「スコットランド国立美術館展 美の巨匠たち」を観てきました。

「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」…東京都美術館にて

 

ラファエロにルーベンス、ベラスケス、それにレンブラント…

名前を見ただけでも豪華で、嬉しくなってきませんか!?

 

先日上野の東京都美術館でスコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たちを観てきました。今回は個人的レビューを交えて、いくつか作品を挙げてみたいと思います。

確かに名のある巨匠たちの作品も注目ですが、でも個人的にはレイバーンウィリアム・ダイスなどスコットランド出身画家も見逃せない!

実際に行けば分かりますが、画家の知名度と作品の良し悪しって関係ないのです。日本ではあまり知られていない画家でも、イイ作品って結構たくさんあるんですよね。

 

東京都美術館にて
ちなみにこの「スコットランド国立美術館展」は上野の東京都美術館開催後は神戸、北九州と巡回開催します。

【スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち】

・東京開催:2022年4月22日(金)~7月3日(日)まで、東京都美術館にて
・神戸開催:2022年7月16日(土)~9月25日(日)まで、神戸市立博物館にて
・北九州開催:2022年10月4日(火)~11月20日(日)まで、北九州市立美術館にて

 

今展では随所に要チェックの画家が何人も登場します。ぜひ今後行く参考にしてほしいと思います。

・・・

 

「化粧をするヴェネツィア女性たち」(1550年頃)パリス・ボルドーネ

「化粧をするヴェネツィア女性たち」(1550年頃)パリス・ボルドーネ

・97×141cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

さて、まずはイタリアの画家”パリス・ボルドーネ(Paris Bordone)”から。
中央と右に描かれている2人の女性は共に娼婦で、美しい肌とブロンドの髪が特に魅力的です。今回のタイトルにもなっている”美の巨匠たち”にピッタリな作品だと思います。

このボルドーネは時代的にルネサンス期の画家です。豊満で肉感があって、それでいて美しい!!そして豪華で装飾的な衣装の描写も魅力的で、これもボルドーネの特徴と言われています。

ボルドーネ・パリス(Paris Bordone)

1500ー1571、1、29. イタリアの画家、トレヴィーゾに生れ、ヴェネツィアで没。ティツィアーノに師事。初め肖像画家として知られ、1538年フランソワ一世に招かれてフランスに赴き王の肖像画を制作、アウクスブルグでフッガー(Fugger)家のためにも仕事をした。他に宗教画、神話画、寓意画があり、代表作は「聖マルコの指輪を総督に呈上する漁夫」。

※「新潮世界美術辞典」より

ぜひパリス・ボルドーネという画家もチェックしてほしいと思います。

 

「祝福するキリスト(世界の救い主)」(1600年頃)エル・グレコ

「祝福するキリスト(世界の救い主)」(1600年頃)エル・グレコ

・73×56.5cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

エル・グレコらしい作品だと思います。この作品で特に惹かれたポイントは、”キリストの目”。優しさと慈悲深い感じの目が何とも言えないですね。

 

「聖ステパノの石打ち」(1603‐1604年頃)アダム・エルスハイマー

「聖ステパノの石打ち」(1603‐1604年頃)アダム・エルスハイマー

・34.7×28.6cm、メッキした銅板に油彩、スコットランド国立美術館所蔵

これはアダム・エルスハイマーの「聖ステパノの石打ち(The Stoning of Saint Stephen)」。

私が思うに今回の隠れた名画だと思っています。ルーベンスやベラスケスが注目されがちの今展ですが、このエルスハイマーも要チェック!釘付けになる事間違いなしです。実はルーベンスも認めた画家だったのは、覚えてほしいポイントだと思います。
※参考)⇒まるで宝石絵画! ”アダム・エルスハイマー”ってどんな画家!?

 

「卵を料理する老婆」(1618年)ディエゴ・ベラスケス

「卵を料理する老婆」(1618年)ディエゴ・ベラスケス

・100.5×119.5cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

宮廷画家となる前の若かりし頃のベラスケスの作品。これはスペイン語で”ボデゴン”と呼ばれるジャンルの作品です。英語では静物画(Still life)に相当。

台所や厨房の様子を描いた静物画で、風俗画の要素が混じったスペイン風静物画という感じでしょうか。ベラスケスの場合は、風俗画的要素が特に強いのが特徴で、一見すると風俗画の様に見えるのが特徴的です。

 

「村の結婚式」(1655‐1660年頃)ヤン・ステーン

「村の結婚式」(1655‐1660年頃)ヤン・ステーン

・52.9×47.9cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

これはオランダ、レイデン(Leiden)生まれの画家ヤン・ステーンの作品。

 

「ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち」(1780‐1781年)ジョシュア・レノルズ

「ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち」(1780‐1781年)ジョシュア・レノルズ

・143×168.3cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

これはウォルドグレイヴの3姉妹を描いた作品。左から長女シャーロット、次女エリザベス、三女アンで、ギリシア神話における美の女神”三美神”を暗示していると言われています。

レノルズはロイヤル・アカデミーの初代会長だった人物で、”グランド・マナー(古典的絵画様式)”を重要視した画家です。どうしても立場的に保守的な作風が多いと言われているけれど、イギリスの絵画史においては重要な人物です。

 

「勤勉さのもたらす快適さ」(1790年以前)ジョージ・モーランド

「勤勉さのもたらす快適さ」(1790年以前)ジョージ・モーランド

・31.5×37.6cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

 

「結婚式の日に身支度をする花嫁」(1838年)デイヴィッド・ウィルキー

「結婚式の日に身支度をする花嫁」(1838年)デイヴィッド・ウィルキー

・100×125cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

個人的に注目している画家がこの”デイヴィッド・ウィルキー(David Wilkie)”です。早くして才能を開花して、主席宮廷画家の地位に就くほど!ドイツなど他国でも相当評価が高かった様です。
※参考)⇒スコットランドの画家”デイヴィッド・ウィルキー”ってどんな画家?

 

「デダムの谷」(1828年)ジョン・コンスタブル

「デダムの谷」(1828年)ジョン・コンスタブル

・144.5×122cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

これはコンスタブルの生れ故郷”サフォーク”の田園風景を描いた作品。イギリスの風景画家というと、ターナーばかりが注目されがちです。ジョン・コンスタブルはどうしても遅咲きの画家というイメージがありますが、忘れてはならない画家の一人。もちろんターナーの作品「トンブリッジ、ソマー・ヒル」も観れますが、個人的にはコンスタブルの「デダムの谷」がお気に入り!!

 

「悲しみの人」(1860年頃)ウィリアム・ダイス

「悲しみの人」(1860年頃)ウィリアム・ダイス

・34.3×49.5cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

ウィリアム・ダイス(William Dyce)はスコットランドを代表する画家の一人。日本での知名度はあまりないですが、今回特に気になっていた画家です。宗教画的な風景画で、写真の様な写実さは本当に絶賛だと思います。今回「荒野のダビデ」という作品もありますが、こちらもぜひ注目して欲しい作品ですね。

 

「荒野の地代集金日」(1855‐1868年)エドウィン・ランドシーア

「荒野の地代集金日」(1855‐1868年)エドウィン・ランドシーア

・122×265cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

 

「古来比類なき甘美な瞳」(1881年)ジョン・エヴァレット・ミレイ

「古来比類なき甘美な瞳」(1881年)ジョン・エヴァレット・ミレイ

・100.5×72cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

この少女は女優ベアトリス・バックストンがモデルになっています。

最初は「スミレの花を持つ少女」というタイトルだったそうです。「古来比類なき甘美な瞳」は2番目のタイトルで、エリザベス・バレット・ブラウニングの詩「カタリーナからカモンイスへ」からの引用です。

個人的にミレイの作品は好きで、以前観た作品「過ぎ去りし夢 - 浅瀬のイサンブラス卿」は今でも印象深く心に残っている作品です。特に少女を描いた作品は本当に素敵で、出来る事なら「ジャン・エヴァレット・ミレイ展」を盛大に開催してほしいですね。

 

「アメリカ側から見たナイアガラの滝」(1867年)フレデリック・エドウィン・チャーチ

「アメリカ側から見たナイアガラの滝」(1867年)フレデリック・エドウィン・チャーチ

・257.5×227.3cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

そして締めは、アメリカの風景画家フレデリック・エドウィン・チャーチの作品。

スコットランド美術館にある数少ないアメリカ絵画だそうです。今回はエピローグという形で最後に展示していました。大きなカンヴァスに描かれたダイナミックなナイアガラの滝。豪快な水の落下や水しぶきの様子。見ていると滝の音がしてくる様で、本当に圧巻の作品だと思います。これはぜひ間近で観て、感じてほしい作品だと思います。

 

今回の「スコットランド国立美術館展」は、予想以上にイイ作品が多かった印象です。特にスコットランド出身の画家は注目して欲しいと思います。

この展覧会は東京開催後は神戸、北九州と巡回開催します。ぜひ行ってみては!?

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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