- 2025-2-15
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
- コメントを書く

先日、こんな記事を目にしました。
『大阪・関西万博』で、カラヴァッジョの名画「キリストの埋葬」が展示!
関西で開催する『万博』ですから、関東圏に住んでいる私にとってはちょっと他人事のイベントだったりします。
でも、カラヴァッジョの名画が展示されるとなったら…。
普段はクールを装っている僕でも、本能的に芸術ネタに目が向いてしまう…。
これはアートをこよなく愛する人間の性というものでしょうか。^^
【 今回の話の流れ 】 |
『万博』で展示!カラヴァッジョの名画「キリストの埋葬」

「キリストの埋葬」(1600‐1604年頃)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
・300×203cm、カンヴァスに油彩、ヴァチカン美術館所蔵
実は名画「キリストの埋葬」は、2021年に国立新美術館で展示予定の作品でした。
それが知っての通り、コロナによって開催中止になってしまった。
当の私も興味は持っていただけに、さすがに残念というかショックでしたね。それが日本で展示されるというわけだから、記事を目にした本能的に目が向いてしまったわけです。
もちろん展示される場所は、バチカンパビリオンです。(イタリアパビリオン内にあります。)
バチカンパビリオンの展示テーマは”美は希望をもたらす”で、キリストを世界の光として表現しているようです。

「キリストの埋葬(detail)」(1600‐1604年頃)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
”キリストを世界の光”…、
強烈な明暗技法による表現を特徴とするカラヴァッジョらしい、まさに「キリストの埋葬」を象徴するかのようなテーマだと思いますね。
現在はヴァチカン美術館を代表する名画の一つになっていて、それが日本にやって来るって本当に思い切った試みだと思います。
余談として…
さて、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」ですが、後世に残した影響力も計り知れません。
その後様々な芸術家たちに影響を与えた一枚でもあるからです。
例えば、巨匠ルーベンスもその一人。

「キリストの埋葬」(1612-1614年頃)ピーテル・パウル・ルーベンス
・88.3×66.5cm、パネルに油彩、カナダ国立美術館所蔵
非常に似ている人物や構図から、模写されたのは明らかだと思います。
バロック期を代表する巨匠”ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)”にも影響を与えるほどって、改めてカラヴァッジョの画家の偉大さを感じます。
ただ構図は似ているとしても、表現方法はルーベンスらしさを感じますね。

「キリストの埋葬」(1617-1621年頃)ディルク・ファン・バビューレン
・219.4×139.3cm、カンヴァスに油彩
そしてこちらが、”ディルク・ファン・バビューレン(Dirck van Baburen)”の作品。
バビューレンはオランダ出身で、1595年頃~1624年と短命な画家でした。
カラヴァッジョから強く影響を受けた画家だったので、模写するのは当然といえば当然。もし長生きしていたら、もっと様々な作品を残していただろうに…。そう思うと実に残念ですね。
他にジャン・オノレ・フラゴナールやテオドール・ジェリコー、それからポール・セザンヌにも影響を与え模写されている。
名画はいつになっても名画って事ですね!
もちろん現代にとっても、間違いなくカラヴァッジョの「キリストの埋葬」は名画でしょう。
というわけで万博に行く行く機会を持てたなら、ぜひ見逃してほしくない逸品です。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。