東京国立近代美術館で、「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。

東京国立近代美術館で、「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。

 

先日、東京国立近代美術館で、杉本博司 絶滅写真を観てきました。

これは写真家&現代芸術家”杉本博司”よる”銀塩写真”をテーマにした展覧会です。

中でもタイトルの絶滅写真はインパクトがあり、”何が絶滅なのだろうか!?”と疑問さえ湧いてくる程。

 

今回は展示の様子を交えながら、「杉本博司 絶滅写真」展の鑑賞レビューをしていこうと思います。

 

目次

東京国立近代美術館で「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。(鑑賞レビュー)
 …1章:時間・光・記憶
 …2章:観念の形
 …3章:絶滅写真

「杉本博司 絶滅写真」の開催概要

※この「杉本博司 絶滅写真」展は、巡回予定はなく、東京開催のみとなっています。

 

 

 

東京国立近代美術館で「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。

東京国立近代美術館で、「杉本博司  絶滅写真」を観てきました。

先日、東京国立近代美術館で開催した杉本博司 絶滅写真を観てきました。

これは写真家で現代芸術家でもある杉本博司による”銀塩写真”をテーマにした展覧会。

中でも目を惹くのが、タイトルの絶滅写真ではないでしょうか。

一体、何が絶滅なのだろうか!?と、疑問さえ湧いてくるほどです。

 

私の考え

て、まずは私の率直な感想になりますが…

とても新鮮!記憶に残る内容だったと思っています。

当初は”地味だろうな~”と思っていただけに、完全に予想を裏切られた感じです。^^

杉本博司はコンセプトを重視しているので、一枚一枚に”重み”が感じられるし、モノクロ写真なだけあって重厚感半端ない!!

 

「ネアンデルタール」(1994年)杉本博司

「ネアンデルタール」(1994年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

画像ではちょっと分かりにくいですが、展示されている写真はどれも1メートルを超えるものばかりで、迫力もあるから尚更です。

実際に行くと分かりますが、ズシッ!と記憶に刻まれるのを感じると思います。

 

なみに、今展の展示構成は以下の様になっていました。

杉本博司 絶滅写真の展示構成

1章:時間・光・記憶 …1970~1980年代頃、杉本博司のキャリアスタート時の代表シリーズが展示されていました。
2章:観念の形 …作品により深みが出来た時期、1990年代頃の作品が展示。
3章:絶滅写真 …今展のタイトル”絶滅”の真相に迫る形で、近年までの作品が展示。

 

 

れでは、肝心の展示風景を見ていこうと思います。

1章:時間・光・記憶

まずは1970年代~80年代に発表された3シリーズ、「ジオラマ」と「劇場」、そして「海景」をテーマとした作品が展示されていました。

杉本博司が渡米し、美術学校で写真技術を学び始めた頃~、つまり芸術家としてスタートした初期の作品です。

 

「アビシニアコロブス」(1980年)杉本博司

「アビシニアコロブス」(1980年)杉本博司

・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

杉本博司の最初のシリーズ作「ジオラマ」です。

精巧に作られた博物館のジオラマを、本物に見えるよう撮影した作品。

作品のコンセプトもそうですが、写真家としての自負も垣間見れる作品だと思います。

 

「ポコット族」(2025年)杉本博司

「ポコット族」(2025年)杉本博司

・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

たしかに人物は本物っぽいですが、背景は”作り物?”っぽく見える。

近づいてじっくり観ると、この違いに気が付くと思います。

 

「ムブティ・ピグミー」(2025年)杉本博司

「ムブティ・ピグミー」(2025年)杉本博司

・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

それにしても、ジオラマを写真に収めよう!なんて…

この発想はなかなかオモシロイ!

 

「ユニオンシティ・ドライブイン、ユニオンシティ」(1993年)杉本博司

「ユニオンシティ・ドライブイン、ユニオンシティ」(1993年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

 

「パレス・シアター、ゲーリー」(2015年)杉本博司

「パレス・シアター、ゲーリー」(2015年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

 

「カリブ海、ジャマイカ」(1980年)杉本博司

「カリブ海、ジャマイカ」(1980年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

世界の海で同じ風景を撮影した「海景」シリーズです。

同じ構図でありながら、でもどれも違っているのが興味深い。

 

「相模湾、江之浦」(2025年)杉本博司

「相模湾、江之浦」(2025年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

「ジオラマ」シリーズや「海洋」シリーズもそうですが、一見すると非常に単純でシンプルな写真です。

正直言って、僕にだって撮れそうな写真に思えます。

でも、こういう写真を撮ろう!とは、なかなか思い浮かばないですよね!?

1章から、杉本博司の感性の鋭さ!に驚きですね。

 

 

2章:観念の形

2章のテーマは、「概念の形」です。

人間の知性や想像力によって作り出された様々な”かたち”を撮った作品が展示されていました。

 

「サンテリア・モニュメント」(1998年)杉本博司

「サンテリア・モニュメント」(1998年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

まるでピントがぼやけた様な…。

焦点距離を「無限の倍」に設定し、焦点をぼかす事で建築家の脳内ビジョンを再現しようとした作品。

 

「サヴォア邸」(1998年)杉本博司

「サヴォア邸」(1998年)杉本博司

・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

 

「S.C. ジョンソンビル」(2001年)杉本博司

「S.C. ジョンソンビル」(2001年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

コンセプトはオモシロイけれど、ず~と観ていると酔った感じになってくる。

もしかしたら、これが建築家の脳内なのだろうか??

