「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展」を観てきました。

三菱一号館で開催の「イスラエル博物館の印象派展」

 

先日イスラエル博物館の印象派展に行ってきました。

今展はモネの代表作「睡蓮」が一番の見所の様ですが、
実際に行ってみるとこれ以外にも必見揃い!!

 

まさかこんなにも”イイ名画”が観れるなんて…
そんな驚きの連続だったのです。

 

三菱一号館美術館 …2021年10月
ちなみに場所は東京駅から歩いて数分の所にある三菱一号館美術館でした。

ここは西洋風な庭園も兼ね備えている美術館なので、
風景画が主な印象派作品を見るにはもってこいの場所ですね。

 

・・・

実は今回展示している作品の多くは日本初公開ばかり!
初めてお会いする作品ばかりだったのです。

もちろん名の知れた画家も多いので、
少なからず書籍やネットで見た事はあるんですけどね…

でもやっぱり”LIVE”で観ると一味も二味も違いますね!

 

「エトルタ、アヴァルの崖」(1885年)クロード・モネ

「エトルタ、アヴァルの崖」(1885年)クロード・モネ

・65.5×91.7cm、カンヴァスに油彩
このクロード・モネの「エトルタ、アヴァルの崖」も
これまでネットなどで何度も見た事はあるんだけれど…

 

絵を見て感動!
間近で観ると写真では比較にならない愉しさがありますね。
特に印象派に限っては筆触の跡を観察するのも醍醐味!

特に私みたいなマクロ派にとっては、
近くに迫って観察するのは実に至福の一時ですね(^^)

 

「地中海、ル・ラヴァンドゥー」(1904年)テオ・ファン・レイセルベルヘ

「地中海、ル・ラヴァンドゥー」(1904年)テオ・ファン・レイセルベルヘ

・65.5×81.5cm、カンヴァスに油彩

これは”テオ・ファン・レイセルベルヘ”の点描画による作品。
参考)⇒ベルギーの”テオ・ファン・レイセルベルヘ”ってどんな画家?

マクロ派にとって点描画は特に見所満載で、
近づいて観察するのと離れて見るのでは違った味わいがあるのです。

ちなみにこの作品は今回私が特に惹かれた1枚でした。

 

というのも…

・・・

どことなく日本の紅葉を思い起こさせるような

そんな紅葉の景色と重なる感じがしたからなのです。

近々日光に行く予定があるだけに、
この絵の前でず~と立ち止まって見てしまっていました。

もし”レイセルベルヘ”が日光の紅葉を描いたら、
果たしてどんな絵に仕上がるんだろう??

そんな妄想を膨らませながら…

 

「川の景色」(1890年)アルマン・ギヨマン

「川の景色」(1890年)アルマン・ギヨマン

・65.5×81.7cm、カンヴァスに油彩

これはアルマン・ギヨマンによる「川の風景」。
ギヨマンはフランスの印象派の画家として有名です。
参考)⇒印象派の”アルマン・ギヨマン”ってどんな画家?

モネやルノワールに比べるとちょっと陰に隠れる感じだけれど、
なぜかギヨマンの絵は不思議と印象に残るものがあるんですよね。

 

今回ギヨマンの絵はこの「川の景色」以外に
セーヌ川の情景(1882年頃)もありました。

この「セーヌ川の情景」は船の赤が実に際立っていて、
鮮やかン色彩が特徴的と言われるギヨマンらしい作品でした。
ぜひこれも要チェック!してほしいですね。

 

「朝、陽光の効果、エラニー」(1899年)カミーユ・ピサロ

「朝、陽光の効果、エラニー」(1899年)カミーユ・ピサロ

・66.0×81.7cm、カンヴァスに油彩

こちらはカミーユ・ピサロの作品で「朝、陽光の効果、エラニー」。

実は先ほど挙げたギヨマンとは深い交友があったといいます。

このピサロの絵では”自然の緑”が妙に映えているのが印象的!

この鮮やかな色遣いと繊細な筆づかい!
ピサロらしいな~と感じる作品だと思いませんか??

 

「プロヴァンスの収穫期」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ

「プロヴァンスの収穫期」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ

・51.0×60.0cm、カンヴァスに油彩

この「イスラエル博物館展」では”ゴッホ作品”が3点展示していました。

・「麦畑とポピー(1888年)
・「アニエールのヴォワイエ=ダルジャンソン公園の入り口(1887年)

この3点はどれもがゴッホと分かる描き方なんですが、
でもそれぞれ色合いと雰囲気が全く違うのがオモシロイ!

