- 2025-10-14
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
- コメントを書く

10月を象徴する野菜と言えば、その代表格に”かぼちゃ”が挙げられます。
多くの人は”かぼちゃ”から、10月31日の一大イベント”ハロウィン”を思い浮かべるでしょう。
でも私の場合はちょっと違います。”西洋画”で描かれるかぼちゃを思い浮かべてしまうのです。
これも美術好き人間の性というものでしょうか。^^
かぼちゃと言えば、多くは”静物画”で描かれわけですが…。
でも今回はちょっと趣向を変えて、風景画で”かぼちゃ”を観ていこうと思います。
|
【 目次 】 |
かぼちゃとハロウィン

早速かぼちゃの絵を紹介するのもいいですが、まずは予備知識としてハロウィンについて話していこうと思います。
10月に入ると、街のあちこちで”かぼちゃ”を目にする機会が多いですが、その理由は10月31日の”ハロウィン(Halloween)”があるからでしょう。
最近の日本では、賑やかな仮装パレードというイメージが強く、特に”渋谷ハロウィン”はその最たる例だと思います。
毎年の様にテレビでも取り上げられていて、参加した人なら分かると思いますが物凄い混雑ぶりが印象的です。
そんな賑やかな仮装パレードのイメージが強い”ハロウィン”ですが、本来は古代ケルト人のお祭りが起源だったのは知っていましたか?
夏の終わりと冬の始まりを祝い、死者の霊から身を守るために仮装をして家々の周りを巡回する儀式が行われていました。また収穫祭として、食べ物を神へのお供え物として捧げる風習もあったそう。
(「日本ハッピーハロウィン協会」の公式サイトより参考)
現在ハロウィンで行われる仮装は、古代ケルト人が死者の霊から身を守る行為が元になっている。
そしてハロウィンを象徴する”かぼちゃ”ですが、これは魔よけのランタンが元ネタになっているわけですね。

「ジャック・オー・ランタン」Abbott Fuller Graves作
・カンヴァスに油彩(public domain画像)
かぼちゃの中身をくり抜いて、中に明かりを入れて魔よけとしていた。
一般的には「ジャック・オー・ランタン(Jack-o’-Lantern)」と呼ばれています。
ちなみに現在では、かぼちゃのランタンが主流ですが、昔はカブを使用していました。
アメリカにハロウィンの文化が広まった頃から、生産数の多さからかぼちゃが使用されるようになったそう。
(一部の国や地域では、カブを使っているところもあるそうです。)
余談になりますが…
僕らがよく言う英語の”パンプキン(Pumpkin)”ですが、これはオレンジ色のかぼちゃを意味しています。
対して、日本でよく食べる緑色のかぼちゃは”Squash(もしくはJapanese pumpkin)”と呼ぶそう。
この呼び名に関しては、各国で若干違いはある様で、参考として頭に入れておいてもイイかと思います。
かぼちゃが描かれた風景画を観ていきます!

かぼちゃは西洋画でも頻繁に描かれる果物で、特に静物画で目にする機会が多いと思います。
だからと言って、かぼちゃが描かれた静物画を紹介するのもちょっとつまらないですから。
今回はちょっと視点を変えて、風景画という括りで”かぼちゃ”を観ていこうと思います。

「農場で収穫する人々」(1891年)Maria Klass-Kazanowska
・135.5×235.5cm、カンヴァスに油彩
これはMaria Klass-Kazanowska(マリア・クラス・カザノフスカ)の作品。
1857~1898年、ポーランド出身の女性画家です。
正直日本ではほとんど知られていない画家だと思います。かく言う私も知りませんでした。
今回”かぼちゃ”をきっかけで探していたら、偶然目に留まった画家だったのです。
風景画の分野で活躍していたそうで、それは彼女の作品を観ても分かると思います。

「農場のビーツやカボチャ」(1892年)Maria Klass-Kazanowska
・45×63cm、板紙に油彩、ワルシャワ国立美術館所蔵
それにしても、農場を題材にした作品も珍しいと思います。
野菜などを描いているため、静物画にも見えなくないけれど…、でも私の解釈では”風景画”とさせてもらいまいた。

「農場のビーツやカボチャ(detail)」(1892年)Maria Klass-Kazanowska
これはアップでの画像(detail)ですが、筆さばきが見て取れるのがオモシロイ。
画像もイイですが、やっぱり絵を味わうなら本物に限る!!
ぜひ、日本でもマリア・クラス・カザノフスカの作品を展示してほしいものです。

「カボチャ畑」(1862年)アウグスト・フォン・ペッテンコーフェン
・31×23cm、パネルに油彩
そしてアウグスト・フォン・ペッテンコーフェン(August von Pettenkofen)の「カボチャ畑」です。
1822~1889年、オーストリア出身の画家で、主に市民の日常を題材に作品を多く描きました。
実家が農家だった私にとって、こういった農場で働く人々の絵は何だか親しみが持てるからイイですね。^^

「Pumpkin Patch(パンプキンパッチ)」(1878年)ウィンスロー・ホーマー
・紙に水彩、アーケル美術館(Arkell Museum)所蔵
そしてウィンスロー・ホーマー(Winslow Homer)の作品です。
1836~1910年、アメリカを代表する画家の一人。
フランスを旅し、そこに住む農村の人々を題材にした作品を描いていたので、一般的には”バルビゾン派”の画家とも言われています。
日本でも彼の作品は度々目にする機会があるので、ぜひ見かけた際はチェックしてほしいものです。

「Pumpkin Patch(パンプキンパッチ)」(1878年)ウィンスロー・ホーマー
・29.2×50.1cm、水彩画
こちらも、ウィンスロー・ホーマーの水彩画です。
ちなみにPumpkin Patch(パンプキンパッチ)は、ハロウィン用のかぼちゃを売っている場所を言うそうです。
アメリカでは一般的だそうで、ハロウィンが近づくと各地で出店がされていたとの事。
日本ではほとんど見かけないですが、絵画通して文化の違いが知れるのはオモシロイですね。

「カボチャ畑」(1880年頃)アーサー・パートン
・33×52.1cm、カンヴァスに油彩、個人蔵
これはアーサー・パートン(Arthur Parton)の作品「カボチャ畑」。
私も知らない画家だったのですが、ハドソン・リバー派を代表する画家です。
改めて思いますが、こうやって新たな画家との出会いはイイものですね。^^

「コーンショックとカボチャ」(1864年)ウィリアム・トロスト・リチャーズ
・カンヴァスに油彩、Brauer Museum of Art所蔵
これはウィリアム・トロスト・リチャーズ(William Trost Richards)の作品です。
アメリカ出身の画家で、主に風景画家として活躍していました。

今回紹介した多くはアメリカ出身の画家で、日本でもあまり聞かない名ばかりだったではないでしょうか。
でも、どれもが実に味わい深い!!
”芸術の秋”を象徴するに最適なものばかりだったかと思います。
調べればまだまだ発見できると思うので、興味のある方は探してみるのもオモシロイと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。


















この記事へのコメントはありません。