- 2024-8-18
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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それにしても、物凄く暑い…
今年の暑さは、例年にも増して異常に感じてしまう。特に私の場合は汗かき体質ですから、なおさらなのかもしれませんが。
ですから私の様に夏が苦手な人間は、本当なら外出はしたくないわけです。
でも気になる展覧会があったら、なぜか外へ出向いてしまう。
確かに外は灼熱ですけど、美術館内の環境は最高ですからね。特に夏場の美術館は、より”天国”に感じられてしまうから不思議です。^^
(外との気温とのギャップが、そう感じさせるんでしょうね)
さて、私が芸術に興味を持つようになってからというもの、物事を絵画に例えてしまう瞬間が度々あります。
つまりその場に関連する芸術作品を思い起してしまうわけです。
(これもある種の”職業病”みたいなものでしょうか。)
例えば美術館に向かう炎天下の道のりは、灼熱地獄の作品を思い起してしまう。
直射日光と40度近い気温に身を置いているわけですから、体感的には熱砂に降り注ぐ火の雨地獄と同じに感じてしまうからです。
ちなみに上の作品は版画家ギュスターヴ・ドレ(Gustave Dore)の『神曲』を題材にした連作の一つ。『神曲』の中でも地獄篇は特に好きな話なので、暑い夏場に外へ出ていると、ふと地獄篇の”第七圏”が思い起こされるわけですね。
ちなみに『神曲』は、13世紀~14世紀頃に活躍した政治家で詩人のダンテ・アリギエーリの書いた代表作で、言わずと知れた名作中の名作!
知らない人はぜひ読んで欲しいと思います。
・48.8×71.1cm、銅板に油彩
さすがに”火の雨地獄”と比べれば、炎天下の35度なんてどうってことないだろうけど。でも暑さが苦手な私にとっては、どちらも灼熱地獄と大差ないわけです。
(毎年思う事ですが、ここ最近の夏は地獄の様な暑さですよね。)
でも、そんな灼熱地獄から解放される瞬間があります。
つまり美術館に着いた瞬間です!
・81×114cm、板に油彩、ウィーン美術史美術館所蔵
”あ~、やっと楽園に到着したんだな~”って。
美術館に行くまでの道のりが汗だく状態でしたから、余計に館内の涼しさが”天国”に感じるわけですね。^^
(館内に入った途端に、汗がスッと止む。この感覚は何度味わってもイイものですね。)
さて、上はルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach)の傑作「楽園」で、アダムとイヴが暮らしていた理想郷”エデンの園”を描いたものです。
作品を見ても分かりますが、まさに灼熱の砂漠にポツンと姿を現したオアシスの様です。
植物が青々と生い茂り、あらゆる動物たちがのどかに暮らしている。しかもアダムとイヴがほぼ裸の状態で描かれている点も見逃せない!
裸で暮らせるって事は、気候がとても良かった証拠ですから。
・180.2×158cm、板に油彩、ルーベンス・ハイス美術館所蔵(アントウェルペン)
ちなみに”エデンの園”は『旧約聖書』の「創世記」に登場する理想郷の事。
アダムとイヴが蛇に唆されて禁断の果実を食べてしまうという話で知られる場所です。
(最終的に皆が知っている通り、アダムとイヴは楽園を追放されてしまいますが…。)
とにかく、気温20度くらいに設定された美術館は、私にとってはまさに理想的ともいえる環境というわけです。
別に美術館の設定温度は人間のためというわけではなく、本来は美術作品を保護する理由ではあるけれど…。
でも結果的に僕ら人間にとっても居心地最高な場所になっていますからね。私が美術館内を楽園と感じるのも、何となく分かってもらえたかと思います。
もちろん前提として、好きな絵画や彫刻を堪能できるから!という理由もありますが…。
(単に涼しいから!という理由だけではないわけです。)
余談ですが、先日行った山種美術館と松岡美術館は、行くまでの道のりがまさに地獄の様な暑さ!だった。
山種美術館は恵比寿駅から歩いて約10分くらいの場所で、松岡美術館は目黒駅から歩いて約15分掛かりますから。でも美術館に入った瞬間は、そのギャップもあってか天国に感じたものです。
というわけで、灼熱の夏場こそ、ぜひ美術館に出向いてほしいものですね!!^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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