- 2023-5-1
- For you (”Art”なイイ話)
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美術館の「常設展」を観覧料で計算すると、超コスパがイイ!!
別にお金が安いから”皆さん「常設展」に行きましょう!”というわけではないですが、というか、美術館に行く理由の一つに”コスパがイイ!”があってもイイと思うのです。
さて、美術館に行く人なら分かると思いますが、「企画展」となるとあれほど人で賑わうのに、なぜか「常設展」となると人が少ない。場合によっては、本当にガラガラだったりします。入場料(観覧料)も安いのに、”なぜ、皆は見に来ないのだろう?”と疑問に思うほど。つくづくもったいないな~と思ってしまいます。
こういった背景を踏まえて、一人でも多くの人に、美術館や博物館の「常設展」に行ってほしい!そんな願いを込めて今回この様な記事を書いてみたのです。
でも、私個人の本音で言えば、空いている方がゆっくりと作品を観れるから、ガラガラの方が嬉しいわけですが…。^^
「常設展」の観覧料を、他と比較すると凄い結果に!!
私がよく行く「常設展」と言ったら、上野の国立西洋美術館が一番多いでしょうか。西洋画の王道のとも言える作品が多く展示されるし、ちょこちょこと新所蔵作品も増えてきている。行く度に新しい変化に気が付けるのも、「常設展」の楽しみの一つ。でも、同時に”なぜ、皆「常設展」に来ないのだろう?”と。入場料も安いし、何よりもたくさんの作品と出会えるのに、行かないなんてもったいない!
そこで、私が思ったのは、どれほど「常設展」の観覧料は安いのだろうか?と。つまりは、どれほどコスパがイイのか!?って。そんなわけで、邪道にも思われるでしょうが、観覧料を私なりに計算してみたのです。
と、その前にまず、「常設展」と「企画展」の説明からしてみたいと思います。
まず、「常設展」は美術館や博物館が自前で所蔵している作品を展示する事。対して、「企画展」は、テーマに沿って期間限定で開催する展覧会を言います。つまり、「常設展」を行うには、美術館がそれなりの作品数を所蔵していないと開催できないわけです。日本でそれなりの作品を自前て持っている美術館と言えば、国立西洋美術館や東京国立近代美術館、それから東京国立博物館や京都国立近代美術館などが挙げられます。自前の作品だけで、一つの展覧会を行えるだけの数があるわけですね。でも、自前の作品だけで展覧会を行えない美術館もあります。そういった美術館や博物館は他から作品を借りて展示するというスタイルをとっています。
1、美術館の「企画展」と比べてみると…
まず一番分かりやすい比較からいこうと思います。美術館には「常設展」と「企画展」があるので、国立西洋美術館を例にして観覧料を比べてみたのです。
公式HPで確認してみると、現在(2023年2月8日時点)国立西洋美術館の「常設展」の入館料(観覧料)は一般の大人で500円です。そして、展示作品数はどれくらいかと言えば、厳密に数えた事はないですが、おそらく200~300点くらいはあると思います。ちょうど中間をとって250点としておきましょうか。仮に1点当たりの観覧料はいくらになるかを計算してみたところ…、500÷250なので、1点当たり2円で観れる計算になります。
対して「企画展」はどうかというと、最近の「ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」を参考にすれば、観覧料2100円で、約110点の作品を鑑賞できます。(2100÷110=19.09…)1点当たりの観覧料は19円になる計算ですね。
2円と19円。この差はかなり大きいと思いませんか?何度もいますが、観覧料が安いから”「常設展」に行こう!”ではないです。企画展はどうしても他の美術館から作品を借りないといけないし、輸送コストや保険、広告など色々と掛かりますから、この額の差は仕方がない。
そして重要なポイントは「常設展」の作品は、美術館の自前の作品を言うので、別に1点当たりの観覧料が安いから質が落ちるというわけではない。普通に他の美術館が「企画展」で展示する様な巨匠たちの作品も、「常設展」で見る事が出来るわけです。例えばモネやルノワール、フェルメールなど名を挙げたらきりがないですが。
・156.0×128.8cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵
まとめるなら、他の美術館が企画展で展示する様な巨匠たちの作品を、1点2円位で鑑賞できるって事です。これは本当に凄い!!と思いませんか?「企画展」の10分の1の金額で、巨匠たちの作品など計250点ほどが鑑賞できる。しかも「常設展」は空いているので、約250点の作品を、約2時間近くかけてじっくりと鑑賞できる。言い方を変えれば、”250点の作品をほぼ独り占め状態に出来る”わけです。これでワンコインの500円ですからね。そう考えたら、本当にコスパがイイとしか言えない!^^
2、映画の一般料金と比べると…
それでは、お次は娯楽の代名詞”映画”の観覧料と比べてみましょう!
