- 2023-1-24
- Impression (絵画展の感想), Museum (美術館について)
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”死ぬまでに、一度は行ってみたい!”美術館に、徳島県鳴門市にある大塚国際美術館が挙げられます。
でも大塚美術館は一風変わった美術館で知られています。世界26か国、190の美術館から名画約1000点を所蔵していて、しかもほとんどが陶板作品を展示しているのが特徴。規模もさることながら、すべて陶板レプリカという点からして、普通の美術館とは一味も二味も違うのが分かると思います。普段、美術館に行く私でさえ、最初はどうやって楽しもうか?と心配したものです。芸術に詳しくない人だったら、なおさらどうやって楽しもうか悩むだろうと思います。
せっかく時間と高いお金を払って鑑賞するわけですから、楽しまないと本当に損ですよね!?今回は私の実体験を元に、鑑賞のポイントなどを話していこうと思います。
大塚国際美術館は、どんな美術館なのだろう?
まずは大塚美術館がどんな場所なのか?これから話していこうと思います。冒頭でも話しましたが、大塚美術館は一風変わった美術館として知られています。
世界26か国、190の美術館から名画約1000点を所蔵していて、しかもすべてが銅板による名画作品!!公式HPで調べてみても、”世界の名画に出会える美術館”というコンセプトと、”世界26か国の西洋名画を銅板で原寸大再現”と謳っています。良くも悪くもレプリカの良さを最大限に活かした演出をしているのが分かりますね。
確かに実際に行ってみると分かりますが、普通ではあり得ない演出は見物です!例えばシスティーナ礼拝堂の天井画と壁画の原寸再現は、圧巻!現地のバチカンに行かないと見れないものが、日本で見れるからです。他には、スクロヴェーニ礼拝堂や聖テオドール聖堂の再現もあるし、日本に居ながら世界を旅行した気分を味わえるのはイイですね!
ちなみに、個人的に”ゴッホの7つのひまわり”という部屋は、洒落た演出だな~!!という感想です^^。 すでに存在しない作品が原寸大で再現されているのは、本当にオモシロい!!まさにレプリカならでは演出だと思います。
ところで、”陶板名画”って何!?
大塚国際美術館は、本物ではなく”陶板名画”を所蔵した一風変わった美術館です。
陶板?よく分からない人も多いだろうと思います。私も行く前はよく知らなかったので…。実は陶板を、レプリカだと思っていたくらいですから。もちろんレプリカでも間違いはないんでしょうけど、制作過程を調べていくと、レプリカと呼ぶにはちょっと失礼だな~と思ってしまいます。
陶板名画とは?
簡単に言うと、本物の名画を陶器の板で忠実に再現したものです。名画の大きさも色彩も忠実に再現しているわけです。でもここで大事なポイントは、陶器なので紙やカンヴァスに描かれた絵と違い、経年劣化しない(しにくい?)のが特徴です。
さて、陶板名画の制作過程を簡単に説明すると、①陶器の板に転写⇒②焼成(高温で焼いて、硬い石質にする)⇒③レタッチ(手を加えたり、加筆修整する)⇒④焼成という工程を経ています。陶器を作る工程とほぼ同じわけです。
でも陶器は大型になればなるほど、作るのが難しい。焼成の工程で歪みや割れが出やすいそうです。現在、陶板名画を制作しているのが大塚オーミ陶業という会社。高い技術力によって完成させたというわけですね。こう見ていくと、陶板名画はレプリカではあるけれど、ある意味”陶器”という芸術品と言っても過言ではない!私がレプリカと言うにはちょっと失礼と言った理由はこのためです。
本物の名画だったら、年数と共に劣化したり、色も変化していきます。でも経年劣化しない陶板だからこそ、名画の色彩を100年後も200年後もそのまま残せる。もしくは1000年後も2000年後も残せるかもしれないわけです。それに陶板レプリカなので、触ったり気楽に撮影が可能なのも魅力!本物ではないので、寄り添った鑑賞が出来るのは、やっぱり陶板ならではの醍醐味でしょうか。(現在はコロナのため、触るのは禁止のようです。)
そして、陶板レプリカの最大の魅力は、何よりも普通ではありえない演出が出来る事!正直言って、行く前はどうやって楽しもうかちょっと心配な点もありました。でも行ってみると、その心配は不要!思った以上に演出が素敵だったので、気が付けば時間があっという間だったのです。だから、芸術の知識があるなしは関係ないわけです。
おそらく一番多いだろう悩み…
芸術に詳しくない人でも、楽しめるのか?について、以下で話していこうと思います。
芸術に詳しくなくても、楽しめるのだろうか!?
