R・ドローネーの描く『パリ市』『 エッフェル塔』が純粋にイイ!と思える。

エッフェル塔

 

ロベール・ドローネーの代表作に、「パリ市」と「エッフェル塔」の2大シリーズがあります。

 

オシャレなパリの街並みを、プリズムの様な明るい色彩観で表現する!

まさにドローネーにしか描けない代物でしょうね。

ただ作品を眺めているだけでも、純粋にイイ!と思えるくらいですから、私から言わせれば傑作と言っても過言ではないかと。

今回は特に解説や説明を加えず、私の率直な感想を交えながら、純粋に作品を楽しんでいこうと思います。

 

目次 】

ロベール・ドローネーの代表作「パリ市」を観てみよう!
絶対に外せない傑作「エッフェル塔」を観てみよう!
最後に、パリの空気感を描いた一枚!

※参考:キュビスムと抽象絵画の架け橋的な画家”ロベール・ドローネー”を解説!

 

 

 

 

ロベール・ドローネーの代表作「パリ市」を観てみよう!

パリの街並み

鮮やかで明るい絵が好きな私にとって、R・ドローネーの画風はとても相性がイイのかもしれない。

一般的にキュビスムを代表する画家と言われているけれど、代表作「パリ市」を観ているとちょっと違う様にも思えてしまう。先日ロベール・ドローネーの解説!でも話した様に、私の解釈では”キュビスムと抽象画の架け橋的な画家”という認識です。

 

「パリ市(The City of Paris)」(1910‐1912年)ロベール・ドローネー

「パリ市(The City of Paris)」(1910‐1912年)ロベール・ドローネー

・267×406cm、カンヴァスに油彩、ポンピドゥーセンター所蔵

キュビスムと言えばピカソやジョルジュ・ブラックが挙げられますが、彼らの作品は比較的モノクロでした。暗いというか、地味な画風が特徴だったのです。

それと比べると、R・ドローネーの「パリ市」は似ても似つかない感じです。確かに構図は似ているけれど、色彩観においては全くの別物ですから!

 

「パリ市」(1910‐1912年)ロベール・ドローネー

「パリ市」(1910‐1912年)ロベール・ドローネー

※大画面でどうぞ!

 

 

「パリ市(The City of Paris)」(1911年)ロベール・ドローネー

「パリ市(The City of Paris)」(1911年)ロベール・ドローネー

・119.5×172.2cm、カンヴァスに油彩、トレド美術館所蔵

描かれているのは、パリを象徴するエッフェル塔とセーヌ川、そして三美神。オシャレなパリの街並みを、まるでプリズムの様な色彩で描いた作品です。

純粋に美しいな~と、魅入ってしまう。ルノワールの芸術観ではないですが、やっぱり芸術は美しいに限る!と思いますね。^^

 

「パリ市」(1911年)ロベール・ドローネー

「パリ市」(1911年)ロベール・ドローネー

※大画面でどうぞ!

別にピカソやブラックのモノクロ的キュビスムを、良くないと言っているわけではありません。

多視点を平面のカンヴァスに表現するという、斬新な画風というかアイディアというか。こういった新しい芸術を作り上げた彼らの気質は、やっぱり凄いですよね。

でも明るい画風が好きな私にとっては、モノクロ的キュビスムがちょっと合わないというだけの事。少なくともピカソやブラックのお陰で、R・ドローネーの鮮やかさは映えると思っていますから。

 

 

 

 

絶対に外せない傑作「エッフェル塔」を観てみよう!

エッフェル塔

ロベール・ドローネーを語る上でどうしても外せないのが、代表作エッフェル塔(Eiffel Tower)シリーズです。

 

私の調べた限りでは、10点ほど描いている様ですが、でも他の作品にもチラホラとエッフェル塔らしきシルエットが!

 

そう考えると、一体どれほどの作品にエッフェル塔が登場しているのだろう!?

作品が描かれた背景は、パリで開催された「万国博覧会」のパビリオンのためだったそうです。当時エッフェル塔が、パリを象徴する建物だったというのが分かります。

 

「エッフェル塔」(1909‐1910年)ロベール・ドローネー

「エッフェル塔」(1909‐1910年)ロベール・ドローネー

・116×81cm、カンヴァスに油彩、カールスルーエ州立美術館所蔵

こちらはモノクロ重視で描かれた「エッフェル塔」です。

 

「赤いエッフェル塔」(1911年)ロベール・ドローネー

「赤いエッフェル塔」(1911年)ロベール・ドローネー

・125×90.3cm、カンヴァスに油彩、グッゲンハイム美術館所蔵

カンヴァスにデカデカと描かれたエッフェル塔!

鮮やかな色彩もそうですが、なにより大胆な構図が目を惹きます。

分かりやすく言えば、キュビスムは面と面を組み合わせた感じの画風です。巨大なエッフェル塔を描くには、最適な技法なのかもしれないですね。

 

 

「エッフェル塔」(1922年)ロベール・ドローネー

「エッフェル塔」(1922年)ロベール・ドローネー

・178.1×170.4cm、カンヴァスに油彩、ハーシュホーン博物館

とにかく、このザ・エッフェル塔!と言った構図は、宣伝広告としても使えそうです。

画風が鮮やかですから、広告との相性もイイでしょうね。

 

私の考え
これは私の願望ですが、近い将来「エッフェル塔展」の様な絵画展があったら、間違いなく行ってみたいものです。

神話画や宗教画、寓意画など奥深い作品も確かにイイです。でも純粋に眺めるだけでもイイ!と思える。これって、最高ですよね。^^

 

 

 

最後に、パリの空気感を描いた一枚!

「空気、鉄、水(Air、Iron and Water)」(1937年)ロベール・ドローネー

「空気、鉄、水(Air、Iron and Water)」(1937年)ロベール・ドローネー

・49.8×85.4cm、カンヴァスに油彩、個人蔵

締めに紹介したい作品は、「空気、鉄、水(Air、Iron and Water)」。

パリの雰囲気や空気感を、抽象的に表現した作品です。

鮮やかでありながら、所々に重々しさも感じられる。明るい色と暗い色を上手く融合させた感じは、色彩を研究したR・ドローネーならではと言ったところでしょうか。

 

パリの街並み

上の画像を見ても分かりますが、実際のパリの風景も美しいです。

でも、鮮やかな色彩で表現されたパリもまた美しい!

私的には、ドローネーにも”色彩の魔術師”という異名を与えたいくらいです。

 

それにしても、絵画ってイイものだな~と。つくづく思いますね。^^

 

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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