「コートールド美術館展 魅惑の印象派」を観てきました。(前半)

「コート-ルド美術館展」…東京都美術館にて

 

ロンドンで印象派の美術館といえば…

コート-ルド・ギャラリーと言われるほど!

 

その「コート-ルド美術館展」が日本で見れる!
という事で先日行ってきました。
(この企画展は東京の後は愛知神戸と巡回開催します。)

 

・・・

東京都美術館
私が行ったのは上野の東京都美術館

東京開催での展示内容や様子は
愛知や神戸開催でもほぼ同じだと思います。

もちろんすでに観に行った人もそうですが、
行けない人もいるかと思います。

ちょっとはこの記事を参考にしてもらえると幸いですね。

コート-ルド美術館展 魅惑の印象派の開催概要】

(東京開催)
2019年9月10日(火)~12月15日(日)
場所:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)

(愛知開催)
2020年1月3日(金)~3月15日(日)
場所:愛知県美術館(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2)

(神戸開催)
2020年3月28日(土)~6月21日(日)
場所:神戸市立博物館(兵庫県神戸市中央区京町24)

 

・・・

「コート-ルド美術館」はイギリスのロンドンにある
ロンドン大学附属のコート-ルド美術研究所の美術館です。
実業家のサミュエル・コート-ルド氏が
当時あまり注目されていなかった印象派の作品を蒐集し設立したそうです。

 

今でこそ”印象派”と言えば人気の高いジャンルの絵画ですが、
実は最初の頃はあまり評価が高くはなかったのです。
(というかかなり評価が低かったと言われています。)

 

…もちろん
20世紀初頭のロンドンも例外ではなかったそうです。

 

考え…・思い…
そういった状況の中サミュエル・コート-ルド氏は
印象派の作品をたくさん蒐集したわけです。
こだわりや思い入れが強い作品が多く見れそうですよね!

そういう意味でも
かなり期待度の高い企画展だと思います。

 

例えば…

「花咲く桃の木々」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ

「花咲く桃の木々」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ

これはファン・ゴッホの作品花咲く桃の木々

 

ゴッホはこの絵についてこんな言葉を残しているそうです。
~…この地のすべては小さく
庭、畑、木々、山々でさえまるで日本画のようだ
(ポール・シニャックに宛てた手紙の一部)

ゴッホは浮世絵に触れ日本画に夢中になっていきます。
もちろんこの絵にも”日本”を重ねていたそうです。

例えば右奥にある白い雪をかぶった山は
まるで日本の富士山の様にも見えませんか?

 

絵を見て感動!
それにしてもこの絵を観ていると
不思議と”穏やかな気持ち”になりませんか!?

描いた場所は南仏の様ですが、
何だか日本の景色にも似ている様で…
ふと観ていて落ち着くのはそのためなのかも!?

とにかくゴッホの作品にしては
妙に心が洗われる作品だと思います。
(今展のお気に入りの1枚です!)

 

・・・

「花瓶」(1881年着手)クロード・モネ

「花瓶」(1881年着手)クロード・モネ

そしてこちらはクロード・モネの静物画花瓶

モネの作品で静物画は何だか珍しい感じですね。
でもモネはこういった絵は20枚くらい描いているそうです。

 

絵を見て感動!
実は今回一番惹かれた作品がこれでした!
花の本質を見抜いた感じがとても素敵ですよね!?
様々な色で構成された花は、
写実的ではないのに妙に存在感があるのがイイ!!

 

上の挙げたゴッホの「花咲く桃の木々
モネの「花瓶」も前半部分で展示していたものでした。

どちらも観ていて実にイイ絵なので、
ぜひあなたも生で観てほしいと思います!

 

・・・

「大きな松のあるサント=ヴィクトワール山」(1887年)ポール・セザンヌ

「大きな松のあるサント=ヴィクトワール山」(1887年)ポール・セザンヌ

サミュエル・コート-ルド氏は
共感した作品しか蒐集しなかったと言われています。

その中でも特にお気に入りだった画家…
それがポール・セザンヌだったそうです。

 

「カード遊びをする人々」(1892年-96年)ポール・セザンヌ

「カード遊びをする人々」(1892年-96年)ポール・セザンヌ

これは見ての通り”カード遊びをしている光景”の絵です。

セザンヌは”カード遊び”をテーマにした絵を計5枚描いていて、
どれも高値で取引されるほど世界的にも評価が高いと言われています。

 

こんな事が…
実はふと思った事があったのですが…
もしその5枚すべてを一堂に観れる機会があったら…
それはまさに夢の共演だと思いませんか??

この夢は果たして叶う事はあるのだろうか??

 

実はこのコート-ルド美術館展では、
これ以外にもセザンヌの作品を数枚展示していました。

・「レ・スール池、オスニー」(1875年頃)
・「ノルマンディーの農場、夏」(1882年)
・「ジャス・ド・ブッファンの高い木々」(1883年頃)

どれもありふれた木々と緑の風景画だけれど、
妙に印象深いセザンヌらしい風景画だと思います。

こういう何気ない風景でも
作品になりえるのが印象派の魅力だと思います。

 

そして

「桟敷席」(1874年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「桟敷席」(1874年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

 

これは誰が見ても分かると思いますが、
ピエール=オーギュスト・ルノワール”の作品です。

 

考え…・思い…
女性の美しい透き通る様な肌の表現や、
柔らかく軽やかな衣装の描写…
まさにルノワールと分かる絵ですね。
実はこういった劇場の桟敷席をテーマにした作品は
当時としてはとても珍しかったそうです。

 

ではもうちょっと大画面で
この「桟敷席」を見てみましょう!

・・・

「桟敷席」(1874年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「桟敷席」(1874年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

目を凝らしてこの絵を観てみて下さい!

画像ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、
女性の着ている衣装は白と黒の模様に見えますよね。

でも実はそれ以外に
青や黄色など様々な色が見て取れるのです。
こういった色遣いの繊細さもルノワールならではだと思います。

 

??
それにしてもこんな疑問が湧きませんか?…
ルノワールはなぜこの様な絵を描いたのか??

私が思うにこんな理由だと思うのです。
当時劇場などの桟敷席という場所は
パリの最新ファッションを垣間見れる場所だったそうです。
つまりルノワールは当時のファッションを着飾った
美しい女性を描きたかったのかな?と思えてならないのです。

ルノワールは絵画に”美”を求めていたのはよく聞く話で、
このテーマを選んだのには
こういった理由があったのだろうと思うのです。

 

 

考え…・思い…
ここまでゴッホやセザンヌ、
それからルノワールと挙げましたが、
どれも”センスがイイな~”と思う作品ばかり!!

 

「コート-ルド美術館展」…東京都美術館にて
ここまで見てきた限りでも
「コート-ルド美術館展」は予想以上だと思いますね!!

実はこのコート-ルド美術館は研究機関を備えています。
”作品の深い経緯や秘密を科学的な視点から読み解いている点も注目!!”です。
色々な解説やネタがあちこちに散りばめられているので、
作品をより深く見れるのも見所だと思います。

それでは続きは後半へ!

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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