キリストの降誕祭”クリスマス”に観たい作品を3点選んでみました。

キリストの誕生とベツレヘムの星

 

クリスマスは”降誕祭”、つまりキリストの誕生を祝い日というのは知っていますか?

 

一昔前の僕らだったら、”恋人たちのクリスマス”というイメージがあったもの。でも今の様に美術が好きになった私からすると、当然の如く知っている事実なわけです。

キリストの降誕祭ですから、「キリストの誕生」や「聖母子」、そして「東方三博士の礼拝」などが、西洋画でもよく描かれる題材に挙げられるでしょうか。

 

”宗教画”は日本人にとってちょっと敷居が高く感じられるジャンルではあるけれど、でも知れば非常に面白いものだったりします。

今回は”クリスマス”つながりから、宗教画に触れてみよう!という趣旨で、私が思う魅力的な名画3つを挙げて解説していこうと思います。

 

目次

1、サンドロ・ボッティチェリの「キリストの誕生」
2、ラファエロ・サンティの「聖母子」
3、ジョットの「東方三博士の礼拝」

(参考)サンタクロースの起源”聖ニコラウス”を、美術視点で解説!

 

 

 

 

1、サンドロ・ボッティチェリの「キリストの誕生

「神秘の降誕(Mystic Nativity)」(1500‐1501年頃)サンドロ・ボッティチェリ

「神秘の降誕(Mystic Nativity)」(1500‐1501年頃)サンドロ・ボッティチェリ

・108.6cm×74.9cm、カンヴァスに油彩、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

まず”降誕”を描いた作品と言ったら、私の中では「神秘の降誕(Mystic Nativity)」が真っ先に思い浮かびます。

巨匠ボッティチェリの作品だからもありますが、何より構図が唯一無二だからでしょうね。

 

聖母マリアや三博士に祝福される形で描かれる作品が多い中、ここまで多くの天使たちに祝福されている作品って他にあるだろうか!?

 

・・・

私の知る限りでは、他には思い当たらない。

まさに”生誕祭”という名にふさわしい作品だと思いませんか?

 

「神秘の降誕(Mystic Nativity)※detail」(1500‐1501年頃)サンドロ・ボッティチェリ

「神秘の降誕(Mystic Nativity)※detail」(1500‐1501年頃)サンドロ・ボッティチェリ

・カンヴァスに油彩、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

名画「神秘の降誕」は、多くの天使から祝福されているので、見ても分かる通り非常に賑やかな作品です。

でもよ~く見ると、不気味な姿が描かれているのも気になるかと思います。両端の下に、悪魔らしき者が描かれているからです。

もちろん、これにはちゃんとした意味があります。

 

の上部に記された文章から~

私サンドロがこの作品を制作したのは、1500年の末、つまりイタリアが混乱期にあった時代でした。この混乱期は『ヨハネの福音録』11章にもある第二の災いと重なり、約3年半にわたって悪魔が野放しになる時期。その後は12章でも書かれている様に、悪魔が鎖に繋がれ、葬られるであろう”と。

 

単にキリストの誕生を祝っている場面を描いた作品ではない。

当時の暗い時代背景を交えながら、将来的に救われていく世界を、キリストの誕生と重ねて描いているのが分かるかと。

一見華やかに見える作品ですが、実は知れば知るほど深みが出てくる作品「神秘の降誕」。これも名画と言っても過言ではないと思います。

 

 

 

2、ラファエロ・サンティの「聖母子

「大公の聖母」(1506年頃)ラファエロ・サンティ

「大公の聖母」(1506年頃)ラファエロ・サンティ

・84.4×55.9cm、パネルに油彩、ピッティ宮殿所蔵(フィレンツェ)

キリスト降誕”と聞くと、私の中でどうしても聖母マリアとイエス・キリストを描いた作品は外せません。

もちろん”聖母子”も西洋画ではよく描かれる題材で、探してみると本当に数えきれないくらいの絵が出てきます。でも私の中では、もう紹介したい作品は決まっていますね!

ラファエロ・サンティの「大公の聖母」一択になります。

 

「大公の聖母(detail)」(1506年頃)ラファエロ・サンティ

「大公の聖母(detail)」(1506年頃)ラファエロ・サンティ

・パネルに油彩、ピッティ宮殿所蔵(フィレンツェ)

「大公の聖母」が何よりイイ理由は、何といっても聖母マリアの複雑な母性が描かれているから。

私の解釈にもなりますが、キリストの誕生を喜ぶ気持ちと、将来的にキリストの身に降りかかるだろう不幸を悲観する気持ち。この複雑な母親の気持ちがマリアの表情に凝縮して描かれている様に見えるからです。

以前日本でも公開された作品ですが、私はこの「大公の聖母」を見た瞬間震えましたね!!これほど凄い作品って他にはない!と思ったくらいですから。

今後日本にやって来る機会はあるかどうかは分かりませんが、私の中では死ぬまでにまた観たい!と思っている作品の一つです。

私が思うに、巨匠ラファエロの作品の中で、一番の名画と言っても過言ではない!と。

 

 

 

3、ジョットの「東方三博士の礼拝

「東方三博士の礼拝」(1303‐1305年)ジョット・ディ・ボンドーネ

「東方三博士の礼拝」(1303‐1305年)ジョット・ディ・ボンドーネ

・200×185cm、フレスコ画、スクロヴェーニ礼拝堂

3つ目に挙げたいのが、「東方三博士の礼拝」です。

多少でも西洋画を知っている人なら、どういう意味かは分かると思います。キリストの誕生を知らせる星(ベツレヘムの星)の輝きに導かれて、東方から3人の博士が祝福しにキリストの元へやって来る話です。

実は三博士の特徴や人物名など解釈も様々あるので、ここでは割愛しますが、”キリストの生誕”を語る上では絶対に外せないと題材だと思います。

 

Christmas Tree
それに意外と知られていない様ですが、クリスマスツリーとも非常に深い繋がりもあったりします。

ツリーの上部にある”星飾り”は、キリストの誕生を知らせる”ベツレヘムの星”を表わしているからです。普段何気なく飾りつけしているツリーですが、意味を探っていくと、キリストと深い繋がりがあるのもオモシロイですね。

 

 

考え

現在の僕らが持っているクリスマスのイメージは、”ワイワイ楽しく!”が一般的かもしれませんが、あながち間違いではないと思っています。だって”生誕を祝うお祭り”の様なものですから。

 

ただ何に対して祝うのか?は知っていてほしいと思います。

少なくとも、”恋人たちのクリスマス”というイメージだけで終わってほしくはないですね。

 

クリスマスをきっかけに、宗教画にちょっと触れてみましたが、どうでしたか?

何事もきっかけが大事ですからね!

(参考)サンタクロースの起源”聖ニコラウス”を、美術視点で解説!

 

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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