『第10回 日展』で、自称”美術通”の私が惹かれた3作品をご紹介!

『第10回 日展』のチケット

 

せっかくの機会というわけで今回は、『第10回 日展』で私が魅了された作品3つを挙げたいと思います。

 

さすがに、約3,000点もの作品が公開されたら、オオッ!!と思える作品と出会えるものですね。

毎年開催していて、しかも毎回違った発見がある!改めて『日展』ってオモシロイ!と思った次第です。

 

国立新美術館

私が行ったのは、2023年に国立新美術館で開催した『日展』でした。

前回の記事で、興味のある人は行ってみよう!と書きましたが、ただ行こう!で終わっては勿体ない。せっかくならこんな素敵な作品もあるよ!という感じで、見所作品も紹介した方がより楽しめるかと。

 

 

『第10回 日展』で、私が惹かれた作品3つ!

日本画部門:『The Goddess of Fire』岡本文子
彫刻部門:『Garateia』清島浩徳
工芸芸術部門:『Welcome back』猪俣美帆

 

 

 

 

日本画部門:『The Goddess of Fire』岡本文子

「The Goddess of Fire(火の女神)」岡本文子 ※『第10回日展』にて

「The Goddess of Fire(火の女神)」岡本文子

 

まず最初に挙げたい作品が、岡本文子(あやこ)さんのThe Goddess of Fire(火の女神)です。

背景を銀箔で覆って、『龍図』的な屏風を表現しながら、それでいて人物は現代風な女性というギャップ。そして女性の着ている服のブルーが装飾的で、色が非常に映えるのがイイ!ですね。

純粋に龍の描き方や女性の描写も巧いですが、何といっても伝統と現代風を組み合わせた感じが実にオモシロイ!

 

私の想像にはなりますが、もし背景を金箔にしたら、一体どんな感じになるのか?って。

様々なカラーバリエーションが生まれそうで、作品の可能性も感じさせてくれるのもイイですね。^^

 

ちなみに、私は『The Goddess of Fire』を見た瞬間、ここまで質が高くないと、『日展』では入選しないのか~と改めて感じでしまいました。

日展レベル高し!ですね。

 

 

 

彫刻部門:『Garateia』清島浩徳

「Garateia」清島浩徳 ※『第10回日展』にて

「Garateia」清島浩徳

・202×72×62cm、樹脂

2つ目に紹介したいのが、清島浩徳(きよしま ひろのり)さんのGarateia(ガラテア)という作品です。

Garateiaはギリシア神話に登場するキュプロス島の王ピッグマリオンの妻。

ピッグマリオンは自分が理想とする女性の彫刻を作ったのですが、次第に女性の彫刻に恋をしてしまい、いつしか人間に生まれ変わってほしいと思うようになった。この願いを聞き入れたアプロディーテは、彫刻に命を与え人間の姿へと変えたという話です。最終的にピッグマリオンと人間に変身したガラテアは結ばれるわけですが、何ともロマンチックな話ですよね。

 

私が思う醍醐味

て、私がGarateia(ガラテア)』を推す理由

それは何といっても、女性的な筋肉表現に尽きますね。

私個人の本音で言えば、健康的で理想的なスタイルは、まさに理想とする女性像です。純粋にスタイルは文句の付けようがないですよね。

 

「Garateia」清島浩徳 ※『第10回日展』にて

でもれ以上に凄いと思ったのが、女性的な筋肉表現でしょう。

彫刻作品では女性と男性で表現方法を変える場合があります。男性らしさを表現するために、あえて荒々しく仕上げたり。女性的な感じを表現するため、きめ細かく表面を仕上げたり。彫刻家”朝倉文夫”は、その最たる例だろうと思います。

この『Garateia(ガラテア)』は、女性らしさと、男性的ともいえる筋肉表現の両方を表現しているのが凄い!

この相反する2つの要素を、彫刻で表現するって、考えただけでも芸術的センスを感じてしまいます。^^(素人の私が偉そうに言って申し訳ないですが。)

 

 

 

工芸芸術部門:『Welcome back』猪俣美帆

「Welcome back」猪俣美帆 ※『第10回日展』にて

「Welcome back」猪俣美帆

 

3つ目に挙げた作品は、猪俣美帆(いのまた みほ)さんの屏風Welcome backです。

最初見た印象は、デザインは面白いけど、何だかお店でも見かけそうな作品だな~と。

 

もじっくりと観ていくと、色んな意味で考えられた屏風だと。凄さがジワジワと伝わってくるのです。

 

私が思う醍醐味

まず背景に金箔を使わず、つまり金屏風にしていない点が見逃せない。金屏風は室内に電気がなかった頃、外の光を反射させ室内に光を入れる役割もあった、つまり今で言う調度品(インテリア)でした。でも現代の様に電気がある時代では、あえて金にする必要はないですからね。

それに屏風も2曲と、現代の部屋にもしっくり収まりそうな大きさ。昔の様に4曲や6曲と大きいと、今の部屋には合わないでしょうから。

デザインもさることながら、現在のライフスタイルに合わせた屏風に仕上げているのが、さすが!と。これなら今すぐ商品化も出来る!と思わせてくれますね。見れば観るほど、よく考えつくされた作品だな~と。

一見ありきたりに見えがちですが、じっくりと観ていくと物凄く奥深さを感じさせてくれる。

こういった作品こそ、”通”好みって感じがしませんか??

 

 

『第10回 日展』

今回私が紹介したのは、ほんの一部です。

『第10回 日展』では、約3,000点あまりが展示されます。おそらく、あなたが思う素敵な作品に出会えるかと。

 

『 第10回 日展日本美術展覧会巡回展日程 』

東京開催:2023年11月3日(金)~11月26日(日)まで、国立新美術館にて
・京都開催:2023年12月23日(土)~2024年1月20日(土)まで、京都市京セラ美術館にて
・名古屋開催:2024年1月24日(水)~2月12日(月)まで、愛知県美術館ギャラリーにて
・神戸開催:2024年2月17日(土)~3月24日(日)、神戸ゆかりの美術館、名古屋ファッション美術館にて
・金沢開催:2024年6月1日(土)~6月23日(日)まで、石川県立美術館にて

『日展』は日本各地で巡回開催するので、ぜひ行った事のない人は行ってみるのもイイと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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