- 2025-9-17
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日、国立新美術館で「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」を観てきました。
それにしても、妙に惹かれる展覧会名だと思いませんか!?
1989~2010年と言えば、平成の始まりから20年間を指すわけで、世代的にはまさにドンピシャ!!
おそらく、興味のある方も多いのではないでしょうか。
今回は展示の様子も交えながらレビューをしていくので、ぜひ参考にしてもらえたら幸いです。
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【 目次 】 |
「時代のプリズム」を観てきました!(感想レビュー)

先日、国立新美術館で「時代のプリズム(Prism of the Real)」を観てきたので、展示風景を交えながらレビューしていきたいと思います。
今回のテーマは、”時代のリアリティが映し出す、日本で生まれた美術表現”。
平成が始まった1989年~2010年の20年間で、日本ではどんな美術が誕生し、そして世界へと発信されていったのか?
つまりは、作品を観ながら時代を思い返そう!という趣旨になっているようです。

世代的にドンピシャな私の感想になりますが、非常に満足度が高かった!
この一言に尽きますね。
森村泰昌や奈良美智、村上隆、大竹伸朗、ヤノベケンジ、それから会田誠に宮島達男…と、豪華メンバーが勢揃いで作品数も充実していたから。
私的には、”アルバムをめくる感覚”で楽しめた感じでした。^^
・・・
というわけで、早速挙げたい作品がコチラ!!☟

「肖像(双子)」(1989年)森村泰昌
・210×300cm、Cプリント、透明メディウム、森美術館所蔵(東京)
森村泰昌(もりむら やすまさ)さんの「肖像(双子)」という作品です!
まさに、森村泰昌らしい作品!といった感じでしょうか。
私は観た瞬間、脳裏に焼き付いてしまいました。
観て分かる通り、エドゥアール・マネの「オランピア」をオマージュした作品ですが…
妙に自身の顔の主張が強い!!
この執着心には、つくづく脱帽ですね。
ふざけている様で、でも芸術に対して真剣さも感じられるし、個人的にこの世界観は非常に好きです!^^

「エステティック・ポリューション」(1990年)椿昇
・290×360×270cm、発泡ウレタン、粘土、木(ヤナギ)、塗料など、金沢21世紀美術館所蔵
そしてこちらが椿昇(つばきのぼる)さんによる、30代後半に制作した作品です。
奇抜な色と、身長を超える大きさ!に、誰もが目を惹かれると思います。

「網膜(ワイヤー・ホライズン、タンジェ)」(1990-1993年頃)大竹伸朗
・274×187×20cm、油彩、オイルスティック、ウレタン塗料、樹脂、紙、 ホチキス、ハトメなどその他
大竹伸朗(おおたけ しんろう)さんの作品です。
つい最近では東京国立近代美術館で「回顧展」が開催されたので、記憶に新しいと思います。
「網膜」は大竹伸朗さんの集大成とも言える作品なので、これは間近で観てほしい!
ごちゃごちゃ感というか、密集度は見物です!!

「Agent Orange」(2006年)奈良美智
・カンヴァスにアクリル、個人蔵
可愛らしく見えるのに、なぜか不気味というか”影”も感じられる。
「Agent Orange」は、ベトナム戦争時に使用された化学兵器”枯葉剤”を意味しています。
当時、オレンジ色の枯葉剤は多く使用されていたそうです。
可愛らしいのに、でもダークさが漂う作風は奈良美智さんならでは!

「ボデゴン・鳥」(1992年)森村泰昌
観た瞬間、森村泰昌さんによるものだと分かる作品です。
ボデゴン、つまり鳥の静物画です。
まさか、こういった部分にも自身の顔を登場させるなんて!! (°Д° )/


「ボデゴン・壺」(1992年)森村泰昌
この「ボデゴン・壺」には、顔は表現されていない様ですが、それにしても実に奇怪です。
今回は”日本で生まれた美術表現”という趣旨の展覧会ですが、森村氏に至っては日本とか関係ない様に思います。
独自の”世界観”が展開されているからです。
逆に言えば、ここまで徹底的に”森村泰昌ワールド”が表現されたら、僕としてはイイ意味で安心してしまいます!^^
ここからはちょっと気分を変えて、後半へ行きたいと思います。
今回、前半と後半で分けて話している事からも、展示数の多さが分かるかと思います。
・・・

「古代美術館」(1995年)大岩オスカール
・182×546cm、合板にアクリル、豊田市美術館所蔵
まずは”大岩オスカール(Oscar Oiwa)”さんの作品です。
日系ブラジル人で、現在は主にニューヨークを拠点に活動している現代美術家です。
作風から分かる通り、何となく”Worldwide(ワールドワイド)”な感じがしませんか!?
願うなら、東京で大々的な個展を開催して欲しいものですね!

「博多ドライヴ・イン」(1998年)ナウィン・ラワンチャイクン
ナウィン・ラワンチャイクン(Navin Rawanchaikul)の作品です。
タイ出身の作家で、福岡に移り住んだのをきっかけに作品を制作し始めたそう。
1971年生まれなので、20代後半に制作した作品になります。

市民とタクシー運転手との交流をテーマに、漫画テイストで展開されています。
これは結構見ごたえがあります。



こんな感じで「時代のプリズム」展は、基本的に”撮影可能(一部撮影不可もある)”になっています。
写真に収めて、後々に撮った画像を観て楽しむ。
まさに”アルバム感覚”な企画展だと思いませんか!?


今回実に多くの作品が展示されていて、イイ意味で凝縮されていると思います。
現代アートは正直理解に苦しむ部分も多いですが、こうやって展示されると気楽に楽しめるのがイイですね。

他に注目のおススメ作品2点!!
今回紹介できなかったのですが、個人的におススメ作品が2点あります。
共に映像作品なので、ぜひ実際に足を運んで観てほしい!ですね。
・1つ目は、「God Bless America」(2002年)高嶺 格(たかみね ただす)さんの作品です。
…粘土?を利用して、パラパラ漫画風で表現した映像作品です。シュール?な感じで、これは非常にツボにハマる内容でした。一見の価値有りだと思います。
・2つ目は、「公衆便女」(2006年)束芋(たばいも)さんの作品です。
…公衆便所を舞台に、そこに行き交う女性たちの様子がアニメーション風に描かれている作品。浮世絵風な画風で表現されていて、古風でありながら、それでいて非常に毒々しい!これは中毒性満載の作品だと思います。
これは女性だから創れる、束芋さんならではの作品でしょう。必見です!!
それにしても、束芋さんの世界観はツボにハマりますね。^^

今回紹介したのは展示作品のほんの一部です。
なにせ参加アーティスト50人を超える規模ですから、これは豪華で見ごたえがあります。
2025年12月8日(月)までの開催なので、興味のある方はぜひ行ってみるのをおススメします。
「時代のプリズム」展の開催概要

特に映像やインスタレーション・アートはその場でしか味わえないものなので、興味のある方はぜひ足を運んでほしいと思います。
そんな「時代のプリズム」展の開催概要は、以下の通りになっています。
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【 『時代のプリズム』展の開催概要 】 ・会期:2025年9月3日(水)~12月8日(月)まで ・時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで ・観覧料:一般は2,000円、大学生は1,000円、高校生は500円、中学生以下は無料 |

今回の「時代のプリズム」展は、基本的に”撮影可能(一部撮影不可もある)”になっています。
当日の美術館では、LIVEで作品鑑賞を楽しむ!
そして後日に、撮った画像を観て楽しむ!!
つまり、”アルバム感覚”で味わってほしい企画展だと思います。
興味のある方は、ぜひGO!!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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