アートで「柿」を味わう! これも”芸術の秋”ならではの風情!!

柿(Persimmon)

 

秋を象徴する果物は様々あるけれど、その代表格の一つに(Kaki)があります。

 

品種によって多少の違いはあるにせよ、時期としては9月~12月頃になるでしょうか。

日本では古くからある果物で、もちろん芸術でも度々扱われてきました。

今回は”芸術の秋”にちなんで、ART de を味わっていこうと思います。

 

目次

柿は”神の食べ物”!?

速水御舟の「柿」
竹内栖鳳の「魚肥山果熟」
片多徳朗の「柑柿」
鈴木春信の「柿の実とり」
小原古邨の”柿”を描いた作品

 

 

 

 

柿は”神の食べ物”!?

柿(Persimmon)

秋を象徴する果物に、(Kaki)があります。

日本では古くからある果物で、もちろん日本画でも度々描かれてきました。

 

そんな日本では馴染み深い果物ですが、”神の食べ物”という意味があるのは知っていましたか!?

 

柿(Persimmon)
私は今回まで知らなかったのですが、学名で”柿の木”は「Diospyros」と書きます。

古代ギリシア語を由来とし「Dios=神」「pyros=穀物・小麦」で、つまり”神の食べ物”という意味になるそうです。
(他には”神の穀物”や”聖なる果物”という意味にもなるそうです。)

普段何気なく食べている柿でも、こんな意味があるのを知るだけで、より神聖さが増してくるからから不思議ですね。^^

 

もちろん果物なので、食べて味わうのが一番イイ方法でしょう。

でも、たまには”芸術(ART)”で「柿」を味わうのもイイと思います。

これも芸術の秋”ならではの風情というものではないでしょうか。

 

 

 

速水御舟の「柿」

「柿」(1923年、大正12年)速水御舟

「柿」(1923年、大正12年)速水御舟

・54.2×50.8cm、紙本・彩色、山種美術館所蔵

まず真っ先に挙げたい作品は、速水御舟です!

現在は山種美術館に所蔵されていて、私もこれまでに何度も観てきた作品です。

シンプルでありながら、これほど”わび・さび”を感じさせてくれる画は他にあるでしょうか。

別の表現で例えるなら、季節感を感じさせてくれる!

…そういった作品だと思います。

 

純粋に御舟の画力の高さを感じさせてくれますね。

これは本当に絶品だと思うので、山種美術館で見れる機会があったらお見逃しなく!!

 

 

 

竹内栖鳳の「魚肥山果熟」

「魚肥山果熟」(1925年、大正14年)竹内栖鳳

「魚肥山果熟」(1925年、大正14年)竹内栖鳳

・48.0×55.6cm、絹本・彩色・軸装、足立美術館所蔵

これは日本を代表する近代画家竹内栖鳳の作品です。

”けものを描けば、その匂いまで表現できる!”と言わしめた画力の持ち主だけに、柿のみずみずしさや熟した感じまで伝わってきます。

目の前の柿をそのまま写し取った様な、写生の高さ!!

そして何より色遣いが絶品と言った感じでしょうか。

私にとって、これほど果物らしさを感じる柿は他には見当たらない。

 

竹内栖鳳の「柿」を見ると、無性に食べたくなる!

…まさに、そういった類の絵だと思います。

 

 

 

片多徳朗の「柑柿」

「柑柿(あまがき)」(1931年、昭和6年)片多徳朗

「柑柿(あまがき)」(1931年、昭和6年)片多徳朗

・12.5×17.0cm、板に油彩、大分県立美術館所蔵

これは大分県出身の洋画家片多徳朗の作品「柑柿」。

今回調べていて偶然発見した作品ですが、一目で釘付けになってしまいました。

西洋画らしいタッチでありながら、熟した柿の柔らかさが伝わってくる様な…。

片多徳朗は、私たちに感触を感じさせてくれます

今回偶然のきっかけで知った画家ですが、これほど人物が日本に居たなんて…。

ぜひ要チェックしてほしい画家だと思います。

 

 

 

鈴木春信の「柿の実とり」

「柿の実とり」(明和4-5年頃、江戸時代中期)鈴木春信

「柿の実とり」(明和4-5年頃、江戸時代中期)鈴木春信

・28.2×20.8cm、中判錦絵

こちらは江戸時代の浮世絵師”鈴木春信”の作品です。

美人画で名を馳せた絵師だけに、当時の美人の要素が垣間見れるのもオモシロイ!!

そして何より、柿の実を取ろうとする場面が洒落ています。^^

大人になった今ではしないけれど、僕も子供の頃は”こういった行為”をしていた様な…。

ちょっと懐かしさも感じられる、まさに”浮世絵”ならではの作品だと思います。

 

 

 

小原古邨の”柿”を描いた作品

「柿の実を持つカラス」(1900-1910年頃)小原古邨

「柿の実を持つカラス」(1900-1910年頃)小原古邨

・35.2×18.0cm

そして締めに、小原古邨(おはら こそん)の作品2点を紹介したいと思います。

小原古邨は明治から昭和にかけて活躍した、主に花鳥画で知られる画家です。
※1877年(明治10年)~1945年(昭和20年)

日本画を観る人なら、一度は彼の作品を目にした事もあるのではないでしょうか。

 

「猿に柿」(1900-1930年頃)小原古邨

「猿に柿」(1900-1930年頃)小原古邨

・34.1×18.6cm

実際に目の前の光景を描いたのか?

それとも画家自身の空想やユーモアを交えて描いたのか??

どちらかは分かりませんが、小原古邨の作品はどれもリアリティがあるのも特徴的です。

 

明快な構図と、日本画らしい柔らかさ!

それでいて、とても親しみやすさを感じさせてくれる。

私個人の解釈になりますが、小原古邨の絵はいつ観ても安心できますね!^^

 

 

私の考え
という感じで、今回数点挙げてみましたがどうでしたでしょうか!?

食べて柿を味わうのもイイですが、時には”芸術で柿を味わう”のもイイと思います。

これも芸術の秋ならではの風情というものではないでしょうか。^^

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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