- 2026-6-10
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蛇に巻き付かれる”ラオコーン(Laocoon)”の鬼気迫る姿!
この劇的とも言える姿は、何度見ても圧倒されるものです。
”ラオコーン”はギリシャ神話でも特に有名なエピソードで、絵画でも度々描かれる主題です。
今回は代表的な絵画作品を観ながら、解説していこうと思います。
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【 目次 】 ・ギリシア神話「ラオコーン」を、絵画を観ながら解説! |
ギリシア神話”ラオコーン”を、絵画を観ながら解説!

海蛇に巻き付かれ、脇腹を噛まれるラオコーンの鬼気迫る姿!
劇的!に表現されたラオコーンとその息子たちの姿は、何度見ても圧倒されるものです。
”ラオコーン(Laocoon)”はギリシア神話に登場するトロイの神官で、一般的には悲劇の人物として描かれています。
でも、なぜか”英雄”的に見えてしまうのは、ドラマチック!に表現されているからでしょうか!?
まずは、↓神話「ラオコーン」の物語から解説していこうと思います。
1、神話「ラオコーン」の物語

「ラオコーン」(1812年)フランチェスコ・アイエツ
・175×246cm、カンヴァスに油彩、ブレラ美術アカデミー
トロイア戦争も終盤に差し掛かった頃…
ギリシア軍は巨大な木馬だけを残して撤退します。
(実はこの木馬の胴の中には兵が隠れていました。)
トロイの人々は木馬を捧げ物だと信じ、城内に引き入れようとしました。
これに異を唱えたのがトロイの神官”ラオコーン”で、市中に引き入れぬよう警告、女神ミネルヴァへの捧げ物である木馬へ槍を投じました。
すると巨大な2匹の海蛇が現れ、ラオコーンと2人の息子を絞め殺してしまったのです。

「燃えるトロイ」フレデリク・ファン・ファルケンボルフ
・18×27cm、銅板に油彩、個人蔵
トロイの人々は神々の怒りを恐れ、木馬を市中に引き入れてしまいます。
すると木馬の中からギリシア軍が飛び出し城門を開け放ち、城は容易に陥落。10年近く続いたトロイア戦争が終結に至ったのでした。
絵画で”ラオコーン”が描かれる場合、巨大な蛇と格闘する場面がほとんど。
その代表的とも言える作品がバチカン美術館にある彫刻「ラオコーン像」で、躍動感でドラマチックに表現された様子はその後の多くの芸術家に影響を与えたとか…。
例えば、エル・グレコの「ラオコーン」もその一つだと言われています。
詳しくは、以下で↓解説します。
エル・グレコの「ラオコーン」

「ラオコーン」(1610-14年)エル・グレコ
・142×193cm、カンヴァスに油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー
これは、エル・グレコ(El Greco)の代表作の一つ「ラオコーン」です。
現在ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されていて、謎に包まれた名画とも言われています。
海蛇に巻き付かれ苦しむ様子のラオコーンと息子たち、右側にはラオコーンを没落させたアポロとアルテミスの姿が描かれています。
そして背景には「トロイの木馬」と、トロイの街と思われる様子まで…。
実はこの作品については、いくつかの疑問もあるといいます。
奥に見える街並みは、エル・グレコの住んでいた”トレドの街”なのでは?との説。
それから、なぜ神話を描いたのか??
ほとんどが宗教画だったエル・グレコにあって、ギリシャ神話をテーマとした作品は非常に珍しい!と言います。
とにかく、これほど独特な世界観が表現された「ラオコーン」は他にはないと思います。
いつか日本で見れる機会が来てほしいものですね!^^
さて…
数は少ないですが、他の「ラオコーン」も見てみようと思います。

「蛇に噛まれたラオコーンとその息子たち」(1610年)ピーテル・サウトマン
・185×237cm、カンヴァスに油彩、ボルドー美術館所蔵
まずは、ピーテル・サウトマン(Pieter Soutman)の「蛇に噛まれたラオコーンとその息子たち」。
1593年頃~1657年、オランダの画家で版画家です。
若かりし頃、巨匠ルーベンスの元で修業をしていたという記録もある様です。
日本ではあまり知られていませんが、1624年にはポーランドで宮廷画家となり、画家として成功を収めたと言われています。

「ラオコーンと彼の息子たち」(1601年)ピーテル・パウル・ルーベンス
・45.7×47.5cm、紙にチョーク (※Public Domain画像使用)
それから、ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)による素描です。
非常に肉感的で躍動感あふれる描写はまさにルーベンスらしい!
素描とはいえ、一つの作品として見えてしまうから不思議ですね。
ヘレニズム期の「ラオコーン像」発掘場面を描いた作品

「ラオコーン像の発見」(1834-1835年頃)ピエール=ノラスク・ベルジェレ
・71×105.5cm、カンヴァスに油彩、個人蔵
これはピエール=ノラスク・ベルジェレ(Pierre Nolasque Bergeret)の作品です。
作品からも分かりますが、”教皇ユリウス2世とラオコーン像の対面”の場面が描かれています。
1506年にトラヤヌス浴場付近から、ヘレニズム期と思われる「ラオコーン像」が発見。
(この時発見された彫刻が、バチカン美術館へと保管されます。)
芸術を愛し、考古学にも精通したユリウス2世にとって、この「ラオコーン像」の発見は重大な出来事だったのが垣間見れると思います。
さらに、当時の芸術家たちにも大きな影響を与えたそうで、ルネサンスの3大芸術家の一人”ミケランジェロ”もその一人。
実際にミケランジェロは発掘の場に立ち会っていたそうで、その後の芸術観にも大きな影響を与えたとか…
後のマニエリスム誕生のきっかけともされています。
一つの芸術作品が、その後の英術の歴史にも大きな影響を及ぼす。
ヘレニズム期の「ラオコーン像」発見が、いかに重大な出来事だったかが垣間見れるという点では、非常にオモシロイ作品ではないでしょうか。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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