ここでは、TOHOを参考にしますが、現在映画1本の料金は一般で1900円。1本の映画の上映時間は約2時間くらいですから…、こう考えると美術館の「常設展」とほぼ同じ時間を楽しめる感じです。でも映画の入場料は1900円で、対して「常設展」はワンコインの500円。その差は約4倍です。映画1本分の金額で、「常設展」が4回見れる計算になります。美術館も映画と同じく、雨風はしのげて気温が一定の場所で居心地よく過ごせる点では同じなのに、観覧料で考えると、映画の4分の1の値段。とにかく「常設展」は映画と比べてみても、コスパ最強なのが分かると思います。
3、ディズニーと比べると…
さらに、お次は皆が大好き”ディズニー”と比べてみます。ここではディズニーランドを例に話をしてみます。
現在ランドの1dayパスは日によっても違いますが、だいたい7900~9400円ほど。中間をとって約8500円としましょうか。大体10時間くらい滞在したとして計算すると、1時間当たり850円。2時間の滞在で1700円の金額になります。つまり、国立西洋美術館の「常設展」の約3倍ちょっと。「常設展」はディズニーランドよりもコスパがイイ!のが一目瞭然で分かると思います。
確かに2時間当たりで計算すれば「常設展」の方が安くはなりますが、でも美術館とディズニーって同じ娯楽とはいえ、比べる土俵が違い過ぎる。これはちょっとこじつけっぽい感じにもなりますが、でも一つの参考として挙げてみました。
4、もっとコスパ最強な美術館がある!!
さて、今回は国立西洋美術館の「常設展」を例えに話してみましたが、実はもっとコスパ最強な美術館があります。どこだと思いますか??
それは、誰もが良く知る”ルーヴル美術館”です。
ちなみに、ルーヴルの入館料は約17ユーロくらい。現在日本円だと1ユーロ140円位なので、ルーヴル美術館の入館料は日本円で”2380円”。ルーヴル美術館の展示数は、所蔵作品38万点に対して、約3万5000点ほどと言われているので…
(2380÷35,000=0.068)1点当たりの観覧料は0.068円となり、つまり1円もしないわけです。1円で15点の作品が見れるってわけですね!!そう考えたら、本当に笑いが止まらなくなる!!^^
まさにパリのルーヴルはコスパ超最強!そう考えたら、ルーヴルに行かないと損だと思いませんか??
さて、何度も言いますが…
本来美術館や博物館は作品を観るために行く場所です。だから、入館料が安いからとか、コスパが良いからと言った理由で行くものではない。もちろんそれは私自身充分理解はしていますが、でも、一つの理由として”コスパがイイ”もあってもいいと思うのです。
何度も言いますが、美術館の「常設展」って、本当に人が少ないです。マジでビックリするくらいガラガラだったりします。嘘だと思ったら、実際に行って確認してみるのもイイと思います。別に「常設展」は”人が少ない=見どころがない”ってわけではなく。普通に「企画展」で見れる様な巨匠たちの作品も展示されます。しかも安い観覧料で、ゆっくりと作品を独り占め感覚で楽しる!!これって、実に幸せを感じる瞬間ですけどね!!^^
とにかく、「常設展」に行った事のない人は、ぜひ1度行ってみる事をおススメします。作品を独り占め状態で鑑賞って…、本当に優雅でイイものですよ!!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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