この3つを見比べるのも愉しいと思います。

 

ちなみにちょっと余談ですが
ゴッホの弟テオはギヨマンの絵を何枚か購入していたそうです。

印象派の画家たちはそれぞれが繋がっている事がよくあります。
例えば先ほど挙げたギヨマンは
ピサロ以外にもセザンヌとも非常に仲が良かったそうです。

一番有名な関係ではゴッホとゴーガンはその最たるものかな?

「マルティニークの村」(1887年)ポール・ゴーガン

「マルティニークの村」(1887年)ポール・ゴーガン

・45.7×71.0cm、カンヴァスに油彩

でも互いに繋がっていてもそれぞれが違った個性を持っている事も多い。
結局ゴッホとゴーガンは個性のぶつかり合いが凄く、
破局してしまったわけですが…

こういった人間関係も印象派のオモシロさの1つじゃないかな?って思います。

 

「ヴォージラールの家」(1880年)ポール・ゴーガン

「ヴォージラールの家」(1880年)ポール・ゴーガン

・81.5×116.0cm、カンヴァスに油彩

印象派の画家たちはそれぞれが個性豊かで、
作品にもそれははっきりと見て取れるのもオモシロイ!

例えばゴーガンを一言で表現するなら…

ポール・ゴーガン素朴で、
ルノワールは対照的に気品と言った感じでしょうか!?

 

「陽光を浴びたエスタックの朝の眺め」(1882‐1883年)ポール・セザンヌ

「陽光を浴びたエスタックの朝の眺め」(1882‐1883年)ポール・セザンヌ

・60.5×92.5cm、カンヴァスに油彩

そしてセザンヌ簡素が特徴といった感じです。

ゴツゴツした感じだったり、
無駄を省いたシンプルな絵だったり。

でも大胆でシンプルな絵でありながら、
セザンヌは緻密に計算して描いている節が感じられます。

こういったギャップはセザンヌの魅力だろうと思うのです。

 

そして「イスラエル博物館展」の締めでは
ファッションとアートが融合したかの様なこんな素敵な作品も必見!

「夜のポツダム広場」(1920年代半ば)レッサー・ユリィ

「夜のポツダム広場」(1920年代半ば)レッサー・ユリィ

レッサー・ユリィ(Lesser Ury)夜のポツダム広場
・79.6×100.0cm、カンヴァスに油彩

こちらはあまり馴染みのない画家だろうと思いますが、
でも観るとその良さはすぐ分かってもらえると思います。

何ていうのか…
オシャレでセンスが感じられる作品なんです!
まさにファッション性とアートの融合したかの様な…

でもそれでいてその場の雰囲気も伝わってくる臨場感もある!

実は今回初めて知った画家だったのですが、
このレッサー・ユリィの夜の街並みを描いた風景画が実に素敵です。

雨の降る暗い街の様子と照らされる明かりの表現は絶品ですね!!

私的には冬のベルリン(1920年代半ばに制作)が超おススメ!!
こちらについてはぜひ美術館に行って見てほしいですね!!

 

という感じで
私的に惹かれる作品の多かった「イスラエル博物館展」でした。

確かの名のある画家の作品もイイですが、
新たに”オオ!!”と思える作品と出会えるのはさらにイイ!!
(まるで”一目惚れ”の様な感じでしょうか!?)

 

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展

東京開催)
・期間:~2022年1月16日(日)まで
・場所:三菱一号館美術館にて

大阪開催)
・期間:2022年1月28日(金)~4月3日(日)まで
・場所:あべのハルカス美術館にて

この「イスラエル博物館展」は巡回での開催です。
ぜひ機会があれば行ってみる事をおすすめします。

 

三菱一号館美術館 …2021年10月 三菱一号館美術館の洋風な庭園 …2021年10月

三菱一号館美術館の庭園より …2021年10月 三菱一号館美術館の庭園より …2021年10月
そして最後は洋風的な庭園を見ながら、
この三菱一号館美術館を後にしたのでした…

やっぱりこの三菱一号館と印象派の組み合わせは最高ですね!

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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