- 2025-10-26
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日アーティゾン美術館で、ジャム・セッション”漂着”を観てきました。
これは石橋財団コレクションと現代アーティスト山城知佳子と志賀理江子の共演で、今回で6回目となる開催。
以前から”謎”に包まれた感じの展覧会だったので、ついつい行ってきてしまったのです。
今回は簡単ですが、私的レビューをしていこうと思います。
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【 目次 】 |
「ジャム・セッション”漂着”」を観てきました。(レビュー)

先日アーティゾンで「ジャム・セッション”漂着”」を観てきました。
6回目となる今回は、山城知佳子と志賀理江子の共演!
詳細が”不明!?”だった事もあり、いつも以上に気になっていた展覧会でした。

では、実際に観た私の一言レビューとしては…
”これほどインパクトがあるのも久々だな~!”と。
今回の展示はインスタレーションで、映像や写真を使った空間演出がメインになっています。
アートにサウンドが加わると、これほどまで心に刺さってくるものなんですね!!
ちょっと不気味だったりグロテスクな感じもあり、決して後味が良いものばかりではないですが、これもアートのオモシロさではないでしょうか。
まずは…

6階は”山城知佳子”さんのインスタレーションで染まっていました。
部屋全体が薄暗い空間になっていて、そこに計5つの映像が展開されている展示になっています。
パラオの風景や牧師”平良修”の演説やら、戦時中の沖縄戦を背景とした「ハイサイおじさん」の演奏があったりと、もうしっちゃかめっちゃかな映像が続きます。
ただ一つ共通して言えるのが”戦争”という歴史。
沖縄出身の人にとって、戦争は大きなターニングポイントだったのが分かりますね。
山城知佳子さんは沖縄出身の、映像表現を得意としたビデオアーティスト。
1976年生まれなので戦争経験はないけれど、ただ人々の記憶は今でも残っている。そういった戦争史や痕跡、記憶を交差させた展示になっています。
最近はセンシティブな世の中になっているので、”戦争”がテーマは賛否ありそうな感じではあるけれど…
でもこういったユニークな表現が出来るのも、沖縄出身のアーティストだから可能なんでしょうね。
そして5階では…

”志賀理江子”さんの作品「なぬもかぬも」が広がっていました。
部屋全体に”蛙”の声が響き渡っていて、中でもウシガエルの声が不気味!
そんなサウンドと共に、グロテスクさを感じさせる写真が次から次と展開されています。
しかも随所に志賀さん?自身のメッセージやら”声”が黒い文字で書かれていて、読み進めていくと妙な世界に引き込まれる様な…
写真とサウンドによる独特な世界観は、観終わった後も僕の記憶にずっしりと残っていて、ここまで刺さるアートも久々ですね。

志賀さんは東北各地を取材し撮影し、その土地に刻まれた記憶や災害、傷跡を独自の世界観で展示しているわけですが、それにしてもインパクトありまくりですね!
観終わった後も、”ウシガエル”の声が耳に残っているくらいですから…
ちなみに作品名”なぬもかぬも”で、宮城県の地域の方言「何もかも」から来ているそうです。
今回の展覧会名”漂着”は、2人のアーティストの作品の流れ着いた場所が由来だそう。
災害や戦争、その土地の人々の記憶などが、視覚や聴覚を通して味わえる内容になっています。
それにしても、アートにサウンドが加わると、これほど突き刺さってくるなんて!
改めて思ったのが、インスタレーションは人間の五感に影響を与えるアートなんだな~と。
ぜひ、この世界観に身を置いて観るのもイイと思います。
「ジャム・セッション”漂着”」の開催概要

今回で6回目となるアーティストのコラボ展”ジャム・セッション”!
開催場所は、お馴染みのアーティゾン美術館です。
展示のメインとなるインスタレーションは、その場の雰囲気や空気感も醍醐味なので、興味のある方はぜひ!!
そんな「ジャム・セッション”漂着”」の開催概要は以下になります。
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「ジャム・セッション:石橋コレクション×山城知佳子×志賀理江子”漂着”」の開催概要 ・会期:2025年10月11日(土)~2026年1月12日(月) ・時間:10:00~18:00まで(毎週金曜は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで ・入館料:一般(ウェブ予約)1,200円、一般(窓口販売)1,500 |
※インスタレーション・アートがメインのため、館内の撮影は禁止になっています。

また4階では、「石橋財団コレクション選」も開催しています。
興味のある方はぜひ、足を運んでほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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