- 2024-7-7
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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フレンチカンカンと言えば、真っ先に名が挙がるのが”トゥールーズ=ロートレック”です。
キャバレーを題材にした作品を数多く手がけている事からも、ロートレック一択で間違いないでしょう!
というわけで、今回はロートレックの作品を深く味わうための予備知識として、絵画や映像を通して”フレンチカンカン”について解説していこうと思います。
”フレンチカンカン”とはどんなダンスなの!?
絵画でも頻繁に描かれるわけですから、”フレンチカンカン”についてちょっとは知っておくのもイイかと思います。
というか、知っていた方がより作品の深みも増すというもの。
フレンチカンカン(French cancan)
1890年代にロングスカートやペチコート、黒ストッキング等の衣装を着用した女性ダンサーが上演するショーダンス。ハイキックでスカートを捲りあげたり、挑発的な動きによる動きが特徴のダンス。フランス本国ではカンカン(cancan)と呼ばれています。
代表的なものとしてジャック・オッフェンバックの「地獄のオルフェ」で流れる曲「地獄のギャロップ」とのダンスは特に有名。
・Wikipediaの解説を参考に、私なりに分かりやすく解説。
自前のアート系の辞書では載っていなかったので、Wikipediaの解説を参考に解説してみました。
映像を見ても分かる様に、アクロバティック要素があるセクシー系ダンスという感じです。
ちなみにペチコート(Petticoat)は、スカートの下に着用する下着の様な物。下着やスカートをまくり上げたりする挑発的な動きが特徴で、子供に見せるには過激すぎる内容かと思います。
・115.6×149.9cm、カンヴァスに油彩、フィラデルフィア美術館
ちょっとアクロバティックでセクシーで、しかもリズミカルで観ていて楽しいダンス。ロートレックがカンカンダンスを鑑賞しながら、夢中になって絵を描いていたのも頷けますね。
・31×49cm、カンヴァスに油彩
元々カンカンダンスは、1830年頃のモンパルナス(パリ)にあった労働者階級の舞踏場で披露されたダンスだったそうです。それが時代と共に過激に曲芸的になっていったわけです。
ちょっと余談になりますが、カンカンダンスはベリーダンスにも似ている感じがしませんか?
私はたまにベリーダンスが観れる店に行く機会がありますが、まさに要素的には通じる部分があると思っています。ベリーダンスはそこまでアクロバティック要素はないですが、セクシー系ダンスという点では共通するからです。
私の様な男からすれば、少なからず下心目線で鑑賞している節はあるけれど、でも純粋に観ていて楽しい!というのもある。ひと昔前のキャバレーに通っていた紳士たちも、おそらく私と同じ感じだったのかな?と思うと、いつの時代になっても”本質”は変わらないのかな~と。
ちょっと話を芸術目線に戻しますが、風景や静物を描くより動いているものを描く方がより難しい!と私は思っています。動いている光景の一瞬を、平面で表現するわけですから。
そう考えるとロートレックって本当に絵が上手かったのが分かります。
ロートレックの作品はどれも平面的だけれど、でも”妙に臨場感”が感じられる。キャバレーの雰囲気がそのままカンヴァスに表現されているというわけです。これはロートレックならではの高い画力でしょうね。
今回カンカンダンスについて簡単に解説してきましたが、何となく理解できましたか??
絵画鑑賞はただ作品を見るだけでも楽しいですが、背景知識もあった方がより楽しめる!というもの。特にロートレックの絵は臨場感や生々しさが感じられるだけに、カンカンについて知っていた方がより深みも増してきます。
現在新宿にあるSOMPO美術館で「ロートレック展」が開催しています。
今回をきっかけに行ってみるのもイイと思います。
【 「フィロス・コレクション ロートレック 時をつかむ線」の開催概要 】 ・会期:2024年6月22日(土)~9月23日(月) ・時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで |
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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