- 2018-5-6
- Impression (絵画展の感想)
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「プーシキン美術館展」は印象派絵画で有名なだけに、
特に風景画が多く観れる美術館です。
前回は風景画の絵画でも”緑”をテーマに話ましたが、
今回は”緑色”以外の風景画で、
私的に気になった作品を見ていきたいと思います。
まずは
この絵から~
これは全体的に緑よりも
”青色”が美しく描かれている一枚です。
特に”青空”が綺麗で印象的な絵ですね!
そして気になる事があって
タイトルの”掠奪(りゃくだつ)”という言葉。
”エウロペの掠奪(りゃくだつ)”で、
掠奪からして何やら意味がありげな絵に見えるのですが…。
実はこれは神話をテーマにした作品だそうで、
フェニキアの王女エウロペに心を奪われた神々の父ゼウスが、
白い雄牛に姿を変えてエウロペを誘惑しようとしている場面なのです。
周りの人物や風景に比べて
中央の牛と女性が浮かび上がるような存在感がありますね。
私的にこの絵を見る限り、
これは神話というよりも風景画に近い感じがしますね。
というのも人物よりも
その後ろある巨大な木や美しい青空に目が惹くからです。
(牛と女性が中央に描かれていても、
全体に比べて小さく描かれていますしね…)
そして…
※図録の表紙より
これはレオン=オーギュスタン・レルミットの「刈り入れをする人」
これは何といっても
描かれている黄金の麦畑が実にキレイな事!!
ほぼ一面を麦の黄金色が埋め尽くしていて、
ス~と伸びて生えている麦の力強さや、
軽やかな感じと言い、麦畑の描写が本当に綺麗なのです。
これは今展の図録の表紙なのですが、
今回の図録は表紙の柄が計4種類あるのです。
裏と表でまた絵柄も違ってくるので、
どれにするか迷ったくらいだったのですが、
結局今回はこの絵柄にしてしまいました。
ちなみに、
表の表紙はこんな感じでした。
※図録の表紙より
これは「牛のいる風景」という作品。
ジュール・コワニエと
ジャック・レイモン・ブラスカサットの共作です。
印象派とは程遠い、
リアルで写真の様な写実的な風景です。
そういえば、
今回の図録は単なる作品の説明だけにとどまらず、
パリなどの写真なども掲載されているのです。
ちょっとしたフォトアルバムの様な図録で、
気が付けばページをめくってしまう魅力があります。
ショップで見かけたら、
ちょっと覗いてみてもイイと思います。
それから~
※ポストカードより
アンドレ・ドナンの「港に並ぶヨット」
これは見て気に入ったので、
ついポストカードでも買ってしまった一枚です。
それにしても何とも不思議な絵ですね~。
誰でも描けそうだけど、
一体感があって鮮やかな色使い素敵なのです。
独特な色彩感覚と独特な世界観がある感じの作品で、
今回見入ってしまった絵なのでした。
そんなことで
いくつか挙げてきましたが、
今展で私的に一番の絵は…
これは画像などないのですが…
ルイジ・ロワールの「パリ環状鉄道の煙」です。
これはぜひチェックして欲しい絵ですね!
今回一押しの絵なのですが…
まるでその場に立っているかのような
臨場感が目の前に広がっている風景が絵になっているのです。
172×296センチと
大きなキャンバスに描かれているのもあると思いますが、
何よりも絵の構図が絶妙なんでしょうね。
目の前が見えないくらいの濃い煙と、
ここが”パリ?”と思えないくらいの薄汚れた感のある街並み。
今回見れた他のパリを描いた絵と比べると、
まったく印象の異なる絵なのですが、
これは物凄い衝撃と臨場感があって素晴らしい絵でした。
・・・
こんな風に今回の「プーシキン美術館展」は
全体的に”パリ”と”印象派”がテーマになっている絵画展です。
”芸術”を観にいくというよりも、
”旅行に行く感覚”で見れる絵画展だと思います。
それに思った以上に内容が濃かったので、
上野に行った際はちょっと覗いてみてもイイと思います。
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