- 2025-4-18
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2025年の一大イベントに、「2025 大阪・関西万博」があります。
テレビを付ければ”万博ムード!?”なので、関東に住んでいる私でさえ気になってしまう…。
もちろん人によって賛否はありますが、芸術好きな私にとって”万博”は単なるイベントではない!という認識を持っています。
なぜなら、万博と芸術は切っても切れない関係にある!?からです。
【 目次 】 |
万博と芸術は、切っても切れない関係にある!?
※1900年のパリ万博のパノラマより
万博は芸術を披露する場だった!?
ここ最近の万博を見ると”技術を披露する場”というイメージが強いので、意外に思う人も多いかもしれませんね。
でも、これまでの歴史を振り返ってみると、芸術とは切っても切れない関係にあるのがわかります。
事実、万博内で多くの芸術作品が展示されてきた経緯があるからです。
もちろん万博の主旨からも、うかがい知れる事実です。
万国博覧会(ばんこくはくらんかい)
International Exposition(英)、exposition universelle(仏)
世界各国の主要な産物を集めて陳列し、人類の文化と新しい産業技術の成果を競う国際的な博覧会。1851年のロンドンで”水晶宮”を建てて開催された万国博覧会に始まり、以来、世界各国で開催される。産業技術の展示と同時に、美術展示や建築の歴史においても、さまざまな寄与をなした。・出典元:「新潮 世界美術辞典」より
まさか、「新潮 世界芸術事典」に”万博の意味”が載っていたのは驚きでしたね。
この事からも、万博と芸術が密接に関係しているのが分かります。

「1873年ウィーン万博の日本館」 ※public domain画像
それから、もうちょっと興味深い事も分かってきました。
日本初参加となった1873年のウィーン万博で、日本の工芸品や芸術品が展示されていた事実もあった。
ちなみにウィーン万博では、日本庭園や工芸品の評判が高かったそうです。
もちろん日本の技術や文化をアピールして、販売や輸出向上につなげようという意図もあったでしょう。
でも普通に考えて、万博ほど絶好の場!はないですよね。
なにせ、世界中の人たちが一堂に集結するからです。

「龍虎図」(1899年)橋本雅邦 / 皇居三の丸尚蔵館所蔵
↑上の絵は橋本雅邦の「龍虎図」。
1900年のパリ万博で実際に出品された作品です。
万博で展示された芸術作品といえば、多くの人は岡本太郎の「太陽の塔」を思い浮かべるでしょう。
※1970年の「日本万博(大阪万博)」にて展示。
他には、横山大観や竹内栖鳳、藤島武二といった日本を代表する画家の作品が出品されてきた経緯があります。
例えば、代表的な作品でいえば以下が挙げられます。
・「龍虎図」橋本雅邦…1900年のパリ万博にて
・「雪中燥雀」竹内栖鳳…1900年のパリ万博にて銀牌賞を受賞
・「蓬莱朝陽」橋本雅邦…1903年のセントルイス万博にて
もちろん2025年の「大阪・関西万博」でも、目を惹く芸術作品が展示されています。
・カラヴァッジョの名画「キリストの埋葬」…バチカンパビリオンにて展示。
・「ファルネーゼのアトラス像」…イタリアパビリオンにて展示。
他にもチェコパビリオンでアルフォンス・ミュシャの作品が展示されたりと、芸術に関わる展示が多くあります。
”いのち(命)”をテーマにした万博というと、どうしても堅苦しく感じてしまうもの。
でも、芸術の披露の場と考えると、興味が湧いてしまうから不思議ですよね。
これも”芸術好きの性”と言う物でしょうか。^^
ところで、世界初!の万博は??
さて、”世界初の万博”は、どこで開催されたか知っていますか!?
実は1851年にロンドンで開催されたのが最初になります。
上↑の画像はロンドン万博の様子を描いた絵で、当時最も注目を集めたのが”クリスタル・パレス(水晶宮)”という建物でした。
別名”水晶宮万博”とまで言われたので、いかに話題になったかが分かると思います。
現在万博には目玉的な建物や塔が造られますが、これにはロンドン開催での成功が一因だろうと思います。

「クリスタル・パレスで博覧会開会を宣言するヴィクトリア女王」(1851年)ルイ・アーグ / リトグラフ、ヴィクトリア&アルバート博物館所蔵
事実、第1回目のロンドン万博では、600万人超える来場者があったと言われています。
最初の開催としては、凄い数字だと思いませんか??
以降も継続して開催されていったのも頷けます。
そして1889年には、驚異的!!な来場者の万博が開催されました。
皆さんもご存知の通り、エッフェル塔の万博とまで言われた「パリ万博」です。

「1889, パリ万博への入り口」(1889年)ジャン・ベロー
・30×40cm、板に油彩、カルナヴァレ博物館所蔵
これはジャン・ベローの「1889, パリ万博への入り口」という作品で、パリ万博の入り口付近を描いた作品です。
現在はパリを象徴する建物になっているエッフェル塔ですが、実は意外や意外!?
万博の開催に合わせて建てられたものだったのです。

「1889, パリ万博で参列する女性」(1889年)ルイス・ヒメネス・アランダ
・120.6×70.8cm、カンヴァスに油彩、メドウズ美術館所蔵
ちなみに1889年のパリ万博ではどれほどの来場者があったかというと…
約3,000万人超え!!という来場者でした。
5月6日から10月31日の約180日の開催だったので、1日平均16~17万人の来場者があった計算になります。
考えただけでも、凄い数字ですよね。
”万博=パリ”、もしくは”万博=エッフェル塔”をイメージする人が多いのも納得です。
今回大阪で行われている「大阪・関西万博」ですが、知っての通り様々な賛否もあります。
でも万博は後世にも残る一大イベントなので、やるからには成功してほしいものです。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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