- 2018-10-15
- Impression (絵画展の感想)
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”17世紀のオランダ絵画” ~Vermeer~
”フェルメール”がメインになっている絵画展とはいえ、
実のところは”17世紀のオランダ絵画展”と言ってもいい。
先日「フェルメール展」に行き、
そう思ったのでした。
場所は”上野の森美術館”で、10月5日に開催したばかり…。
フェルメールはオランダを代表する画家ですが、
いかんせん残した作品数が少ないのです。
40点にも満たないほどで、
どうしてもフェルメールだけで絵画展の開催は難しい…。
それでも彼の作品が8点も観れるのは魅力的で、
もちろん今回も魅力ある作品が発見できたのです。
今回はその様子や感想について話していきたいと思います。
・・・
これまでオランダ絵画は何度も見たことはあるけれど、
オランダの絵画は一言で言うと精密で繊細で分かりやすい。
特に17世紀のオランダは
芸術分野でも最盛期との評価もあるほどなので、
そう思ったら見どころはフェルメールだけではないと思います。
それにオランダ絵画は宗教絵画よりも風俗画が多い感じなので、
あまり絵画に精通していなくてもすんなりと楽しめるのも魅力的。
風俗画は当時のオランダの生活や文化を描いたものなので、
その頃の生活ぶりが見れるのがまた興味深い!!わけです。
例えば…
この絵はピーテル・デ・ホーホの「人の居る裏庭」
奥のほうに2人のメイドがいるので、
この家は比較的裕福な家なんでしょうね~。
17世紀のオランダは経済的に繁栄していった時期でもあるので、
当時である程度余裕のある人は、
メイドを雇うのは当たり前だったのかもしれないですね。
それから~
これはハブリエル・メツーの作品「手紙を書く男」
この作品には対になる形で
「手紙を読む女」という絵があります。
当時の貴族の恋愛事情が描かれた作品で、
この2つの絵は個人的にも気に入っているのです。
解釈によると、
”右に立っているメイドがカーテン越しに
荒海を航海する船の絵を見ています。
この事から
今後の2人の男女の恋愛の苦難を暗示しているとか…。”
…それにしても
2人の恋愛の様子をのぞき込む形で描いているのも面白いですね!
絵に描かれている男女の心理を読み解きながら、
2つを見比べてみるのも面白いと思います。
それと1つ気になった事があって
人物と背景の構図が何だかフェルメールのと似ているような…
・・・
そう思うのは、
私だけかな!??
今回の「フェルメール展」は
フェルメールだけじゃなく他にもイイ作品が多いと思います。
…参考ですが、
命のない静物画の章ではこんな絵も斬新的!
ヤン・ウェーニクスの「野ウサギと狩りの獲物」
精密かつ繊細で、超リアルで生々しい。
しかも対象物が命のない野ウサギなだけに、
余計に不気味で生々しく感じてきてしまいます。
このヤン・ウェーニクスという画家は
他にも”生のない静物画”を多く描いているようですが、
果たして彼はどんな気持ちでこういう絵を描いていたのかな!?
~
今回の企画展は「フェルメール展」となっていますが、
”17世紀のオランダ絵画”の方がピンと来るな~。
そう思った前半部分でした。
それでも
主役はこの画家でしょうけど…。
※ここで取り扱っている画像、イラストは、 掲載可能なもの(public domain)を使用しています。
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