 

「概念の形 0006 クエン曲線:負の定曲率曲面」(2004年)杉本博司

「概念の形 0006 クエン曲線:負の定曲率曲面」(2004年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

 

「スタイアライズド・スカルプチャー008[イブ・サンローラン 1965年 秋 - 冬]」(2007年)杉本博司

「スタイアライズド・スカルプチャー008[イブ・サンローラン 1965年 秋 – 冬]」(2007年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

スタイアライズド・スカルプチャー(Stylized Sculptures)」シリーズです。

解説によると、時代を画したデザイナーたちの作品を「人体とそれを含む人工皮膚を近代彫刻として見る」という視点からとらえ、モダニズムの検証を試みている…と。

私としては、非常に理解に苦しむ作品です。

 

ポイント!
も、私としては面白味!を感じる部分もあります。

ファッションにおいて”カラー”は重要な要素なのに、あえてファッションを”モノクロ”で表現するとは!?

この試みは何とも大胆不敵ですよね!!

2章の作品全体に言える事ですが、”かたち”をそのまま撮影していないのが何とも興味深い。

ここでも杉本博司の感性が活かされている様に思えます。

 

 

3章:絶滅写真

杉本博司の芸術の原点絶滅写真!をテーマとした章です。

冒頭でもちょっと触れましたが、一体何が絶滅なのだろうか??…と。

つまり、タイトルの”絶滅写真”とは、銀塩写真というメディアの終焉を意味しているわけです。

そして同時に、作家活動の終わりも暗に示しているそう。

 

「P.P.T.R.D. 037 棘のある三葉虫」(2008年)杉本博司

「P.P.T.R.D. 037 棘のある三葉虫」(2008年)杉本博司

・82.0×65.0cm、プラチナ・パラジウム・プリント

 

「リチャード一世」(1999年)杉本博司

「リチャード一世」(1999年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

これは「肖像」シリーズで、ロンドンのマダム・タッソーの蝋人形を撮影した作品。

”剥製の白熊を生きている様に撮れるなら、蝋人形も生きているように撮れるだろう…”

芸術家として初期に制作した「ジオラマ」シリーズに立ち返る様な作品です。

 

「ヴィクトリア女王」(1999年)杉本博司

「ヴィクトリア女王」(1999年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

 

ポイント!
の解釈になりますが…

初期に立ち返る”というのが、何とも意味深に感じるのは私だけでしょうか。

タイトルの”絶滅写真”は、作家としての終わりも示していると話しました。

杉本博司はもうすぐで80歳を迎えるわけで、もしかしたら””を意識しての事かもしれないですね。

そう思うと、なんとも物寂しく感じるのは私だけでしょうか!?

 

「放電場 138」(2009年)杉本博司

「放電場 138」(2009年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

そして今回私が最も惹かれた放電場シリーズです。

フィルムの現像の際、暗室では微妙な温度差によって静電気が発生する事があるそうです。

フィルムに静電気が帯電し、放電する時の火花によってフィルムを痛める事も!
(私はあまり写真については詳しくないので、もしかしたら違っているかもしれませんが…。)

「放電場」シリーズは、放電現象をあえて逆手に取った作品なわけです。

 

「放電場 227」(2009年)杉本博司

「放電場 227」(2009年)杉本博司

・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

何とも斬新な作品だと思いませんか!?

銀塩写真ならでは!と言ったところでしょうか。

「放電場」シリーズを観たら銀塩写真の終焉はないだろうな~と思うのですが、あなたはどう思いますか?

 

「杉本博司 絶滅写真」の展示風景より

「杉本博司 絶滅写真」の展示風景より

…という感じの杉本博司  絶滅写真でした。

全体を通して言えるのは、作品の根底に”コンセプト”があるからか、非常に深みのある内容だったな~と。

個人的にはとても面白い展覧会だったと思います。^^

 

 

さらに!!

東京国立近代美術館の所蔵品ギャラリーで展示の”杉本博司”作品

サテライト展示という形で、所蔵品ギャラリ-3階でも杉本博司の作品が展示しています。

東京国立近代美術館所蔵の作品と未公開資料「スギモトノート」が展示!!

作品的には小さいですが、「杉本博司 絶滅写真」展を観終わった後の余韻!としても楽しめると思うので、コチラもお忘れなく!

 

東京国立近代美術館で、「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。
杉本博司  絶滅写真」展ですが、2026年9月13日まで開催します。

興味のある方は、ぜひ”東京国立近代美術館”へ!!

開催概要は以下に載せています。

 

 

 

「杉本博司 絶滅写真」の開催概要

東京国立近代美術館で開始の展覧会「杉本博司  絶滅写真」

 

心の開催概要は以下になります。

杉本博司 絶滅写真の開催概要

・会期:2026年6月16日(火)~9月13日(日)
・場所:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1)

・時間:10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
・休館日:月曜日(7月20日は開館)、7月21日(火)

・観覧料:一般は2,300円(2,100円)、大学生は1,200(1,000円)、高校生は700円(500円)
 ※()内は20名以上の団体料金
 ※中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料

※今展は”基本撮影可能”となっています。

 

今回のレビューを参考にして、ぜひ観に行くのもイイと思います。

興味のある人はぜひ!!

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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