- 2021-5-23
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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今でこそ高額で落札される事が多いゴッホの絵画。
ここ最近では2021年の3月に
「モンマルトル通りの光景」が約17億円で落札されたのは記憶に新しいと思います。
そんな有名画家の”ゴッホ”が
生前中はまったく売れなかったというのは有名な話です。
とはいえまったく売れなかったというわけではなく、
実は売れた作品があったというのは知っていますか??
フィンセント・ファン・ゴッホ「赤い葡萄畑」(1888年11月)
これは夕方頃に葡萄畑で畑仕事をする人たちの様子を描いたもの。
ゴッホが生前中に売れた唯一の作品と言われています。
さてこの「赤い葡萄畑」が売れたのが1890年2月の事。
ここでピンときた人もいると思いますが、
1890年と言えばゴッホが亡くなった年でもあるのです。
ゴッホが亡くなったのが7月なので、
売れたのは亡くなる約5ヵ月前だったわけですね。
この絵を語る上で知ってほしいポイントが!
実はこの作品を見る上で押さえてほしいポイントがあって、
それはこの作品が描かれた時期について!
描かれた時期は1888年の11月頃…
ちょうどアルルでゴーギャンと共同生活をしていた頃なのです。
実はこの葡萄畑にはゴーギャンも共に出向いていて
同じ様な収穫の様子を絵に描いています。
同じ様な場面を描いているんだろうけど、
ゴッホとは全く作風も雰囲気も違う感じがしませんか??
ゴッホとゴーギャンの共同生活は有名な話で、
ほんの2か月しか続かなかったのは知っていると思います。
一緒に住み始めたのが1888年の10月23日。
そして12月23日にゴッホは自分の耳を切り落とし2人の共同生活は終わりを迎えました。
互いの芸術についての意見の相違が理由だそうですが、
ゴッホとゴーギャンの絵を見比べてみると、
2人の関係が上手くいかなかったのも分かる気がしますね。
さて話しは戻りますが
現在のところこの「赤い葡萄畑」が
ゴッホが生前中に売れた唯一の作品と言われています。
もちろんこんな疑問も湧いてくると思います。
いくらでこの作品が売れたのだろう?
ゴッホの作品なのだからかなりの高額だったのでは??
そしてもう1つは
誰がこの作品を買ったのだろう??と…
ゴッホの「赤い葡萄畑」の購入額はいくらだったの!?
さて気になるゴッホ作「赤い葡萄畑」の購入額ですが、
当時のフランスの通貨単位で”400フラン”だったと言います。
現在の日本円で換算すると
当時の1フランは約250円位になるでしょうか。
そう考えると今の価値でいうなら
約10万~11万位になるんでしょうね。
ちなみについ最近落札されたゴッホの作品では
「モンマルトル通りの光景」は約17億円の価値でした。
「アリスカンの並木道」は約79億円だったと言います。
そして日本で観れるゴッホの「ひまわり」は約58億円だったと言います。
※1987年安田火災海上(現在の損保ジャパン日本興亜)が落札しました。
ゴッホが生きていた頃は
今ほどの人気も評価もなかったのが分かります。
もしこの「赤い葡萄畑」が”今”オークションに出品されたら、
果たしていくらの価値が付くのだろうか??
ちょっと気になる話題ですね。
一体誰がこの「赤い葡萄畑」を購入したの!?
購入した人物は”アンナ・ボック“という女性だったそうです。
このアンナ・ボック(1848年~1936年)は、
ベルギーの画家で芸術家グループ”20人展”のメンバーの一人。
この”20人展”はベルギーを代表する画家やデザイナーたちが会員となって発足したグループで、
アンナはこのグループに37歳の時に加入しています。
37才…
ゴッホの享年(37歳)と同じ年齢とだったわけですが、
何だか運命的なものを感じるのは私だけでしょうか!?
さてこのアンナ・ボックは裕福な家柄だったそうで、
資金的に才能のある無名な画家を支援したりしていました。
もちろん今回の様に作品を購入した事も多数あったそうです。
そしてこのアンナ・ボックには画家で詩人だったウジエーヌ・ボックという弟がいて、
この弟はゴッホとも交友があった事でも有名でした。
事実ゴッホはウジエーヌの肖像画を描いていたのです。
生前中ゴッホはそこまで高く評価されてはいなかったけれど、
でも多くの人から支援してもらっていたのが分かりますね。
弟テオからは経済的にも色々と支援してもらっていたし、
今回の様に芸術家からも応援されていたわけです。
”近い将来ゴッホは世界的に評価される画家になる!”
そう周りにいた人たちは予感していたのかもしれませんね!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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