- 2026-6-27
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先日、東京国立近代美術館で、「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。
さて、タイトルの”絶滅写真”ですが、何とも興味を惹かれるワードだと思いませんか!?
一体、何が絶滅なのか!?
そんな疑問を頭の片隅に置きながら、鑑賞レビューをしていこうと思います。
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【 目次 】 ・東京国立近代美術館で「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。(鑑賞レビュー) |
東京国立近代美術館で「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。

先日、東京国立近代美術館で開催した「杉本博司 絶滅写真」を観てきました。
これは写真家で現代芸術家でもある杉本博司による”銀塩写真”をテーマにした展覧会です。
今回展示の写真はどれも1メートルを超える巨大なものばかりで、しかもモノクロ写真だけに”重厚感”が半端ない!!
何より、タイトルの”絶滅”写真!!にも興味を惹かれますよね。^^
一体何が絶滅なのだろうか!?…って。

まず個人的な感想になりますが、とても新鮮!で記憶に残る内容だったと思っています。
当初は”地味だろうな~”と思っていただけに、完全に予想を裏切られた感じでしたね!^^
杉本博司は”コンセプト”を重視して作品を制作しているので、一枚一枚に”重み”があるからでしょう!
だから、記憶に残るのだろうと思います。
ちなみに今展の展示構成ですが、以下の通りになっています。
「杉本博司 絶滅写真」の展示構成
1章:時間・光・記憶
2章:観念の形
3章:絶滅写真
1章:時間・光・記憶
まずは1970年代~80年代に発表された3シリーズ、「ジオラマ」と「劇場」、そして「海景」をテーマとした作品が展示されていました。
杉本博司が渡米し、美術学校で写真技術を学び始めた頃~、つまり芸術家としてスタートした初期の作品です。

「アビシニアコロブス」(1980年)杉本博司
・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
「ジオラマ」は、杉本博司の最初のシリーズ作。
博物館のジオラマを撮った作品で、精巧に作られたジオラマを本物に見えるよう撮影したそうです。
作品のコンセプトもそうですが、写真家としての自負も垣間見れる作品ですね。

「ポコット族」(2025年)杉本博司
・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

「ムブティ・ピグミー」(2025年)杉本博司
・119.4×185.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
たしかに人物は本物っぽいですが、背景は”作り物”感を感じる。
これは実際に作品を見ないと分からないと思います。

「パレス・シアター、ゲーリー」(2015年)杉本博司
・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント

「カリブ海、ジャマイカ」(1980年)杉本博司
・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント
世界の海で同じ風景を撮影した「海景」シリーズです。
同じ構図でありながら、でもどれも違っているのが興味深い。
こういった写真を撮ろうとは、普通は考えもしないですよね。

「相模湾、江之浦」(2025年)杉本博司
・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント
2章:観念の形
「概念の形」というとちょっと分かりにくいですが、人間の知性や想像力によって作り出された様々な”かたち”をテーマにした作品です。
作品からも分かりますが、”かたち”をそのまま撮影したわけではないのが興味深い点です。

「サンテリア・モニュメント」(1998年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
まるでピントがぼやけた様な作品です。
焦点距離を「無限の倍」に設定し、焦点をぼかす事で建築家の脳内ビジョンを再現しようとした作品。

「サヴォア邸」(1998年)杉本博司
・119.4×149.2cm、ゼラチン・シルバー・プリント
コンセプトはオモシロイけれど、ず~と観ていると酔った感じになってくる。
もしかしたら、これが建築家の脳内なのだろうか??
![「スタイアライズド・スカルプチャー008[イブ・サンローラン 1965年 秋 - 冬]」(2007年)杉本博司](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2026/06/sugimoto_hiroshi.extinction_033.jpg)
「スタイアライズド・スカルプチャー008[イブ・サンローラン 1965年 秋 – 冬]」(2007年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
「スタイアライズド・スカルプチャー(Stylized Sculptures)」シリーズです。
解説によると、時代を画したデザイナーたちの作品を「人体とそれを含む人工皮膚を近代彫刻として見る」という視点からとらえ、モダニズムの検証を試みている…と。
私としては、非常に理解に苦しむ作品です。

でも、面白いな~と思うポイントもあります。
それはファッションにおいて”カラー”は重要な要素なのに、あえてファッションを”モノクロ”で表現なんて!!
この試みは大胆不敵というか、オモシロイ!の一言に尽きますね。
3章:絶滅写真
杉本博司の芸術の原点”絶滅写真!”をテーマとした章です。
冒頭でもちょっと触れましたが、一体何が絶滅なのだろうか??…と。
つまり、タイトルの”絶滅写真”とは、銀塩写真というメディアの終焉を意味しているわけです。
そして同時に、作家活動の終わりも暗に示しているそうです。

「リチャード一世」(1999年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
これは「肖像」シリーズで、ロンドンのマダム・タッソーの蝋人形を撮影した作品。
”剥製の白熊を生きている様に撮れるなら、蝋人形も生きているように撮れるだろう…”
芸術家として初期に制作した「ジオラマ」シリーズに立ち返る様な作品です。

「ヴィクトリア女王」(1999年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント

私の解釈になりますが…
”初期に立ち返る”というのが、何とも意味深に感じるのは私だけでしょうか。
タイトルの”絶滅写真”は、作家としての終わりも示していると話しました。
杉本博司はもうすぐで80歳を迎えるわけで、もしかしたら”死”を意識しての事かもしれないですね。
そう思うと、何とも物寂しく感じるのは私だけでしょうか!?

「放電場 138」(2009年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
そして、今回私が最も惹かれた「放電場」シリーズです。
フィルムの現像の際、暗室では微妙な温度差によって静電気が発生する事があるそうです。
フィルムに静電気が帯電し、放電する時の火花によってフィルムを痛める事も!
(私はあまり写真については詳しくないので、もしかしたら違っているかもしれませんが…。)
「放電場」シリーズは、放電現象をあえて逆手に取った作品なわけです。

「放電場 227」(2009年)杉本博司
・149.2×119.4cm、ゼラチン・シルバー・プリント
何とも斬新な作品だと思いませんか!?
銀塩写真ならでは!と言ったところでしょうか。
「放電場」シリーズを観たら、銀塩写真の終焉はないだろうな~と思ってしまったわけです。

「杉本博司 絶滅写真」の展示風景より
…という感じの「杉本博司 絶滅写真」でした。
全体を通して言えるのは、作品の根底に”コンセプト”があるからか、非常に深みのある内容だったな~と。
個人的にはとても面白い展覧会だったと思います。^^

さて、「杉本博司 絶滅写真」ですが、2026年9月13日まで開催します。
興味のある方は、ぜひ”東京国立近代美術館”へ!!
開催概要は以下↓に載せています。
「杉本博司 絶滅写真」の開催概要

肝心の開催概要は以下になります。
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【 「杉本博司 絶滅写真」の開催概要 】 ・会期:2026年6月16日(火)~9月13日(日) ・時間:10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで ・観覧料:一般は2,300円(2,100円)、大学生は1,200(1,000円)、高校生は700円(500円) |
今回のレビューを参考にして、ぜひ観に行くのもイイと思います。
興味のある人はぜひ!!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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