西洋絵画で”歯医者(歯を抜く者)”を観ると、嫌な歯医者も行きたくなる!?

歯医者(イメージ画像)

 

先日、歯医者に行ってきましたが、大人になった今でも”歯の治療”は嫌なものですね…。

麻酔を使うから痛くないのは分かっていても、なぜか憂鬱な気分になってしまうから不思議です。

 

今回は”歯医者”つながりで、”歯の治療”を題材にした西洋絵画をいくつか見ていこうと思います。

 

【 目次 】

・”歯医者”は嫌だけど、昔に比べたらマシ!?

・”歯医者”を題材にした、最も代表的な絵画!
 …見るからに”痛そうだな!!”と感じさせる絵画
 …これ程多くの人に治療を見られるのも嫌!と思う絵画作品

・”歯医者”の絵を観ると、解釈次第に”歯医者に行きたくなる!?”

 

 

 

”歯医者”は嫌だけど、昔に比べたらマシ!?

歯医者(イメージ画像)

先日、歯医者に行ってきましたが、大人になった今でも”歯の治療”は嫌なものですね…。

待っている間に聞こえてくる”ビイーン!”という器具の音!

室内が静かなだけに、余計に”この不快な音”が耳に入ってきてしまうわけです。

麻酔を使うから痛くないのは分かっていても、なぜか憂鬱な気分になってしまうから不思議です。

 

「歯医者」(1622年)ヘラルト・ファン・ホントホルスト

「歯医者」(1622年)ヘラルト・ファン・ホントホルスト

・147×219cm、カンヴァスに油彩、アルテ・マイスター絵画館

ところで西洋絵画を観慣れている人なら、”歯の治療”を題材にした絵があるのはご存知だろうと思います。

主に17世紀~18世紀頃に多かったようですが、風俗画というジャンルで描かれていました。

時にはユーモアたっぷりに、時にはリアルに!

当時の”歯の治療”の光景が、多少なりとも垣間見れるのもオモシロイものです。

そして同時に、当時の描かれた光景を見ると、現代の歯の治療は昔に比べたらかなりマシ!とも思ってしまう。

今回は、そんな西洋画をいくつか見ていこうと思います。

 

 

”歯医者”を題材にした、最も代表的な絵画!

「歯を抜く男」(1630-1635年頃)ヘラルト・ドウ

「歯を抜く男」(1630-1635年頃)ヘラルト・ドウ

・32×26.3cm、板に油彩、ルーヴル美術館所蔵

西洋画には様々な”歯の治療”を題材にした絵がありますが、特に代表的なのがヘラルト・ダウ(Gerard Dou)の作品でしょう

ネットで”歯医者&西洋画”で検索すると、ほぼ真っ先にこの画家が挙がってくるほどです。

さて、上↑の絵を観ていると、いくつか興味深い点が読み取れると思います。

例えば、歯を抜いている人物が”医師でない”感じで、治療を行っている部屋も”病室ではない”のは一目瞭然です。

毛皮の袖が付いた服を着ていることからも、医者とは程遠い感じだし、何より衛生的とは全く言えない。

どういった経緯で描かれたかは分かりませんが、少なくとも当時の”歯の治療”がいい加減だったのが読み取れるからです。

 

「ロウソクの光で照らす歯医者」(1660-1665年頃)ヘラルト・ドウ

「ロウソクの光で照らす歯医者」(1660-1665年頃)ヘラルト・ドウ

・板に油彩、キンベル美術館所蔵

ヘラルト・ダウはいくつか”歯の治療”を題材にした絵を描いていますが、どの絵にも共通しているのが”強い明暗対比”です。

暗い部屋と、ロウソクの光による対比は、まさにレンブラントのキアロスクーロ(Chiaroscuro)を彷彿とさせます。

ちなみにヘラルト・ダウ(Gerard Dou)は、1613年~1675年、オランダ出身でレンブラントから絵を学んだ経験もある画家です。

 

 

見るからに”痛そうだな!!”と感じさせる絵画

「歯を抜く男」(1608-1610年頃)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ

「歯を抜く男」(1608-1610年頃)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ

・140×195cm、カンヴァスに油彩、ピッティ宮殿所蔵

これは見るからに”痛そう!!”

…そう思わせてくれる作品です。

歯を抜かれる男の表情としぐさはもちろんですが、何より強い明暗対比によって痛みの激しさも強調されている様です。

一枚の絵でこれほどの臨場感を表現できるって、まさにカラヴァッジオの成せる業!といった所でしょうか。

※ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)は、バロック期を代表するイタリアの画家。

 

「歯を抜く男?」(1879年)シャルル・ヴェルラ

「歯を抜く男?」(1879年)シャルル・ヴェルラ

・34.5×22cm、木板に油彩、アントワープ王立美術館所蔵

私が調べた限りですが…

歯の治療で麻酔が使用されたのは、19世紀中頃辺りからだと言われています。(1845年頃、アメリカの歯科医師ホーレス・ウェルズが最初だと記録されています。)

つまり、カラヴァッジオの絵が描かれた時代は、歯の治療において麻酔は使用されていなかったというわけです。しかも治療とは言っても”ほとんどは抜歯”だったそうです。

麻酔もせずに歯を抜く処置が行われていたと思うと、かなりの痛みを伴っていたのが想像できますね。( >Д<;) イタッ

 

 

これ程多くの人に治療を見られるのも嫌!と思う絵画作品

「にせ医者(歯を抜く男)」(1754年)ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ

「にせ医者(歯を抜く男)」(1754年)ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ

・81×110cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

痛みを伴うのも嫌だけれど、これほど多くの人に見られるのも嫌なものです。

これはジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ(Giovanni Domenico Tiepolo)の作品「にせ医者(歯を抜く男)」。

作品名からも分かる通り、”歯を抜く行為”が”見世物”として描かれている作品です。

傍から見ている人間からすれば楽しい余興みたいなものだろうけど、歯を抜かれた側からしたら”苦痛”でしかない。

しかも多くの人間にその様子を見られているわけだから…。

 

「歯を抜く男」(1651年)ヤン・ステーン

「歯を抜く男」(1651年)ヤン・ステーン

・32.5×26.7cm、カンヴァスに油彩、マウリッツハイス美術館所蔵

しかも口の中を他人に見られるって、これはこれでプライバシーを覗かれるようなもの!

最低でも”目隠し”くらいはさせてほしいですよね!?

ちなみにヤン・ステーン(Jan Steen)は、1626年~1679年、オランダのライデン出身の画家。特に農村に住む人々の風俗画を描いた事で知られる画家です。

 

 

 

”歯医者”の絵を観ると、解釈次第に”歯医者に行きたくなる!?”

「歯科医院のジョージ・ヴィアウ医師」(1914年)エドゥアール・ヴュイヤール

「歯科医院のジョージ・ヴィアウ医師」(1914年)エドゥアール・ヴュイヤール

・107.7×137.5cm、カンヴァスに油彩、オルセー美術館所蔵

…と、様々な”歯の治療”を題材にした西洋画を挙げてみました。

痛みを伴う治療だったり、多くの人に見られながらの治療だったり、ちょっと衛生的に大丈夫!?と思わせるものもある。

どれも自分が受けたら嫌な場面ばかりだったりします。

こんな風に絵を観てみると、今の歯医者は衛生的で無痛で恵まれているな~と感じると思います。

解釈次第では、”それなりに歯医者に気楽に行ける!?”かもしれませんね。

だからと言って、歯医者が好きになるわけでもないですが…。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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