- 2023-1-21
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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「湖畔」や「読書」「智・感・情」と言えば、日本を代表する洋画家”黒田清輝(くろだせいき)”の代表作です。
教科書にも載るくらい、誰もが知っている絵画作品です。これらが無料で観れるとなれば、人だかりになってもおかしくないのに…、と思うのは私だけでしょうか?例えるなら、雑誌に載っている芸能人と会うようなものですからね。
展示される場所は、上野の東京国立博物館からすぐの「黒田記念館」特別室です。ただ注意してほしいのは、特別室が開放される期間が限られているという事!
【 目次 】 ・「黒田記念館」の特別室開室日はいつ? |
ここでは特別室の開室日(期間)や黒田清輝について分かりやすく解説していくので、参考にしてもらえると幸いですね。
「黒田記念館」の特別室開室日はいつ?
洋画家”黒田清輝”の代表作「読書」「湖畔」「舞妓」、そして「智・感・情」。これらのほとんどは現在”重文(重要文化財)”に指定されています。国宝や重文は、作品保護の観点から展示期間など事細かい決まりがあります。
だから”「黒田記念館」に行ったはいいものの、見れない…”といった最悪の事態もある。前もっていつ展示されるのかは知っておく必要があるわけですね。
・98.2×78.8cm、カンヴァスに油彩、東京国立博物館所蔵
これは教科書で目にした人も多いのでは??もちろん、この「読書」という作品も特別室に展示される作品です。詳しくは、黒田清輝の代表作「読書」と絵のモデルは?で解説しています。
作品の展示期間は「黒田記念館」の公式サイトでも確認はできますが、せっかくこのブログを見てくれているわけですから!まずは展示期間についてお話ししようと思います。
黒田記念館 「特別室」開室日
※開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで |
見ての通り、かなり限られた期間しか公開されないのが分かると思います。
新年と春、秋の年3回に各2週間ずつしか公開しない。しかも開館時間は基本17時まで!普段仕事をしている人だったら、まず平日は難しいでしょうね…。となれば、休日しかない!
先ほどの例えじゃないですが、”雑誌の載っている芸能人に会いに行く!”と考えれば、ある程度は余裕はある日程ですけどね。しかも入場料無料で「読書」「湖畔」「舞妓」、そして「智・感・情」と出会えますから。これは見ないと勿体ない!
東京国立博物館に行った次いでに、行くのもイイと思います。
ところで「黒田記念館」はどこにあるの?場所は??
ところで、「黒田記念館」の場所ってどこなのだろう??
意外と知らない人もいる様です。というか、建物の存在自体知らない人も結構いるみたいですね。
先ほど”東京国立博物館(トーハク)に行った次いでに!”と話しましたが、場所的にはトーハクからすぐの場所にあります。歩いて5分もしない距離かな?
【 東京国立博物館 黒田記念館 】 ・住 所 :東京都台東区上野公園13−9 東京国立博物館内 |
とにかくトーハクを正面に見て、左に真っすぐ「東京芸術大学」方面へ進めば右側に見えてきます。「上島珈琲」が見えてきたら、その横が「黒田記念館」になります。
建物自体は”岡田信一郎”設計によるもので、まるで昔ながらの洋館と言った感じでしょうか。一時”改修工事”で閉館していた時期もありましたが、現在ではこの姿で建っているので一目で分かると思います。よっぽど方向音痴でない限り、道に迷う心配はないでしょうね!
”入口”を入ってすぐにスタッフの人がいて、笑顔で迎え入れてくれると思います。別に入場料を取ったりはしませんから、ご安心を!!
「特別室」は階段を昇って2階のすぐ左になります。この記事を書きながら初めてこの部屋に入った時の事を思いだしましたが、まさに鳥肌ものでした。^^ 教科書で見ていた作品を間近で目にしたわけですから!
でもなぜだろう??
意外と空いているのにビックリした記憶があります。
その時思った事は”これを見ないのは勿体ないな~”と。同時に”もしかしたら「黒田記念館」って、あまり知られていないのかな?”と。別に入場料が無料だから行こう!という訳ではないですが、教科書のも載っているくらい有名な作品ですから、日本人なら一度は見てほしいですよね。
洋画家”黒田清輝”について、簡単に解説!
教科書にも載っているくらい有名な洋画家”黒田清輝”です。でも、意外とよく知らない人も多いのではないでしょうか??
という私も、最初はよく知りませんでしたが。確かに学生の時は習った記憶はあったけれど、ほとんど”半睡(はんすい)”の様な状態でしたからね。※半睡:半ば眠った状態、もしくは意識が朦朧としている様。
別に改めて勉強しましょう!というわけではないですが、せっかく行くなら最低限は知っておいた方がイイと思います。ここでは参考として、『新潮 世界美術辞典』の解説を挙げてみたいと思います。
黒田清輝(くろだせいき)
慶応2.6.29ー大正13.7.15(1866ー1924)洋画家。
号は水光。黒田清兼の子として鹿児島に生れ、東京で没。伯父の小爵黒田清綱(1830ー1917)の養子となって上京し、東京外国語学校でフランス語を修めた。明治17年(1884)パリに留学、法科大学に入学したが、洋画の研究に転じてラファエル・コランに師事した。同26年帰国、翌年久米桂一郎と天真道場を設立し後進を指導。同29年白馬会を結成し、その外光派風の画風は大きな影響を与えた。同年東京美術学校西洋画科の指導者に推され、没するまで長いあいだ教育にあたった。この間、同33ー34年ふたたび渡仏。文展の創設に尽力し、その審査員として活躍。同43年には洋画家として最初の帝室技芸員を命じられた。大正8年(1919)帝国美術員会員となり、のち院長をつとめた。晩年は貴族院議員としても活躍し、海外との文化交流に尽した。代表作は『読書』(1890ー91)、『舞妓』(1893、ともに東京国立博物館)、『朝妝(ちょうしょう)』(1893、焼失)、『湖畔』(1897、東京国立文化財研究所)など。東京国立文化財研究所内に黒田記念室が設置されている。
・出典元:『新潮 世界美術辞典』
この中で特に押さえてほしいワードは、何といっても”外光派”でしょう!
”外光派”は字のごとく、”屋外の自然光の下で作品を制作しようとした動き”となります。19世紀頃になると、私たちのよく知る”印象派”がありますが、これに近い感じと言った方が分かりやすいと思います。自然光を表現しようとした画風というわけで、全体的に明るい作風が多いのが特徴。もちろん外で絵画制作されたわけで、風景画が多いのはそのためです。
・69.0×84.7cm、カンヴァスに油彩、東京国立博物館所蔵、重要文化財
実際、黒田清輝の風景画はどれも明るいものが多いですしね。その最たる例が、代表作の一つ「湖畔」になるかと思います。まるで”水彩画”の様な透明感は、印象的ですよね。ちなみに絵モデルは”金子たね”という女性で、後に黒田清輝の妻(黒田照子)になった人です。ここまで透明感溢れる感じで描かれたら、モデルの女性もさぞ嬉しいでしょうね。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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