
美術鑑賞をしていると、たまに”??”と思う用語に出くわす事があります。
今回紹介する”デカルコマニー(décalcomanie)”もその一つ。
意味は「転写法」となり、特にシュルレアリスムの画家たちの間で使用された技法でした。
今回は”デカルコマニー”について、私なりに分かりやすく解説していこうと思います。
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【 目次 】 ・”デカルコマニー(Decalcomanie)”って何だろう!? |
”デカルコマニー(Decalcomanie)”って何だろう!?

シュルレアリスムの画家たちの間で使用されていた技法に”デカルコマニー(décalcomanie)”があります。
意味は「転写法」で、フランス語の「décalquer」を由来としています。
では、どんか技法?かというと…
実はやり方は至ってシンプル!
絵具を紙と紙で挟み込み、圧力を加えると絵具は押しつぶされて広がります。それから紙を剥がしてみると、押しつぶされて広がった絵具の模様が紙に転写される。
これが”デカルコマニー”と呼ばれる技法で、作者の意図しない”偶発的な模様”を得る事が出来るとされていました。
シュルレアリスムは無意識の世界を表現しようとする芸術運動なので、画家の意図や思考を排除するための手法として”デカルコマニー”が使用されていたわけです。
(とはいえ、絵具の盛り方である程度の模様のコントロールは出来るので、厳密に”完全に偶発的な模様”とは言えないわけですが…。)
デカルコマニーの歴史
さて、歴史についても触れてみようと思います。
デカルコマニーはシュルレアリスムの画家たちの間で使用された絵画技法ですが、元々は紙に描いた絵を陶器やガラスに絵付けするための技法でした。
それを1930年頃に、画家”オスカル・ドミンゲス(Óscar Domínguez)”が絵画の技法として取り入れたのが始まり。
その後多くのシュルレアリスムの画家たちが、オートマティスムの手法として”デカルコマニー”に注目し広まっていったという経緯。
現在デカルコマニーを多用した画家で知られているのが、ドイツ人画家”マックス・エルンスト(Max Ernst)”や、スペインの画家”サルバドール・ダリ(Salvador Dalí)など、また日本では”瀧口修造”などもいます。
デカルコマニー décalcomanie(仏)
「転写法」の意。ふつうは、陶器、ガラスなどに特殊な紙に描いた絵を移し染める技法を指すが、現代美術ではシュルレアリストが応用したオートマティック(オートマティスム)な絵画技法をいう。紙に絵具を塗り、二つ折りにするか、別の紙を押しつけてはがすときに生じる偶然の形態の効果に注目した手法で、ドミンゲスやエルンスト以来、ひろく用いられている。日本でも瀧口修造の作品などが知られている。
・出典元:『新潮 世界美術辞典』
デカルコマニーの鑑賞方法、楽しみ方!
デカルコマニーは偶発性を伴った模様です。
それゆえ、”何が描かれているのだろう?”と思う模様ばかりです。
写実的な絵画や印象派とは違うので、どうやって鑑賞すればいいのだろう?と思うのも当然でしょう。
でも、鑑賞方法も至って簡単!?
何が描かれているか分からないわけだから、観る側にとっても模様の見え方は様々。
つまり鑑賞方法も様々で、どう解釈したってイイわけです。
色の混ざり具合や形の変化を観察するのも面白いし、模様から”○○に似ているな~”と創造力を働かせて鑑賞するのもイイ。
デカルコマニーは観る人に、創造力を拡大させる効果がある!と言われるのはこういった理由から。
とりあえず何も考えずに、転写された模様を観察してみる事から始めてみるとイイでしょう!
…
すると、何か面白いものが浮かんでくるかもしれませんよ!^^
さらなるデカルコマニーの進化?

デカルコマニーには、さらなる進化?があります。
偶発的に誕生した模様に、画家が手を加えて描いた!というわけです。
画家が手を加えている時点で、作品の偶発性は薄れてしまっているだろうけど、独自性という意味では高まっていると思います。
その最たる例として、こんな興味深い動画がありました。↓
「Impermanence of Form(形態の移り変わり)」
デカルコマニーを基にして、発展させた絵画と言ったところでしょうか。
画家が模様に手を加えている様子と、形態が徐々に変化する様を鑑賞する!!
これは実に見ごたえのある作品だろうと思います。
動画公開が一般化してきた現在だからこそ!の作品と言ったところでしょうか。
非常に興味深いし、私は釘付けになって魅入ってしまいました!^^
ぜひご覧あれ!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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