大塚美術館はすべてが陶板レプリカ作品展示という一風変わった美術館。普段美術館に行き慣れた私でさえ、最初はどうやって楽しもうか心配でした。それだけに、芸術に詳しくない人だったら、なおさら楽しめるのか不安に思うでしょうね。
でも安心してください!
というか、大塚美術館は私みたいな”芸術好きな人間”よりも、あまり詳しくない人の方が楽しめる!と思うから。
なぜか??
1、陶板レプリカだけに、ハードルが低い!から。
陶板名画は良くも悪くもレプリカです。先ほど陶器と同じ様に芸術だと言いましたが、でもやっぱりレプリカです。本物ではありません。というわけで、名画ではあるけれど、触れたり撮影がOKだったりするわけです。(最近はコロナの影響で触るのは禁止の様です。)
本物の名画となれば、作品保護のため多くは撮影禁止だったりします。最近はフラッシュがなければOKだったりしますが、まだまだ出来ない作品が多いのが現実。ましてや触るなんてほぼ不可能です。しかも私みたいに芸術に多少なり詳しくなると、あの画家の名画だ!となると、ちょっと臆してしまうことだってあります。
でも芸術に詳しくないと、そういった先入観もないわけですし、良くも悪くもフラットな姿勢で陶板名画と向き合えます。これって大塚美術館では、メリットだと思います。
というわけで、大塚美術館では気楽にしてほしいと思います。別に芸術を知ってなくても、楽しめる造りになっているから!そして、イイな~と思う作品があれば、気楽に写真を撮ってほしいと思います。
2、大塚美術館は美術館というより、観光地!?だから。
大塚美術館は世界の名画を再現した美術館です。もちろん日本でも有名なモネやルノワール、ゴッホ、ダ・ヴィンチの作品も展示しています。それからカルロ・クリヴェッリやフランツ・マルクの作品もあります。私的には好きな画家ですが、如何せん日本ではあまり知られていない画家。この画家の作品まで楽しもう!と言っても、芸術に詳しくない人にとってはちょっと難しいでしょうね。
でも大塚美術館は美術館でありながら、私的には娯楽観光地という位置付けです。システィーナ礼拝堂やスクロヴェーニ礼拝堂と言った世界的な名所の雰囲気を味わえる施設があったり。クイズコーナーや庭園、インスタ映えする様な撮影スポットもあちこちにあります。もちろん写真撮影は自由!
美術館でありながら、娯楽観光地と言う感じなので、芸術に詳しくない人でも、気楽に楽しめるのがイイと思います。
一歩高みを目指した陶板鑑賞をしたいなら!!
さて、いくら芸術に詳しくなくても、もちろん全くないよりは多少あった方が楽しめる。そんなわけで、ちょっと踏み込んだ鑑賞をしたい人は、こういった予習もイイのでは?と思います。
「大塚美術館のオリジナル図録100選」を前もっと購入し、予習してから美術館に行くのもアリ!だと思います。主要な作品100点が一冊にまとめられています。通販で購入できるので、もし時間的余裕があるなら、参考に!
大塚美術館は、陶板名画を所蔵した普通とは一味も二味も違った美術館です。でも誰もが楽しめる造りになっている、ある意味”観光地”っぽい場所なので、誰でも楽しめる美術館になっています。あまり臆する事なく、気楽に楽しんでももらいたいと思います。さて、今回の話で多少なり心配事が消えたなら、ぜひ足を運んで行ってほしいと思います。場所は徳島の鳴門市にありますよ!!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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