- 2016-5-1
- Impression (絵画展の感想)
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「ルノワール展」に行ってきました。
このルノワール展はオルセー美術館、
オランジュリー美術館所蔵の作品を中心に集めた絵画展になっています。
国立新美術館で開催というわけで、
こんな景色を見るのも久々な感じなのですが~
残念な事に天気は雨でした。
でも不思議な明るさと透明感がある国立新美術館だったのです。
では話を戻すと~
今回の「ルノワール展」は
これまで開催してきたものの中で最大規模だそうです。
見所の作品もいくつかありましたが、
他にも個人的にイイ作品がありました。
簡単ですが、
順に追って感想や様子を話していきたいと思います。
…1章「印象派へ向かって」
まずはこの2つの作品が出迎えてくれました。

「猫と少年」(1868年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール作の「猫と少年」(1868年)
これはかなり驚きの作品!
ルノワールが男性の裸体もを描いていたのです。
女性を多く描いているイメージが強いだけにだけれど、
これはルノワールにしてはかなり珍しいと思います。
でも男性にしては
綺麗な感じがしなくはないですが…
そしてもう1枚はルノワールの代表作

「陽光のなかの裸婦」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール「陽光のなかの裸婦」(1876年)
これは第2回印象派展に出品した作品。
当時この絵はまったく理解されたなったと言います。
光の当たり具合や肌の色が腐った肉と言われたり…
つまりは酷評だったと言われています。
それが今では
ルノワールの代表作の1つとなっています。
素人の私からすれば、
光の当たり具合なんかは自然に見えるんですが…。
当時はまったく理解されなかったわけですね。
…2章「”私は人物画家だ” 肖像画の制作」
そしてここから本格的な感じで展示されていきます。
ルノワールは印象派でありながら、自身を人物画家と称するほどだったと言います。
もちろん人物画をかなり描いています。
まず最初に見れたのが
『ウィリアム・シスレー(1864年作)』という人物画です。
印象派を代表するシスレーの人物画ですが、
これまで見てきたルノワールの画風とはかなり違う感じです。
印象派とは程遠い感じで、
くっきりとはっきりと描いているのが特徴的でした。
専門家が言うには、
これは伝統的な技法、構成というようですが…。
”ルノワールと言われなければ、
誰がかいたのだろう??そう思うと思います。
それから実は今回展示していた人物画って、
これまで見た事のある作品がいくつもあったのです。

「シャルル・ル・クール」(1872‐73年頃)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール「シャルル・ル・クール」(1872-1873年頃)
それから
『ジョルジュ・アルトマン夫人(1874年作)』
『クロード・モネ(1875年作)』など…
以前オルセー美術館展に行った事があるのですが、
今回は約半分はオルセー美術館所蔵の作品もあるので、
いくつか再来日の作品もあるのだと思います。
でも不思議な事に
見る時期やタイミングが違うと印象が違うんですよね!?
と思っていたら
気になる1枚を発見!しました。
『ポール・ベラール夫人の肖像(1879年作)』
単に描かれている女性が美人だからというのもあるけれど、
何よりもルノワールらしさがある絵だったからです。
顔の輪郭が描かれていなくて、
ルノワール独特の浮き出る様な淡さがありました。
”こういう女性の描き方って
ルノワールしか描けないだろうな~”と。
…3章「風景画家の手技」
ルノワールが描いた作品を大きく分けるなら、
人物画と風景画の2つになると思います。

「シャンロゼーのセーヌ川」(1876年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
・・・

「草原の坂道」(1875年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
そして後半になると、
人物画が中心となっていきます。
例えば、子供の人物画など…
もちろん少女の人物画がメインですが、

「ジュリー・マネ(猫を抱く子ども)」(1887年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール「ジュリー・マネ(猫を抱く子ども)」(1887年)
これはウジェーヌ・マネの娘ジュリー・マネを描いた作品。
特に注目してほしいのは”顔”です!
まるで透き通る様な透明感があって、
水彩画や色えんぴつで描いた様な柔らかさがあるんですよね~。
洋服や背景は意外に筆のタッチが残っているだけに、
顔がもの凄く引き立ってくる感じなのです。
こういう優しく柔らかい絵は
ルノワールしか描けないな~と思います。
そういえばちょっと余談ですが、
このジュリー・マネが抱いている猫をモチーフにした
小さいぬいぐるみが販売されていました。
私は買ってはいませんが、目が超かわいかったですよ!
・・・

「ピアノを弾く少女たち」(1892年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール「ピアノを弾く少女たち」(1892年)
・116×90cm、カンヴァスに油彩
・オルセー美術館所蔵

「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」(1897‐1898年)ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワール「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」(1897‐1898年)
・73×92cm、カンヴァスに油彩
・オランジュリー美術館所蔵(ジャン・ヴァルテル&ポール・ギョーム・コレクション)
愉しむポイントは見比べて観る事!
今展の見どころの1つは、
オルセーとオランジュリーの2つの美術館から作品を持ち込んでいる事!
こういった同テーマの絵を見比べる事が出来る!のも魅力ですね。
共に構図的には同じ様な感じだけれど、
それぞれ違った味わいがあってイイですね。
こうやって同じような作品を見比べて観る!!
これも絵画の愉しみ方の一つだと思います。
個人的に好きな絵は、
上で挙げた『ピアノを弾く少女たち』ですかね~。
今回の「ルノワール展」は
風景画と人物画の両方を味わえるのがイイですね。
まさにルノワールらしい作品ばかりで、
とても充実していると思います。
そしてルノワールらしいと言えば、
風景画の要素と人物画の要素が合わさったかの様な絵…
…「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」も見所!
それは…次回でどうぞ!
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