「ルノワール展」を観てきました。(その1)in 国立新美術館

「ルノワール展 in 2016」…国立新美術館にて

 

「ルノワール展」に行ってきました。

このルノワール展はオルセー美術館、
オランジュリー美術館所蔵の作品を中心に集めた絵画展になっています。

 

国立新美術館で開催というわけで、
こんな景色を見るのも久々な感じなのですが~

4月下旬の国立新美術館 in 2016

残念な事に天気は雨でした。
でも不思議な明るさと透明感がある国立新美術館だったのです。

 

では話を戻すと~

今回の「ルノワール展」は
これまで開催してきたものの中で最大規模だそうです。

 

見所の作品もいくつかありましたが、
他にも個人的にイイ作品がありました。

簡単ですが、
順に追って感想や様子を話していきたいと思います。

 

 

…1章「印象派へ向かって

 

まずはこの2つの作品が出迎えてくれました。

「猫と少年」(1868年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「猫と少年」(1868年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワール作の猫と少年(1868年)

 

絵を見て感動!
これはかなり驚きの作品!
ルノワールが男性の裸体もを描いていたのです。

女性を多く描いているイメージが強いだけにだけれど、
これはルノワールにしてはかなり珍しいと思います。

でも男性にしては
綺麗な感じがしなくはないですが…

 

そしてもう1枚はルノワールの代表作

「陽光のなかの裸婦」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「陽光のなかの裸婦」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワール陽光のなかの裸婦(1876年)

これは第2回印象派展に出品した作品。
当時この絵はまったく理解されたなったと言います。

光の当たり具合や肌の色が腐った肉と言われたり…
つまりは酷評だったと言われています。

それが今では
ルノワールの代表作の1つとなっています。

 

考え…・思い…
素人の私からすれば、
光の当たり具合なんかは自然に見えるんですが…。

当時はまったく理解されなかったわけですね。

 

 

…2章「”私は人物画家だ” 肖像画の制作

 

そしてここから本格的な感じで展示されていきます。

ルノワールは印象派でありながら、自身を人物画家と称するほどだったと言います。

もちろん人物画をかなり描いています。

 

まず最初に見れたのが
『ウィリアム・シスレー(1864年作)』という人物画です。

印象派を代表するシスレーの人物画ですが、
これまで見てきたルノワールの画風とはかなり違う感じです。

印象派とは程遠い感じで、
くっきりとはっきりと描いているのが特徴的でした。

専門家が言うには、
これは伝統的な技法、構成というようですが…。

”ルノワールと言われなければ、
誰がかいたのだろう??そう思うと思います。

 

それから実は今回展示していた人物画って、
これまで見た事のある作品がいくつもあったのです。

「シャルル・ル・クール」(1872‐73年頃)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「シャルル・ル・クール」(1872‐73年頃)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワールシャルル・ル・クール(1872-1873年頃)

それから
『ジョルジュ・アルトマン夫人(1874年作)』
『クロード・モネ(1875年作)』など…

 

以前開催された「オルセー美術館展」

以前オルセー美術館展に行った事があるのですが、
今回は
約半分はオルセー美術館所蔵の作品もあるので、
いくつか再来日の作品もあるのだと思います。

でも不思議な事に
見る時期やタイミングが違うと印象が違うんですよね!?

 

と思っていたら
気になる1枚を発見!しました。

ポール・ベラール夫人の肖像(1879年作)』

単に描かれている女性が美人だからというのもあるけれど、
何よりもルノワールらしさがある絵だったからです。

顔の輪郭が描かれていなくて、
ルノワール独特の浮き出る様な淡さがありました。

こういう女性の描き方って
ルノワールしか描けないだろうな~”と。

 

…3章「風景画家の手技」

 

ルノワールが描いた作品を大きく分けるなら、
人物画と風景画の2つになると思います。

「シャンロゼーのセーヌ川」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「シャンロゼーのセーヌ川」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

・・・

「草原の坂道」(1875年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「草原の坂道」(1875年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

 

そして後半になると、
人物画が中心となっていきます。

例えば、子供の人物画など…
もちろん少女の人物画がメインですが、

「ジュリー・マネ(猫を抱く子ども)」(1887年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ジュリー・マネ(猫を抱く子ども)」(1887年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワールジュリー・マネ(猫を抱く子ども)(1887年)

これはウジェーヌ・マネの娘ジュリー・マネを描いた作品。

 

特に注目してほしいのは”顔”です!
まるで透き通る様な透明感があって、
水彩画や色えんぴつで描いた様な柔らかさがあるんですよね~。

洋服や背景は意外に筆のタッチが残っているだけに、
顔がもの凄く引き立ってくる感じなのです。
こういう優しく柔らかい絵は
ルノワールしか描けないな~と思います。

そういえばちょっと余談ですが、
このジュリー・マネが抱いている猫をモチーフにした
小さいぬいぐるみが販売されていました。
私は買ってはいませんが、目が超かわいかったですよ!

 

・・・

「ピアノを弾く少女たち」(1892年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ピアノを弾く少女たち」(1892年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワールピアノを弾く少女たち(1892年)
・116×90cm、カンヴァスに油彩
・オルセー美術館所蔵

 

「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」(1897‐1898年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」(1897‐1898年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

ルノワールピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル(1897‐1898年)
・73×92cm、カンヴァスに油彩
・オランジュリー美術館所蔵(ジャン・ヴァルテル&ポール・ギョーム・コレクション)

 

ポイント!
愉しむポイントは見比べて観る事!

今展の見どころの1つは、
オルセーとオランジュリーの2つの美術館から作品を持ち込んでいる事!
こういった同テーマの絵を見比べる事が出来る!のも魅力ですね。

共に構図的には同じ様な感じだけれど、
それぞれ違った味わいがあってイイですね。

こうやって同じような作品を見比べて観る!!
これも絵画の愉しみ方の一つだと思います。

個人的に好きな絵は、
上で挙げた『ピアノを弾く少女たち』ですかね~。

 

今回の「ルノワール展」は
風景画と人物画の両方を味わえるのがイイですね。

まさにルノワールらしい作品ばかりで、
とても充実していると思います。

そしてルノワールらしいと言えば、
風景画の要素と人物画の要素が合わさったかの様な絵…
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会も見所!

 

それは…次回でどうぞ!

 

 

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