17世紀のオランダ絵画 …「フェルメール展」より

「フェルメール展(Vermeer)」より

17世紀のオランダ絵画” ~Vermeer

 

”フェルメール”がメインになっている絵画展とはいえ、
実のところは”17世紀のオランダ絵画展”と言ってもいい。

 

先日「フェルメール展」に行き、
そう思ったのでした。

「フェルメール展(Vermeer)」より
場所は上野の森美術館”で、10月5日に開催したばかり…。

フェルメールはオランダを代表する画家ですが、
いかんせん残した作品数が少ないのです。

40点にも満たないほどで、
どうしてもフェルメールだけで絵画展の開催は難しい…。

それでも彼の作品が8点も観れるのは魅力的で、
もちろん今回も魅力ある作品が発見できたのです。

 

今回はその様子や感想について話していきたいと思います。

・・・

  考え…・思い…
これまでオランダ絵画は何度も見たことはあるけれど、
オランダの絵画は一言で言うと精密で繊細で分かりやすい。

特に17世紀のオランダは
芸術分野でも最盛期との評価もあるほどなので、

そう思ったら見どころはフェルメールだけではないと思います。

それにオランダ絵画は宗教絵画よりも風俗画が多い感じなので、
あまり絵画に精通していなくてもすんなりと楽しめるのも魅力的。

風俗画は当時のオランダの生活や文化を描いたものなので、
その頃の生活ぶりが見れるのがまた興味深い!!わけです。

 

例えば…

「人の居る裏庭」(1663-1665年)ピーテル・デ・ホーホ

「人の居る裏庭」(1663-1665年)ピーテル・デ・ホーホ

この絵はピーテル・デ・ホーホの「人の居る裏庭

奥のほうに2人のメイドがいるので、
この家は比較的裕福な家なんでしょうね~。

17世紀のオランダは経済的に繁栄していった時期でもあるので、
当時である程度余裕のある人は、
メイドを雇うのは当たり前だったのかもしれないですね。

 

それから~

「手紙を書く男」(1664-1666年)ハブリエル・メツー

「手紙を書く男」(1664-1666年)ハブリエル・メツー

これはハブリエル・メツーの作品「手紙を書く男

この作品には対になる形で
「手紙を読む女」という絵があります。

「手紙を読む女」(1664-1666年)ハブリエル・メツー

「手紙を読む女」(1664-1666年)ハブリエル・メツー

 

当時の貴族の恋愛事情が描かれた作品で、
この2つの絵は個人的にも気に入っているのです。

解釈によると、
右に立っているメイドがカーテン越しに
荒海を航海する船の絵を見ています。

この事から
今後の2人の男女の恋愛の苦難を暗示しているとか…。

 

考え…・思い…
それにしても
2人の恋愛の様子をのぞき込む形で描いているのも面白いですね!

絵に描かれている男女の心理を読み解きながら、
2つを見比べてみるのも面白いと思います。

それと1つ気になった事があって
人物と背景の構図が
何だかフェルメールのと似ているような…

・・・

そう思うのは、
私だけかな!??

 

今回の「フェルメール展」は
フェルメールだけじゃなく他にもイイ作品が多いと思います。

 

…参考ですが、
命のない静物画の章ではこんな絵も斬新的!

「野ウサギと狩りの獲物」(1697年)ヤン・ウェーニクス

「野ウサギと狩りの獲物」(1697年)ヤン・ウェーニクス

ヤン・ウェーニクスの「野ウサギと狩りの獲物

 

考え…・思い…
精密かつ繊細で、超リアルで生々しい。

しかも対象物が命のない野ウサギなだけに、
余計に不気味で生々しく感じてきてしまいます。

このヤン・ウェーニクスという画家は
他にも”生のない静物画”を多く描いているようですが、
果たして彼はどんな気持ちでこういう絵を描いていたのかな!?

今回の企画展は「フェルメール展」となっていますが、
17世紀のオランダ絵画”の方がピンと来るな~。

そう思った前半部分でした。

 

それでも
主役はこの画家でしょうけど…。

 

 

※ここで取り扱っている画像、イラストは、 掲載可能なもの(public domain)を使用しています。
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