卯年だけに、”兎”を擬人化した歌川芳藤の浮世絵は風情があって面白い!

卯と兎

 

明けましておめでとうございます。

 

2023年の干支は言わずと知れた”(ウサギ)

今回は正月を彩る絵として、歌川芳藤(よしふじ)の浮世絵を挙げてみようと思います。

 

浮世絵は様々な動物を疑心化したものが多く、中には(うさぎ)もよく描かれていました。特に明治時代初期に多く制作され、俗に”兎絵(うさぎえ)”とも呼ばれていた代物です。

 

「清元落人 おかるとかん平(勘平)」(1873年頃)歌川芳藤

「清元落人 おかるとかん平(勘平)」(1873年頃)歌川芳藤

 

これは歌川芳藤の浮世絵「清元落人 おかるとかん平(勘平)

人形浄瑠璃で、歌舞伎演目の一つ『仮名手本忠臣蔵』の場面を描いた浮世絵です。色とりどりの装飾的模様の着物と、妙に色気を感じるウサギのしぐさ。この何とも言えない愛らしさと、ユーモアたっぷりな絵は見ているだけでもイイものです^^。

正直言って「おかるとかん平(勘平)」のストーリー自体は決して明るく楽しいものではないけれど…。でも2人の悲恋の話を歌舞伎という娯楽で表現し、そして擬人化して浮世絵という技術によって作品化するあたりは、日本らしい芸術性の高さを感じませんか!?

 

「清元落人 おかるとかん平(勘平)」(1873年頃)歌川芳藤

「清元落人 おかるとかん平(勘平)」

兎を擬人化するというユーモアさと、彩り溢れた装飾性!この何とも言えない華やかさと風情は、浮世絵ならではの醍醐味だと思うのです。人物(動物?)描写の機微と多色版画の良さをしっかりと活かした絵は、まさに絵師の画力と浮世絵の融合によって生まれた代物と言っても過言ではない!正月を彩る作品にはもってこいではないでしょうか。

 

一息付ける正月休み!
この機会に歌川芳藤浮世絵清元落人 おかるとかん平(勘平)」をじっくり見るのもイイと思います。

それでは、今年もよろしくお願いします。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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