうです。
カラヴァッジョを見習いながらも、
それぞれカラヴァジェスキたちは
独自の道を切り開いたってことなんでしょうね~。
この『カラヴァッジョ展』もそうですが
テーマを絞った企画展はいろいろな発見があります!
絵画は見れば見るほどおもしろいと思います!
それでは最後は
今展で最も印象に残った作品をあげます。
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