- 2024-4-6
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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『大吉原展』で、あまりのクオリティの凄さに釘付けになった方も多いだろう思います。
江戸時代の妓楼を再現した「江戸風俗人形」です。
3人の職人たちによって制作されたもので、見た目の派手さだけでなく、内部のこだわりも凄い!
制作されたのが今から約40年以上も前(1981年、昭和56年)で、本来は台東区立下町風俗資料館にある所蔵物。
・「江戸風俗人形」(1981年、昭和56年)台東区立下町風俗資料館
江戸の文化・文政時代(1804~1830年頃)の妓楼をベースに、創作されたものです。
(制作者)
檜細工師:三浦宏(1926‐2019年)
人形師:辻村寿三郎(1933‐2023年)
江戸小物細工士:服部一郎(1933‐2009年)
使用された木材は国産尾州檜で、材料もかなりこだわっているのが分かります。
もちろん人形もかなり精巧で、金糸銀糸が織り込まれ刺繍も細部まで施されている。
実は図録を見ていて知った事ですが、一部の太夫の唇は赤ではなく緑色で塗られているそうです。”笹紅”と呼ばれるもので、文化文政期のわずかな時期に流行したもの。
単なる精巧な作りだけじゃなく、ちゃんと当時の流行までも再現されている。
もちろん制作にあたっては、色々な資料などを参考にしているだろけど、このこだわりぶりが凄いですね。
多くの人は、この人形や模型の凄さ!で終わってしまうのだろうけど、それだけでは勿体ない。
どういった構造になっているのだろう?
内部を観察してこそ、「江戸風俗人形」の本当の凄さが垣間見れると思っています。
なにせ様々な資料や書物、錦絵を元に制作されたわけですから。前の前に広がっている模型は、ある意味当時の妓楼に近い姿だと思うからです。
というわけで『大吉原展』に行った際は、職人たちの結晶「江戸風俗人形」をじっくりと観察してほしいものです。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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