- 2024-8-1
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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根津美術館には国宝「那智瀧図」が所蔵されています。
名前の通り”那智の滝”を描いた作品ですが、一見した限りでは悩むかもしれないですね。
これは仏画なのか?
それとも風景画なのか?? …と。
誰が描いたか分からないため、真相はハッキリしない。でも作品から神秘的な感じが伝わってくる以上、私の解釈では”仏画”という認識です。
どう解釈するかは人それぞれなので、後はあなた自身で判断してほしいわけですが…。
今回は実際に観た私のレビューと解説をしていくので、参考にしてもらえたら幸いですね。
【 目次 】 |
国宝「那智瀧図」の解説とレビュー
・160.7×58.8cm、絹本着色 1幅、根津美術館所蔵 ※Public domain画像使用
国宝「那智瀧図」は、那智大社の御神体”那智滝”を描いた作品です。
まず作品の詳細や解説からしてきますが、大きさは縦が159cm、横が57cm。例えるなら、小柄な女性くらいの大きさといった所でしょうか。
そして描かれた時代は鎌倉時代で、今から1500年以上も前の作品。実物を観れば分かりますが、傷み具合からもかなり歴史のある作品なのは分かります。
那智滝図(なちのたきず)
鎌倉中期の垂迹(すいじゃく)画(垂迹美術)。飛滝権現(ひりょうごんげん)の神体として信仰された那智滝の全容を縦長の画面いっぱいに収め、下端に礼拝所の屋根を見せた新道絵画で、宮曼荼羅(みやまんだら)の一種。懸崖(けんがい)を落下する飛瀑の動勢や、紅葉する山容、滝壺の岩や老杉など風景画としても堂々たる構成と表現を示す。伝統的な風景画法に時代の新しい感覚と宋代絵画の技法をとり入れたとみられるすぐれた作品。
13世紀末の制作。東京、根津美術館蔵。絹本着色。159.0×57.8cm。
・出典元:「新潮 世界美術辞典」より
垂迹という言葉は、”仏や菩薩が救済のために、他の姿を借りて現れること”を意味します。つまり”御神体”というわけです。
では、実際に「那智瀧図」を観た私の感想レビューをしたいと思います。
私の率直な印象としては、風景画と言うには神秘的過ぎる感じがしました。風景画にしては崇高過ぎるからです。
実際に観ると分かりますが、中央に描かれている滝が”絹糸”の様に美しい!それでいて流れ落ちる臨場感がある。
例えるなら、実際の滝を見ている様な…、マイナスイオンを浴びているかの様な感覚に陥ります。
こういった理由から、私の解釈は「那智瀧図」は単なる風景画ではなく、”仏画”と呼んでも間違いないと思っています。
ちなみに根津美術館の公式HPで調べてみると、やまと絵と宋元画の融合した垂迹画の傑作!と称されていました。美術館側の解釈としては、”仏画”に近い位置づけになる様ですね。
それに「那智瀧図」は根津美術館が所蔵している作品ですが、実は披露される機会も意外と少なかったりします。
国宝ですから、展示期間など色々制約があるのは分かるけれど、でも理由はそれだけじゃないのかも!?
”神聖な作品”ゆえ、”やたらめったら展示できない”という理由もあるかもしれないですね。
作品の価値や観れる機会という意味でも、非常に”希少”と考えると、チャンスが到来したらぜひ観てほしい!
次はいつ展示されるか分からないですからね!!
(参考)”那智滝”の写真と動画をどうぞ!
”那智滝”は現在の和歌山県那智勝浦町(なちかつうらちょう)にある滝です。
滝壺までの落差は133メートル、滝幅が13メートルと日本の滝の中でも有数の大きさを誇り、何より神秘性に満ちた雰囲気はピカ一!
現在は華厳の滝と袋田の滝と共に”日本三名瀑”の一つに数えられています。
また知っている人も多いでしょうが、ユネスコの世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして登録されています。
非常に美しい滝なのは分かるけれど、実は日本の歴史と信仰が絡み合った滝というわけです。
そう考えると、日本人なら一度は目にしたいと思いませんか!?(私はまだ”那智滝”を観た事がないので、いつかこの目に収めたいものですね!^^)
これまで袋田の滝や華厳の滝は観た経験から、滝は実際に足を運んで観るに限ると思っています。迫力ある音もそうですが、何より間近で見る雰囲気やマイナスイオン。
こういったか不思議な感覚を味わえるのも、私が思うに”滝の魅力”だと思っています。
ちなみに、You tube上で気になる動画があったので紹介したいと思います。
”那智滝”は神が宿る滝とも言われているそうなので、おそらく想像以上に神秘性に満ち溢れている事かと!!
良かったら、動画を観ながら”神秘性”を感じ取ってみるのもイイと思います。^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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