清水多嘉示の代表作「みどりのリズム」を上野で観よう!

清水多嘉示の「みどりのリズム」

 

 

上野公園に清水多嘉示みどりのリズムという彫刻が立っているのは知っていますか!?

 

JR上野駅からほど近くにあるので、立地的には非常に良い場所にあります。

ちょうど国立西洋美術館の横に立っているので、美術館帰りに見た人もいるかと思います。

 

近代芸術を代表する”清水多嘉示”の作品ですから、せっかくならじっくり鑑賞しても損はないと思います。

 

 

清水多嘉示の「みどりのリズム」

清水多嘉示(しみず たかし)は、主に大正から昭和初期にかけて活躍した芸術家です。(明治30年生れ~昭和56年に没)

先日アーティゾン美術館で、特集コーナー展示として清水多嘉示の作品が展示されていました。私も見に行きましたが、ここで展示されていた作品の多くは絵画でした。

 

アーティゾン美術館の特集コーナー展示”清水多嘉示”
この展示だけを見ると、画家というイメージが強いかもしれないけど、実は彫刻家としても大きな活躍をしているわけです。

元々は画家として出発した清水でしたが、フランス滞在時にブールデル(アントワーヌ・ブールデル)の彫刻と出会います。これがきっかけで彫刻家としても歩み始めたのです。

 

 

こで参考に、『新潮 世界美術辞典』の解説を挙げてみようと思います。

清水多嘉示(しみずたかし)

明治30.7.27ー昭和56.5.5(1897ー1981)

彫刻家。長野県諏訪郡原村に生れ、東京で没。大正12ー昭和3年(1923-28)滞仏、ブールデルに師事、サロン・ドートンヌに出品、サロン・デ・チュイルリー、サロン・デ・ザンデパンダン(アンデパンダン展)会員になり、帰国後、国画会会員になる。昭和39年日本芸術院会員。師風を継いだ堅実な作風で知られる。郷里の原村にある八ヶ岳美術館に多くの作品がある。代表作は『裸婦』(1953)、『青年象』(1954)

・参考元:『新潮 世界美術辞典』より

 

新潮「世界美術辞典」
1928年に帰国してからは、帝国美術学校(現在の武蔵野美術大学)の創設にも参加。

その後は『院展』や『国展』『春陽会展』など様々な展覧会のも作品を出品し、着実に評価を上げていきます。

 

も大きな活躍と言ったら、戦後からになるでしょうか。

もちろん『日展』など、展覧会にはほぼ毎年の様に作品は出品し続けますが、1954年に出品した「青年象」では日本芸術院賞を授与されます。芸術家としてもそうだけれど、日本芸術界への貢献度も高く評価されたわけです。

そして1980年には文化功労者に選任され、同年には生まれ故郷の原村に「八ヶ岳美術館」をオープン。とうぜん原村の名誉市民にもなっています。

現在、清水多嘉示の代表作としては、『すこやか』(1953年、芸術選奨文部大臣賞を受賞作)、『裸婦』(1953)、『青年象』(1954年、芸術院賞受賞作)、『みどりのリズム』などがありますが、その代表作の一つが上野公園でも見れるというわけです。

 

清水多嘉示の「みどりのリズム」
彫刻「みどりのリズム」が立っている場所は、具体的にいうとJR上野駅(上野公園口)を降りてすぐ。ちょど国立西洋美術館の『地獄の門』の裏側にあります。

横には喫茶店もあるので、珈琲を飲みながらじっくりと「みどりのりずむ」を鑑賞するのもイイかと思います。

 

意外と素通りする人もいるかもしれないけれど、日本の近代芸術を築いた立役者”清水多嘉示”の作品なわけですから、ぜひ素通りすることなくじっくりと観てほしいものです。

 

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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