- 2020-6-6
- Artist (画家について), Artwork (芸術作品)
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必ずしもタイトルが正しいとは限らない!?
今私たちが目にしている作品が、
本来の絵の姿とは限らないのです。
絵画は時として私たちを騙す事だったあるのです!
このレンブラントの代表作もその一つ!!
レンブラント・ファン・レイン「夜警」(1642年)
・363×437cm、カンヴァスに油彩、アムステルダム国立博物館所蔵
このレンブラントの絵は一般的に”夜警”と呼ばれています。
つまり正式なタイトルではないのです。
この「夜警」は18世紀頃に付けられたもの。
本来は「バニング・コック隊長率いる火縄銃組合の人々」だったり、
「フランス・バニング・コック隊長と副官ウィレム・ファン・ラウテンブルフの市警団」
この様に呼ぶ方がよりタイトルとしてはふさわしいのかもしれません。
なぜ「夜警」など様々な呼び名があるの!?
この絵が描かれたのが1642年。
当時絵画にタイトルは付けなかったと言われています。
展覧会などで展示するために画家がタイトルを付ける場合もあったのですが、
それは19世紀になってからだと言われています。
元々正式なタイトルがなかった事から、
その後の解釈などで様々なタイトルが付けられたわけですね。
レンブラントの名画「夜警」の嘘!?
この「夜警」に隠されたある嘘を見抜きたいと思います。
これはよく知られている嘘なのですが、
実はこの絵は”夜”の場面を描いてはいないのです。
夜ではなく”昼”を描いた作品だったのです!!
でもなぜ夜の場面ではないのに
”夜警”と言われる様になったのだろう??
実は歴史の経過とともにニスが劣化してしまい、
画面が黒ずんでしまったのが原因だったそうです。
これによって夜の場面を描いている様に見えたといいます。
つまり誤った解釈で
「夜警」というタイトルが付いてしまったわけです。
元々レンブラントは強い明暗が特徴の画家なので、
背景が薄暗くても違和感は感じなんだろうし、
”夜警”と言われて納得してしまうのは仕方がないかもしれませんね。
今回挙げたレンブラントの「夜警」の様に、
名画に隠された嘘を分かりやすく書いた本があります。
描かれた時代の背景を知れるし、
ちょっとした豆知識も得られる!!
何よりも絵画に必要な教養も手に入るのがイイですね!
「夜警」を細部まで観てみると…
この「夜警」は約30人の人物が描かれていると言われています。
中には興味深い人物がいるのもポイント!
今度は作品に描かれた人物について探ってみようと思います。
ここに描かれた2人の男性が絵のタイトルにもなっている人物です。
黒い帽子をかぶった左の男性が”フランス・バニング・コック隊長”。
そして白い帽子と服装をした右の男性が”副官ウィレム・ファン・ラウテンブルフ”。
この作品は隊長と副官を中心に
これから出動しようとしている様子を描いているのです。
30人近い人物が描かれている中で、
特に光が強く当てられているのがこの隊長と副官。
まるで演劇で”スポットライト”が当てられている様な…
そんな演劇の一場面を切り抜いた感じに見えませんか!?
ドラマチックというか劇的さがこの特徴的で、
これもレンブラントの作品の魅力だと思うのです。
そして特に気になる人物がこの中央に位置する女性!
ある説ではこの女性は”サスキア”だと言われています。
サスキアはレンブラントの妻だった人です。
この”サスキア(サスキア・ファン・アイレンブルフ)”は、
画家で画商だったヘンドリック・ファン・オイレンブルフの紹介でレンブラントを紹介されます。
…サスキアが21歳、レンブラント26歳の頃でした。
そして程なくして
レンブラントとサスキアは婚約したのです。(1633年)。
「夜警」という作品には正式なタイトルがないとされ、
もちろん描かれている人物の詳細もないと思います。
描かれている女性は一説ではサスキアとの解釈もありますが、
それも実際はどうなのかは分からないわけです。
ただ肖像画と見比べてみると、
非常に似ているのが分かりますね。
しかもサスキアはこの作品の制作中に体調を悪くし、
そして完成する前に29歳という若さで亡くなってしまったと言います。
”サスキアへもっと生きて欲しい!”…
そんなレンブラントの願いが込められているとも言います。
”正解は描いた画家しか分からない”…
絵画の詳細がないからこそ
今回の様に色々な解釈がされるわけですが、
これも絵画の楽しみ方の1つだと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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